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「〇〇で悩んでいて……わたしどうしたらいいですか?」

あなたがこう尋ねられたら、なんて答えますか?


『助けてあげたい』
『なんとかしてあげたい』
『わたしが力になってあげよう』

そんな思いが湧いてくるかもしれません。


だからこう伝える可能性があります。

「△△してみてはどうでしょう」
「□□はしてみましたか?」
「(家族や上司など)誰かに相談しましたか?」


でも……これって相談者が本当に望んでいる答えなのでしょうか。

アドバイス的だったり指示的だったり、どこか外からの答えを与えている感じがしませんか?

外から答えを与えることで本人が自分の力で考えることを止めてしまう可能性があると、わたしは思います。

「Aさんがこの方法でうまくいったからわたしもやってみました」
「Bさんがアドバイスしてくれたからこれを選びました」
「Cさんがやれっていうからやりました」

といった具合に、どこか他人事にして言い訳をしてしまうかもしれません。

それを防ぐためにも、本人にじっくりと考えてもらうような関わりが必要となるでしょう。


わたしは「どうしたらいいでしょうか?」には、このような意味が隠されていると思っています。

  • 本当はこうしたいけど、この判断は正しいのか確かめたい

  • 途方に暮れる不安な気持ちを聞いてほしい

  • 具体的な策が見つからないのでヒントがほしい

  • 自分で決めることに自信が持てないので、誰かに決めてほしい


そこで、込められた意味を確認するためにも、こんな問いかけはいかがでしょうか?

「いま、あなたの中ではどうしたらよいと考えていますか?」
「もしすべて叶うなら、どうなったらいいと思いますか?」
「本当のところ、あなたはどうしたいんですか?」

いずれも本人の考えをまずは聴くというスタンスでの問いかけです。
いろいろな制限を取り払って、まずは目指す先を確認するというアプローチを考えてみました。


もちろん、悩みの原因となるできごとについては何も把握できていませんから、前提として何が起こったのかを確かめてみることもよいですよね。

「○○で悩んでいるって・・・いったい何があったんですか?」
「いつごろから悩んでいるんですか?」
「悩み始めたきっかけって何だったんですか?」

このようにできごとを尋ねることで、悩みの原因となる考え方や捉え方などを本人の口から語ってもらうことができます。

もしその考え方が他の人や組織の考え方とずれていることが原因ならば、解決すべきは考え方になりますし、外的要因で本人の力だけではどうしようもないことなら、外部の力を借りることも考えなければなりません。

相談を受けた側のアイディアだけで解決できる問題ではない場合も数多くあり、だからこそ本人を取り巻く環境や悩みのもととなるできごと、そこに潜む自分と他者との考え方のずれ、そして何をもって解決とするかのゴールの確認は欠かせません。


コミュニケーションやファシリテーションを学ぶ中で、キャリアカウンセリングに出会い、経験代謝という考え方を知りました。
また、人のコミュニケーションのタイプや考え方のクセ、臨機応変に対応する力や柔軟性、レジリエンス、アサーション、心理効果などとの出会いが、わたしの考え方や捉え方の幅を広げてくれました。

今回の「どうしたらいいですか?」問題も、以前だったら解決することだけに意識が向いていたことでしょう。
でもいまは「本人がどう思っているのか」を確かめることから入ろうと考えるように変わりました。

そのためのポイントがあるのですが・・・それは別の機会に。

あなたは「どうしたらいいですか?」という問いに、どう対処しますか?




明日も佳き日でありますように



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