#少年探偵団
怪人二十面相と小林少年が見た戸山ヶ原 ①戸山ヶ原とは何か
怪人二十面相は、戸山ヶ原にアジトを持っていた。
この事実は、少年探偵団シリーズの記念すべき第一作にして、シリーズ最高傑作である「怪人二十面相」にはっきりと記されている。
戸山ヶ原とは何か。
戸山ヶ原とは、新大久保駅と高田馬場駅との間、山手線をはさんで東西に拡がっていた広大な野原である。東側というのは、現在の大久保三丁目であり、西側というのは、現在の百人町三丁目・四丁目だ。東側には、戸
怪人二十面相と小林少年が見た戸山ヶ原 ②怪人二十面相の戸山ヶ原
「車のとまったところは、戸山ヶ原の入り口でした。老人はそこで車をおりて、まっくらな原っぱをよぼよぼと歩いていきます。さては、賊の巣くつは戸山ヶ原にあったのです。
原っぱのいっぽうのはずれ、こんもりとした杉林の中に、ポッツリと、一軒の古い洋館が建っています。荒れはてて住みてもないような建物です。老人は、その洋館の戸口を、トントントンと三つたたいて、少し間をおいて、トントンと二つたたきました。」(
怪人二十面相と小林少年が見た戸山ヶ原 ③小林少年が見た戸山ヶ原
「窓の外は荒れはてた庭になっていて草や木がしげり、そのずっと向こうにいけがきがあって、いけがきの外は道路もない広っぱです。その広っぱへ、子どもでも遊びに来るのを待って、救いをもとめれば、もとめられるのですが、そこまで声がとどくかどうかも、うたがわしいほどです。
それに、そんな大きなさけび声をたてたのでは、広っぱの人に聞こえるよりも先に、二十面相に聞かれてしまいます。いけない、いけない、そんな危