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(神が邪神か)”自己陶酔型”社長の元で働くメリットとデメリット

色々とクライアントからの反応が怖いですが、目下進行中の評価制度設計や研修制度の設計において、現場社員の皆さんの受け入れがスムーズな場合を見た時に、社員の皆さんが「すべてを諦めた目をしている」ことが時々あります。
いわゆる、トップダウンの会社で「社長が決めたことなら”仕方ない”」という空気(というよりもはや文化性)がデフォルトになっており、社員は入社直後の怒りや疑問を抱いていた時期も思い出せなくなるほど、鍛えなくてもいい諦観力だけが鍛えられ飼いならされていく、というこの世の地獄のような環境があり、結果そういった職場でシステムやフレームワークを設計・再設計する場合、社長が満足するだけの納品物が誕生する傾向があります。

こういった職場では、社長の個性やビジネス力により売り上げの軸はできあがっているものの、それを組織全体へのノウハウ落とし込みや、全体成長に繋げられていない状況がほとんどです。
にも関わらず、社長がその「個としての成功体験」を基にして、会社全体の利益や社員の幸福を考慮せず「自身のさらなる成功」のためだけに会社を興し、自己陶酔や社会的快楽をより深く感じるための道具として社員を雇用するため、離職率が非常に高く、残るのは皆心を病んでいるか超作業員気質の社員、または狭い世界で生きてきて初めて出会った成功者たる社長を盲信する信者(洗脳済み社員)ばかりになります。まさに邪神に支配されし邪教の神殿です。

ただ、こうした環境でメリットを得られる人も(多分)います。

邪神社長のメリットとは?

  1. 指示に従っていればいい

    • 指示待ちタイプの社員にとっては、指示に従うだけで評価されるので、やりやすいかもしれません。ただし、「おれはそんなことは言ってない!」だの、基本的に自身の発言を覚えていないことが多く、さらに脳内事象変換を行うタイプだった場合はより悲惨で「指示に従ったのに怒られる」というパターンが頻発します。
      さらに、エビデンスを録ったり録ろうとするとキレられ、またエビデンス(主に議事録など)を出しても、「社長に歯向かうのか」「議事録が間違っている!ちゃんと意図を汲み取れ!」などとこの世の定理を覆すまさに神(邪神)のごときお言葉を賜ることになりがちです。
      それがなかったとしても、飲みの場で「お前は本当に指示待ち人間だな!たまにはアイデアでも出せないのか?」というようなフィードバックを頂くことはまま発生します。社員が委縮してアイデアどころか通常発言すらできなくなってる環境に気付いてない。

  2. 精神と時の部屋での修行と同じくらい成長できる

    • “自己陶酔型”の社長は、行動力がすさまじいタイプが多く、その下で働けばスピードが重要なビジネスシーンを多く体験できます。ただし、そのスピード感は社長が何かを閃いた瞬間にも求められるため、通常業務と並行して、特急線が一本追加され、優先度1位が二本ある状態が発生したりします。こうした状況においては、業務効率化の必要性を高く感じる良いきっかけが生まれたりするのですが、大概は業務効率化の仕方を調べる暇もないくらい忙しい状況となるため、気付いたら1年またはそれ以上の期間「したかったけど効率化もマニュアル化も何も出来ていない」という事象が頻繁に起きます。
      ただ、経験値という意味では得難いものは多々あり、一部精神的にも成長できる環境であることは間違いありません。

  3. 信者になれば多分楽

    • 社長の意向に盲目的に、疑問を持たずに従うことで、社長の理不尽な指示や突発的な方針変更にも「これは社長の深い考えがあってのことだ」と自分を納得させることができ、結果としてストレスを軽減できるかもしれません。さらに、社長に忠誠を示すことで、他の社員よりも優遇されることがあります。(奴隷社会で聞いたような内容ですね)
      そういった状況であれば、離職率も高いので幹部になれる可能性は高まります。その分理不尽の度合いも高まりますが。

嫌味たっぷりな内容になりましたが、雇用側・非雇用側問わず、こういった言語化がいまいち出来ていない厳しい状況に置かれている人にとって、心の整理の一助になればと思い書き出しました。

ただ言いたいことは、制度設計や福利厚生の充実を考えた時に、
「これで売上・利益を上げられるか?」
→「売上・利益を上げてくれる社員が増える仕組みか」
→「売上・利益を上げてくれる社員が、未来でも上げ続けてくれる仕組みか」
という順序で考えられているかが重要になります。
制度設計は何のためにあるか、というと、先に上げた会社の売上・利益を上げるためだと断言できます。
ただし、そのために何が必要かを、世の社長が把握しきっていない場合が多いのが現状です。
社長という立場はヒトモノカネの扱いではなく、組織の扱いのスペシャリストであるべきですから、そういった気付きを得て、ぜひ組織のあるべき姿と個としての欲求の折り合いをつけ、せっかく仲間になってくれた社員のために働いてほしいと心から願います。

社長自身の間違った思想・行動によって、仲間の性格が歪み、知らず知らずのうちに常にイライラ、モヤモヤと怒りと不安に見舞われ、精神疾患となってしまえば、きっと将来後悔する瞬間が訪れます。

自身も経営者見習いとして事業を営むうえで、自戒を込めて・・・。

以上考えメモ。

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