OKOCROSSING が運営する、香りにまつわる「わたしの物語」を編み集めるプロジェクトです。https://oko-crossing.net/okolife
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#線香
オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」
こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。
お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
香木・香
嗅覚低下を予防する「余薫」から考える:香りと健康、コミュニケーションの関係性
山田:今回は慶應SDMのKEIO EDGE LAB "CREATIVE LOUNGE"にお邪魔して、お話を伺っていきたいと思います。まず、今回のプロジェクトの全体像について改めて説明していただけますか。
伊藤:はい。一言で言うと、嗅覚低下を予防する習慣型トレーニングシステム「余薫」を制作し、イタリアのミラノサローネに出展するプロジェクトでした。最初に、余薫をお見せしたほうがわかりやすいですかね。
一本の線香の向こうに ~お線香ができるまで~
1986年生まれの筆者が小学生の時に国語の教科書で読んだ、谷川俊太郎『一本の鉛筆の向こうに』。登場人物のゴンザレスさん・ポディマハッタヤさん……。彼らの名前の響きそのものに、当時の私の心は奪われました。
もし学校の授業でこの話に出会っていれば、かなりの割合の方が印象的に覚えているのではないでしょうか? いや知らないよ……という方にかいつまんで紹介させていただくと、みなさんが当たり前のように使って