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最新の睡眠データまとめ【2021年11月版】「スクリーンタイム、食事パターン、仮眠の効果」

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睡眠が人生のあらゆる面で重要なのは子供でも知っている話。とはいえ、まだまだ睡眠の詳細ははっきりしていないところが多いのが現状でありまして、科学の世界でも日進月歩で研究が進んでおります。

そこで、「睡眠に関する最新のデータ」を定期的に確認しておくのは有用であろうってことで、最近の睡眠研究を簡単にまとめてみようと思いまーす。


電子機器の利用は、子供の睡眠にどのくらい影響を及ぼすか?問題

「寝る前にスマホを見るのはよくない!」ってのはよく聞く話ですが、その影響はいまだ過小評価されがち。

特に子供においては、1日のスクリーンタイムや寝る直前の電子機器の利用といった行動が睡眠に敏感に影響するんですよね。しかも子供の睡眠は、大人以上に重要で、子供時代にちゃんとした睡眠をとってないと、大人になってからの心身の健康や学習能力等にも影響してくるんで、特に気を付けておきたいところ。


で、南デンマーク大学のシステマティックレビュー(R)では、「子供の電子機器の利用と睡眠の関係」についてがっつり調べてくれておりました。

具体的には、対象者を0~15歳の子供に絞って、2009年から2019年までに発表された先行研究49件をピックアップ。電子機器の利用と睡眠時間、就寝時間、睡眠の質、日中の眠気といったところとの関係をチェックしております。


結果的にどんなことが分かったかといいますと、

■ 全体的に、年齢を問わず、1日の電子機器の利用時間が長いと睡眠時間が短くなる傾向があった。が、0~5歳の子供よりも、6~15歳の子供のほうがその関係が強く確認された

■ 年齢別にみると、5歳以下の子供では、テレビやタブレットの視聴時間が長くなると、眠りにつくのが難しくなり、睡眠時間も短くなり、日中の昼寝の時間が長くなった

■ 6~12歳の子供では、テレビ、ビデオゲーム、携帯電話、パソコンの利用時間が長くなると、就寝時間が遅くなり、睡眠時間が短くなる傾向が見られた。さらに、寝る前のテレビや携帯電話の利用時間が長さは、1日の合計スクリーンタイムと同じくらい、睡眠の乱れや中途覚醒と関係していた

■ 13~15歳の子供でも同様に、スクリーンタイムの長さは睡眠の問題に関係していたが、特に「SNSの利用時間」が睡眠の質の低下と相関していた。これは、光にさらされることによってメラトニン産生が阻害されるほかに、双方向的なメディアの使い方によって、心理的な要因で脳が活発化してしまうことが原因と考えられる。

といった感じ。特に最後の問題は、大人の間でも近年非常に問題視されておりまして、他人との交流は人類にとってとても重要な要素なんで、寝る前にSNSを使ってると、脳が、「今は社会的な関係を築く時!覚醒すべき時間帯だ!」って錯覚しちゃうんですよね。


この研究では、そのほかにも面白いことがわかっておりまして、

調査開始時点で日中の眠気を強く感じていた子供は、1年後にテレビを見る時間が長かった

ってなことが確認されたそう。つまり、メディアをよく見る子どもは睡眠の質が低下し、睡眠の質が低い子供はメディアをもっと見るようになる、って感じの負のスパイラルに陥ってしまう可能性があるみたい。怖いですなー。


研究者曰く、

携帯電話やタブレットといった電子機器を一晩中子供部屋においておくのはやめておいた方がいいでしょう。
また、ゲーム機やパソコンを含むこれらの機器は、就寝直前には使用せず、できれば夕方までに使用することをお勧めします。寝る直前には、小さいお子さんには本を読んであげるのがいいだろうし、大きいお子さんには自分で何かを読んだり、音楽を聴いたりさせることをおすすめする。
私は、原則として夕方以降には無線LANの電源を切っている家庭も知っている。

とのこと。スクリーンタイムは大人にも重大な影響を及ぼしますんで、家族みんなで対策に取り組んでみるのもいいかもしれませんな。


睡眠時間と食事パターン

「睡眠が乱れるとファストフードに手を出しやすくなる!」とはよく聞く話ですが、オハイオ州立大学の新しいデータ(R)も、その辺を調べてくれてました。どんな研究かといいますと、

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