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OKOPEOPLE - お香とわたしの物語

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OKOCROSSING が運営する、香りにまつわる「わたしの物語」を編み集めるプロジェクトです。https://oko-crossing.net/okolife
運営しているクリエイター

#線香

オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」

オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」

こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。

お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

香木・香

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嗅覚低下を予防する「余薫」から考える:香りと健康、コミュニケーションの関係性

嗅覚低下を予防する「余薫」から考える:香りと健康、コミュニケーションの関係性

山田:今回は慶應SDMのKEIO EDGE LAB "CREATIVE LOUNGE"にお邪魔して、お話を伺っていきたいと思います。まず、今回のプロジェクトの全体像について改めて説明していただけますか。

伊藤:はい。一言で言うと、嗅覚低下を予防する習慣型トレーニングシステム「余薫」を制作し、イタリアのミラノサローネに出展するプロジェクトでした。最初に、余薫をお見せしたほうがわかりやすいですかね。

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夏を迎える、涼やかなハーブティーと香袋をつくる──漢方スタイリスト・大塚真喜子さんと

夏を迎える、涼やかなハーブティーと香袋をつくる──漢方スタイリスト・大塚真喜子さんと

和の香りの専門店・香雅堂では、漢方スタイリストとしてハーブティーや漢方茶のブレンドを手がける大塚真喜子さんと一緒に、夏を迎えるにぴったりの涼やかなお茶と香袋を制作しました。その販売を記念して、大塚さんと香雅堂・山田がそれぞれの専門である漢方とお香について、また、今回のコラボレーションについて語り合いました。

漢方からお香に出会う山田:本日は漢方スタイリストの大塚真喜子さんにお店に来ていただきまし

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お線香みたいな“香菓子”ができました──OKOLIFE「時鳥」から生まれたお菓子の魅力を、菓子職人・小島直子さんと語り合う

お線香みたいな“香菓子”ができました──OKOLIFE「時鳥」から生まれたお菓子の魅力を、菓子職人・小島直子さんと語り合う

時鳥の声をもう一度聞きたい。そんな思いで日を暮らす情景をイメージしたお香の定期便 OKOLIFEのアイテム「時鳥」。そんな時鳥にぴったりな“香菓子”ができました。お線香にそっくりな、おいしくてかわいいお菓子を手がけてくださったのは、菓子職人の小島直子さん。その発売を記念して、直子さんと香雅堂・山田の二人で、制作のプロセスやお香づくりとのつながりについて語り合いました。二人の対話は、お菓子を開封する

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境をつくる香り

境をつくる香り

子供の頃から、一時期を除いて和室で寝ている。毎朝、布団の中でひとつの暗闇と化している私を、仏壇から漂う1本の線香の香りが包み込む。

その度に、当たり前の日常がスタートする事。今日も東の空から太陽が昇る事。目が覚めた事。生きている事を自覚する。清澄な朝の空気に馴染む白檀の香りは、私にとって朝と夜の境であり、また大袈裟に言えば生と死の境である。

最近になって、お供物としてだけではなく、読書をする時

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一本の線香の向こうに ~お線香ができるまで~

一本の線香の向こうに ~お線香ができるまで~

1986年生まれの筆者が小学生の時に国語の教科書で読んだ、谷川俊太郎『一本の鉛筆の向こうに』。登場人物のゴンザレスさん・ポディマハッタヤさん……。彼らの名前の響きそのものに、当時の私の心は奪われました。

もし学校の授業でこの話に出会っていれば、かなりの割合の方が印象的に覚えているのではないでしょうか? いや知らないよ……という方にかいつまんで紹介させていただくと、みなさんが当たり前のように使って

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