OKOPEOPLE - お香とわたしの物語
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ノート
一本の線香の向こうに ~お線香ができるまで~
1986年生まれの筆者が小学生の時に国語の教科書で読んだ、谷川俊太郎『一本の鉛筆の向こうに』。登場人物のゴンザレスさん・ポディマハッタヤさん……。彼らの名前の響きそのものに、当時の私の心は奪われました。
もし学校の授業でこの話に出会っていれば、かなりの割合の方が印象的に覚えているのではないでしょうか? いや知らないよ……という方にかいつまんで紹介させていただくと、みなさんが当たり前のように使って
離乳食は出汁の香り おっぱいとダシのシームレスな関係
おっぱいとダシは繋がっている。こう聞いてピンとくる人はどれくらいいるだろう。
夜から昆布を浸しておいた鍋を火にかけて、沸騰したらかつおぶしを投入。ひらひらのリボン状のものが、ふああっと動いてしゅんっと縮んで、良い匂いが立ちこめてくる。火を止めて漉して、とれたての出汁で人参を煮る。
離乳食をつくるのだ。
子どもが乳だけを飲む期間は思いのほか短くて、生後約半年、やっと授乳に慣れて落ち着いてきた頃
「移り香」 ~ 顔うずめる時 ~ (6)
「自分の枕の匂いっていいよね。ときどき突っぷしてクンクンしたくなる。」
私は「へーえ」と応え。そして、恥じた。
よそよそしいくらい洗い立てのリネンやTシャツに、ホッとする気持ちは変わらない。
でもその時の言葉には余白も何も無くて、千の天使が聴き耳を立てた気がした。
ソンナトキモ、アルカモネ
ソンナトキモ、アルカモネ
私はただ狭く小さく、そして斜めだった。
久しぶりに長い風邪をひいている。