人間だもの、泥臭く生きたい🇺🇸シリコンバレー滞在記録
3週間のアメリカ・シリコンバレーでのプログラムが終了しました。J Star X U25起業家コース に採択いただき、UC Berkeley Haas Business Schoolで20名の起業家とともに濃い時間を過ごしました。まず、この3週間という貴重な時間を実現してくださった皆様に心より感謝申し上げます。授業も寮生活もともに過ごしてくれた起業家同志、JETRO・Deloitoの運営の皆様、教授方、ありがとうございました。日本(経産省)のスタートアップに対する理解があった上での経験でした。
世界の羅針盤
私はアメリカに来るのは二度目。15歳(高校1年)の時に1年間ミネソタ州に交換留学に来ていました。その頃は英語の習得、異文化交流をメインに生活していました。一方で今回はビジネスの成功へ向けた時間で、毎日メラメラとした感情で過ごしていました。
10年前とは全く違うアメリカがそこにはありました。リアリスティックで、競争社会で、流動的。なんといっても日本とは比べられないほどの規模。ここが世界の羅針盤。世界が向かう先はここで決まっているのです。
私は村上采(あや)。株式会社Ayの代表をしています。4年前(大学4年)に郷里の群馬県にて、銘仙という着物文化を継承するためカルチャーブランドAy(アイ)を立ち上げ、銘仙のアップサイクルや着物柄のテキスタイル開発とアパレル展開をしています。また、toBの商品開発やデザイン企画(制服やインテリア、オリジナルウェア等)も行なっています。今回、自社製品を米国へ販路拡大をしたいと考えアメリカへ渡航に挑戦しました。
高校生の時からずっと、世界で仕事をしたいと思っていたので英語やフランス語を習得して文化的な活動やアートにも触れてきました。大学ではバイトして時間をうまく使って、なるべくいろんな国へ旅していました(大学って意外と忙しいのですが授業をうま〜く調整する技を身につけましたw)。授業の成績GPAは低く経験には変えられぬと思っていましたが、最近はアメリカの大学院に行けないとわかり後悔しています。(結構ショックです)
会社を立ち上げる時も、「世界進出」を前提にしてきました。今回のシリコンバレー渡航は、間違いなく世界進出のfirst stepになりました。この事業「kimono」「Japanese modern culture」「Japan made」で海外進出をしたいです。
シリコンバレーという概念
シリコンバレーとはなんなのか。それはどこからどこまで、どの地域、という定義のないもの。概念である。ふわっとしたその名にどこか憧れを持ち、私は飛んで向かった。
雑さとイノベーション
公共性の高い設備(トイレやエレベーター、ドアは本当に建て付け悪いw)は全くイノベーションが感じられない一方で、民間発のあっと驚くイノベーションが生まれている。
なんでこんなにイノベーションが生まれているのだろう。理由の一つに「雑さ」があるのではないか。いい意味で、起業家は雑な気がする(自分も含めて)。ある程度のプロトタイプからよりよくする。ビジネススクールでも学んだ「小さく初めて失敗を最小限にする」ことは、失敗にかけるコストを抑えることが鍵だ。それを何回も繰り返すことで、インサイトを獲得し需要に対するサービスを開発でき大きな成功につながっている。
失敗を許容する地域性
失敗ができる環境がアメリカ・シリコンバレーにはある。全自動運転「WAYMO」はサンフランシスコで実証実験的に利用開始している。極端にいうとサンフランシスコは「事故の可能性を許容している」ということでもある。多くのスタートアップが立ち上がるここでは、やってみる、やってみていい、失敗してもいい社会がある。
実際、友人が乗ったWAYMOが故障して20分間閉じ込められた。サポートに連絡すると、当たり前に故障は起きるから焦った様子や悪びれる姿勢ではなかったそうだ(笑)
宗教的推し活
タクシーアプリ「UBER」ではなく「Lyft」を使う人がいるのも、その企業の理念を支持するか否かで利用するかどうかが変わる。トップの発言や社会性を利用者は見て、同じ内容のサービスでもその企業の信者になるか否かということがある。
lululemonの代表が「なぜその名前にしたのか」という質問に対して「日本人が発音できないからだ」とfunny thingとして回答した。それに対して日本人は何を思うだろう。未だ気にせず着ている日本人が多いことに私は驚く。
足と口を動かす
授業:ビジネススクールで頭を使う
授業は3人の教授から、design thinking と、lean startup をメインに勉強。それぞれの事業をブラッシュアップしながら、時には新しいアイディアも生まれた。
放課後:足を動かす、口を動かす
「Get out of the building!!!!」と執拗なほどに教授たちから言われ、初日から半強制的にカスタマーインタビューに繰り出された。それも数日経つと、「今日はどこでどんな人に声をかけようか」と習慣的に考えるようになっていた。
私はブランドの顧客となるポテンシャルカスタマーにインタビューをしながら(toC)、セレクトショップやブティックへ訪問し商談(toB)をしながらインサイトゲットに努めた。もちろん全て英語だ。だが、アメリカ人のYES or NOの精神が意思疎通をスムーズに助けてくれた。NOと言われ続けてもYESと言われるまで続ける。
「1000回ダメでも1001回目はYESだよ。keep on going」と1人でショップを巡っていた時にUBERの運転手が言ってくれた。
隙あれば知らない人に話しかけて、断られて、たまに仲良くなれてインタビューをさせてもらえた。初めて断られた時に「これ、えぐいな」という豆腐メンタルだったのですが、2人3人に断られ続けるとなんとなくわかってくる。これは気にすることはないと。私でも不審がるぞ、これ。だから、考えを改め「この世界で生きることは他人と友達になること」であると。友達になりたい、どうすれば友達になれるか考え、動く。
あるブティックへ向かう途中、弊社のプロダクト「浴衣風セットアップ」を着て歩いていたら「I love your outfit!」と声をかけてくれたかっこいい方がいた。なんとバンドをしてるそうでなんともパンチがあった。友達になりインスタを交換。もちろんカスタマーインタビューもさせてもらった。
教授のClarkから「What I love your business is that you wear your products」と、歩いているだけでこれが私の商品だと主張できる点は本当にお気に入りだ。
最後は人。
DeepTech、AI、とかイノベーションにはテックだとか色々あるけど、結局最終的には人なんじゃないかと思っています。上記に述べた「押し活」とも通じるのですが、どんな人がどんな想いでやっているのか、どんな考えを発信しているのか、で普及も変わってくるのではないだろうか。
今回一緒に3週間過ごした個性あふれる起業家の20名。みんなそれぞれの魅力があって、人間的に深く、愛がある人たちでした。常に好奇心旺盛で、異なる分野でも前のめりに理解をしようとする、目を光らせてコミュニケーションして本当に素敵なhumanだった。バックグラウンドも共有するとなぜその事業をやっているのか辻褄が合い深く納得しました。みんながやる事業はきっと普及すると信じています。
272 ROOMIESへ
20人の中で4人しかいない女子。体調悪い時はお互いにサポートして、みんなの優しさに救われたよ。らぶ。
辛く苦しい時も、私はみんなの話を聞きたいし、これからも切磋琢磨し合いたいです。素晴らしい時間をありがとう❤️
そしてこの渡航で、ついに会えた松本杏奈氏。可愛すぎるピンクヘア徳島出身スタンフォード大学生(文章だと肩書きだけの説明になってしまうので悔しいのだけど、中身も強く美しいです)。短い期間で2回も会えた。たくさん話せて本当に嬉しかったなあ。日本人でアメリカで頑張るみんな、杏奈、ともちゃん、けまこさん、と時間を過ごしてインスパイアをいただきました。性別は関係ないとも思うけれど、女性だからこそいろんな壁がある社会でこんなにも日本人女性が活躍していて感動です。自分らしい生き方で生きて後悔しない人生を送りたい!
I will be back 🇺🇸
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