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この家具一つで楽しく元気に長生きできました。【今こそ立ち上がるとき】
こんな質問(?)をいただきました。
ここ1年以上在宅での仕事が続いていることもあり、自分へのクリスマスプレゼントとして、そろそろスタンディングデスクを導入してみようかと思っています。しかし、「むしろ疲れがたまるだけ」といった話を聞くこともあって、購入するかどうか悩んでいます。おくさんさんはスタンディングデスクについてどう思われますか?(背中を押してほしい)
とのこと。確かにリモートワークとかは今後も続きそうなんで、早いうちに快適な仕事環境を構築しておきたいですよねぇ。
私は2年ほど前からスタンディングデスクを導入しておりまして、家で作業するときにはほとんどの場合立った状態で行っていたりします。個人的にはぜひ購入をおすすめしたいと思っているんですが、科学的にはまだ完全に決着がついたわけではなくて、スタンディングデスクにはメリットもデメリットも両方報告されているのが現状なんですよ。
てなわけで今回は、(背中を押してほしいということで、)メリットを中心にスタンディングデスクに関する現段階の知見をまとめておこうと思いまーす。
▼なぜ今、スタンディングデスクなのか?
座りすぎがいろいろよくない!ってのは皆さまご存じの通り。肥満や心血管系、がんなどのリスクが上がるだけでなく、メンタルや仕事の生産性にまで悪影響を及ぼすというデータはいたるところで報告されております。
私の方でも最近だと、「座りすぎでメンタルの回復力が下がっちゃうぞ!」なんていうアイオワ州立大学の研究なんかを紹介したりしましたね。
▼座りすぎでメンタル悪化、のデータがまた…
— おくさん (@Astella6174) December 7, 2021
・パンデミック期間中の生活に慣れるにつれて、メンタルヘルスは徐々に改善した
・が、座っている時間が長い人は、抑うつレベルの改善が小さかった
座ってなくてもできる作業は意外と多い。それを少し置き換えるだけでもメンタルには大きな影響があるかも
AHAによると、米国人の座っている時間は1965年の時点では週26時間だったのに対して、2009年には週38時間にまで増加していたんだそう。この傾向は世界各地(特に先進国)で確認されておりまして、さらに新型コロナによってさらに座っている時間が劇的に増えてる!ってのはあらためて言うまでもないでしょう。
じゃあ、毎日ランニングとか運動をする習慣をつければいいかといえばそうでもなく、CDCとかも「習慣的に中程度以上の運動をしていても座りすぎによる心血管疾患等のリスクを相殺することはできない」ってなことを言ってたりするんですよ。つまり、いくらジムに行ったりジョギングをしたりしてもそれ以外の時間を座って過ごしていたらそれだけで心身にダメージが蓄積してしまうわけなんですな。
まあこんな感じの流れの中で、ここ数年で世界的にスタンディングデスクが人気を集めているわけです。で、スタンディングデスクが紹介されるときには、「座りすぎを回避して肥満予防になる!」「病気のリスクを下げる!」みたいに身体的なメリットに焦点を当てられることが多いんですが、もちろん注意点もあるし、メンタルや認知機能に影響をもたらす可能性も報告されているんですよね。
てなわけで以下では、現段階でわかっているスタンディングデスクのメリットを具体的にまとめておきましょう。
メリット1:体重減少
このポイントはスタンディングデスクを導入する最も大きなモチベーションの一つでしょう。実際、座っている時間の長い人の方が肥満やメタボリックシンドロームになりやすいというのは複数の研究で確認されておりまして、ほかにも、
午後に立って仕事をした場合には、1日中座って仕事をした場合に比べて消費カロリーが174kcal増えた。つまり、立って仕事をすると1週間で1000kcal以上多くのカロリーが消費されることになる
46件の研究をまとめたメタ分析では、立っているときの消費カロリーは座っているときに比べて1分あたり0.15kcal多く、体重の増加を防ぐだけでなく体重の減少に役立つ
って報告が出てたりします。まあこの点に関しては、「座っているときと立っているときでエネルギー消費量に有意な差はなく、軽いウォーキングに置き換えて初めてエネルギー消費量が増える」なんてデータもあって、「立ってれば痩せる!」と断言するのは尚早。立っているだけではだめで、スタンディングデスクを導入するにしても、ちゃんと体を動かすようにしとかないといかんよってことっすね。
メリット2:糖尿病予防
食後の血糖値の高さが健康に悪影響を及ぼすというのはよく知られているところですが、スタンディングとの関係では以下のようなことがわかっています。
昼食後に180分間立って仕事をしたオフィスワーカーは同じ時間座っていた人に比べて血糖値の上昇が43%抑えられた。しかも両群で歩数に違いはなかったことから、ただ立っていただけで効果が得られたものと考えられる
23人のオフィスワーカーを対象にした実験では、30分ごとに立ったり座ったりを繰り返すことで血糖値の上昇を平均11.1%抑えられた
座っている時間が長すぎる人は2型糖尿病のリスクが112%高いという報告もある
食後に軽い運動をするだけで血糖値の上昇、ひいては糖尿病のリスクを下げられるというのはよく言われることですが、まずは食後だけでもスタンディングで作業をするようにしてみるというのもいいんじゃないかと。
メリット3:心血管疾患リスク低下
立つという行為が心臓や血管にいい!というのは1950年くらいから提唱されていたらしいんですが、最近でも特に注目を集めている効果の一つでしょう。具体的な事例を紹介すると、
バスのガイドが一日中立っていた場合には、着席していた場合に比べて心臓病関連の死亡リスクが半分しかなかった
長時間の座り仕事は心臓病のリスクを最大で147%増加させる可能性がある
AHAの勧告では、3時間以上の連続した座位状態は血管機能を低下させるが、5分程度の軽いウォーキングを一定の間隔で行うことでこの低下を防ぐことができるとしている
って感じで、少なくとも座っている時間が長ければ長いほど心臓に問題を抱えるリスクが上がる可能性は非常に高そうなんで、日ごろ座りっぱなしの方はお気を付けくださいませ。
メリット4:腰痛を軽減する
座り仕事の最もつらいところの一つが肩こりや腰痛でしょう。人間工学に基づいた椅子とかも注目されていますが、スタンディングデスクの導入によってもこれらを軽減できる可能性が示唆されています。具体的には、
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