OKOPEOPLE - お香とわたしの物語

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オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」

こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。

お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

香木・香

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うれしいです!
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「無為」 ~ つらつら匂い考 ~

香りは苦手、匂いが好き。

香道のお稽古を十年以上続けておきながら、敢えてそう言ってしまう。

香りは表現、匂いはありよう。
匂いは内から、香りは外へ。
香りは手招きをし、匂いは後ろ髪を引く

「香り」が人や物の“佇まい”に重なったその時、私の中はでえも言われぬ「匂い」に昇華する。

そんな言葉遊びはさておき、隠しおおせぬ本質が滲み出るのは”におい”の領域ではないだろうか。
かぐわしい「匂い」はも

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白檀の香りと記憶の明滅

それは、パソコンの前で自動書記のようにつづられた物語だった(注:オカルトな話は出てきません)。編集者さんとの打ち合わせではエッセイを書くはずだったのに、いざ画面の前に座ってみると短編小説が生まれていた。

「OKOPEOPLE」で公開された「ながれながれて」のことだ。香りがきっかけとなった面白い体験だったので、小説のあとがき的に書いておこうと思う。

香りにいざなわれて物語の世界へ

お香の定期便

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不動明王✨
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境をつくる香り

子供の頃から、一時期を除いて和室で寝ている。毎朝、布団の中でひとつの暗闇と化している私を、仏壇から漂う1本の線香の香りが包み込む。

その度に、当たり前の日常がスタートする事。今日も東の空から太陽が昇る事。目が覚めた事。生きている事を自覚する。清澄な朝の空気に馴染む白檀の香りは、私にとって朝と夜の境であり、また大袈裟に言えば生と死の境である。

最近になって、お供物としてだけではなく、読書をする時

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