![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/78471588/rectangle_large_type_2_3cdeddbe536c689be19432206de45e9e.jpeg?width=1200)
脳が喜ぶ最新データ6選~2022年5月編
脳の構造や認知機能に関して最近面白かったデータを6つほどまとめてお届けします!
1. 昼寝とアルツハイマーには双方向的な関連がある
「認知症になるとよく昼寝するようになる!」「昼寝はアルツハイマー予防に効果的!」みたいな話はよく聞くわけで、どっちが原因でどっちが結果なの?ってのは活発に議論されているところ。
が、最近の研究(R)では、「アルツハイマーと昼寝には双方向的な関係が見られたよ!」という話になっておりました。つまり、認知機能が低下すると昼寝をよくするようになるのと同時に、昼寝をよくしているひとはその後認知機能が低下しちゃってたらしいんですよね。
これはブリガム&ウィメンズ病院などの研究で、
1401人の参加者を最大14年間追跡する
みんなには年に1回、10日間のアクチグラフ計測、認知テスト、昼寝習慣の調査等に参加してもらう
認知機能のベースラインスコアや変化の度合いと昼寝の習慣がどのように関連するのかを縦断的に分析する
って感じで、研究開始時には参加者の19.5%が軽度認知障害、4,1%がアルツハイマー型認知症にかかっていたらしい。
その結果をまとめると、大体こんな感じです。
期間中に認知障害を発症しなかった人たちの間では、毎日の昼寝の時間が1年あたり約11分増加していた。同様に、軽度認知障害と診断されていた人では27分、アルツハイマーと診断されてた人では44分昼寝の時間が長くなっていた
また、ベースラインでは正常な認知機能を有していたが期間中にアルツハイマー型認知症を発症した参加者と安定した認知機能を示していた参加者を比較したところ、1日1時間以上昼寝をしていた人はアルツハイマーの発症リスクが40%ほど高かった
まああくまで観察研究なんで因果は分かりませんけども、アルツハイマーの原因と名高いアミロイドβやタウの蓄積は認知に影響を及ぼすだけでなく日中の睡眠パターンにも影響するかもしれないわけですな。
アミロイドβやタウの蓄積回避に効くかもしれないタンパク質や遺伝子は既に報告されてますし、今後も注目していきたい研究テーマの一つですねー。
👇(参考:2004年時点でのアルツハイマーとアミロイドβの関係に関する最新の研究とかも紹介されてて面白いです。ほかにも「意識」とは何か?記憶のメカニズムといった楽しい話題も豊富でおすすめの一冊です。)
2. この3つの抗酸化物質で認知症が予防できるかもよ!
抗酸化物質が私たちの細胞を健康にキープするために役立つことはご存じの通りですが、直近のデータ(R)では、「脳を若く保つには特にどの抗酸化物質が重要なんだろう?」ってところを調べてくれておりました。
これはベースライン時に45歳以上だった7,283人の血中の抗酸化物質レベルを測定したのち平均16年間追跡し、誰が認知症を発症したか追跡してみたよという研究。
さっそくその結果はといいますと、
ルテイン・ゼアキサンチンの血中濃度が15.4 マイクロモル/L上昇するごとに認知症リスクが7%低下した。また、βクリプトキサンチン濃度8.6マイクロモル/L上昇と認知症リスク14%低下との間に関連が見られた
以上の結果は教育レベル、収入、身体活動レベル等の要素を調整しても維持された
だったそうで、ルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチンのレベルが高かった人ほど期間中に認知症を発症するリスクが低かったみたい。
まあこの研究では参加者の血中における抗酸化物質のレベルを最初の一回しか測定してないんで長期的な抗酸化物質レベルを反映できてない可能性も高そうですけど、これらの抗酸化物質が身体にナイスな影響をもたらしてくれることは複数の研究で確認されてますし、積極的にとっておいて損はないでしょう。
ちなみに、ルテインとゼアキサンチンはケール、ほうれん草、ブロッコリーなどの葉物野菜から、βクリプトキサンチンはミカン、柿、パパイヤなどの果物から補給するのがお勧めです。
3. ブルーベリーで脳の老化を遅らせられるか?
続いてはブルーベリーのお話(R) で、「ブルーベリーを定期的に食べておくと老化に伴う認知機能の低下を遅らせられるかもよ!」って内容になってます。
これはシンシナティに住む50~65歳の33人の参加者を対象にした研究で、太り気味、糖尿病予備軍、軽度の記憶力低下を感じ始めた人たちを集めたらしい。認知症リスクが高そうな人たちを対象にしたわけですな。
で、みんなには12週間の間、
1/2カップのフリーズドライブルーベリー
プラセボパウダー
のいずれかをとってもらい、期間中には他のすべてのベリー類を食べることを控えてもらったんだそう。そして期間の前後で2つのグループにどんな違いが出るかを調べたところ、
ブルーベリーグループでは、語彙アクセス、記憶干渉のスコアが向上し、日常生活における物忘れが減少した
また、高インスリン血症の改善、ミトコンドリア・アンカップリング(酸化ストレスを軽減し長寿命化につながるといわれている)の増加も確認された
といった感じ。12週間のブルーベリー摂取が実行機能や代謝機能にポジティブな影響をもたらしてくれたというわけですね。
研究チーム曰く、
ブルーベリーの認知機能に対する効果は、高齢者を対象とした先行研究で確認されており、インスリン抵抗性を持つ若年層にも有効であると考えられている。アルツハイマー病は、老化に伴う他の慢性疾患と同様に、中年期から始まる何年もの期間をかけて発症するものだ。
とのこと。認知症リスクが高めの中年層では早めに「ブルーベリーを継続的に食べる」という選択肢を選ぶのはナイスなチョイスかもしれないですね。
まあベリー類のポリフェノールは認知症リスク低下以外にも心身に様々な健康メリットをもたらしてくれるというデータはやたらと多いんで、若いうちから定期的に食べておきたい食品の一つじゃないかと。
👇(おすすめベリー:KIRKLAND ネイチャーズ スリーベリーミックス)
4. ホヤが脳機能の若返りや薄毛に効く?
「ホヤを食事に取り入れると体や脳の老化を逆転させられるのでは?」みたいなデータ(R)が出ておりました。
「なんでいきなりホヤ?」って思う方もおりましょうが、ホヤには「プラズマローゲン」っていう脂質を構成する重要な物質が豊富に含まれてまして、プラズマローゲンは特に脳、心臓、免疫細胞なんかで大事な役割を果たしてくれると考えられてるんですよ。加齢に伴う体内のプラズマローゲンの低下がアルツハイマーやパーキンソン病等の神経変性疾患に関連するともいわれてたりするんですよね。
てなわけで今回の研究では高齢マウスの食事にプラズマローゲンを加えて脳や身体にどんな影響が出るのか?ってところを調べたみたい。その結果は、
ここから先は
¥ 250
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?