見出し画像

【再編集】「気づいた人がやる」ってことに気づく人・気づかない人

以前、このような記事を書きました。

このころは、自分事と他人事という視点で書いていたようです。それから時間が経ってわたしの伝えたいことは変わり、気づくという行為そのものや、行動に移すまでの段階的なものを整理したいと思うようになりました。そこで今回は改めて「気づいた人がやる」というこの話題に触れてみます。




気づく(気がつく)とは何か?

きづく【気付く】
それまで気にとめていなかったところに注意が向いて、物事の存在や状態を知る。気がつく。「誤りに—・く」「忘れ物に—・く」
意識を取り戻す。正気に戻る。気がつく。「—・いたらベッドの上だった」

小学館 デジタル大辞泉

きがつく【気が付く】
1 そのことに考えが及ぶ。気づく。「まちがいに—・いた」
2 細かいところにまで注意がゆきとどく。「よく—・く女性」
3 意識が回復する。正気にかえる。

小学館 デジタル大辞泉

つまり「気づく」とは、「注意する」+「考える」という2段階の行為と言えそうです。また、「気にとめていなかったところ」や「細かいところ」という前置きがあるので、「他の人が注意を向けていないところに」という点が大きな要素だと考えられます。

よって今回、わたしなりに「気づく」を次のように定義します。
『自分以外の人が注意を払っていない物事の存在や状態にまで意識を向け、それについてあれこれと考えを巡らせること』


そうすると「気づいた人がやる」という一連の行動には、①意識・②思考・③行動の3段階があると考えられます。
ではその一つひとつが何かを考えていきましょう。


①意識
例えば、あなたがいる場所の回りには「何が」ありますか?
植物・動物・建物・机・ボールペン・時計・・・いろいろなものがあるはずです。でも先ほどまで見えていましたか?
さらにその中で「赤いもの」はありますか?
すると赤ペンやポストなど、見えていたはずなのに気づいていなかったものが急に見えてくるはずです。
これを『カラーバス効果』といいます。意識すると目に留まるようになるというものです。

例えば付箋に「○○を行うこと」とメモをして貼っておくのは、カラーバス効果を利用した有効な手立てなんですね。

ということは、「気づいた人がやる」という場合、まずは「気づく」ために脳に意識させることが大切です。
そこで、気づいてほしいことをあえて言葉にして書くことや、意識してほしいものは写真にとって示すことなどが、意識下に置くよい手立てとなりそうです。
片付けが苦手な人は、部屋の様子を写真に撮って、いまどういう状態なのかを客観視することで意識化でき、片付けられるようになるという話を聞いたことがあります。まさにカラーバス効果を活用した意識化の方法ですね。


②思考
次に考えるという段階があります。ここでのポイントは「なんのために?」です。

「気づいた人がやる」という過程の、「気づく」と「やる」の間に「なんのために」という目的が不足しがちです。「気づいたからやりなさい」と言われたら、それはまるで罰のよう。あえて気づかないという人がいてもおかしくありません。そこで、「なんのために」「誰のために」という目的を考えるステップが必要になります。

特に仕事だと、「どうやってやるか」「どうしたらよいか」と手段を考えがち。やり方に意識を向けすぎてしまい、そもそも「なんのためにやるのか」「どんな効果や影響があるのか」という目的や効果はわかっている前提で進めてしまいます。

そこでおすすめしたいのが、わたしが取り組んでいる方法です。
それは『「これをすると誰が喜ぶか」と人の顔を思い浮かべること』です。人を想う=慮るという視点で気づきを捉えてみると、これは○○さんそちらは△△さんと、身の回りの物を通して人が思い浮かぶようになります。
共用部分の掃除などは、誰がやってもよいことです。でも「掃除をしておいたら○○さんが笑顔になってくれるかも」「お客さんが汚れを見て嫌な顔をする場面を見なくて済むかも」などと想像すれば、おのずと「なんのためにやるのか」が見えてきます。その効果や影響を具体的なイメージで想像することが、目的をはっきりとさせてくれます。


③行動
意識を向け、目的がわかったら、いよいよ行動です。ここでも行動後の成功イメージを具体的に思い浮かべておくとよいですね。やっている最中に楽しくなってウキウキしながら取り組めます。
ただしこの行動で気をつけたいポイントがあります。それは「他者からの見返りを求めないこと」です。

例えば先ほどの共用部分の掃除。「○○さんが喜んでくれる」と思ってせっせと掃除をしたとします。ところがキレイになったことに○○さんがまったく気づかなかったら・・・喜ぶどころか当たり前のように通り過ぎて行ったら・・・きっと虚しくて悲しい気持ちになりますよね。

ですのでここは考え方を変えて、「①意識→②思考→③行動までの3段階をやり遂げた自分のすばらしさを自らほめてあげる」ようにします。これを、ダメ出しの反対で『よい出し』と呼んでいます。
『よい出し』は他者に向けてはできるのに、自分自身に対して行うことは難しいと感じる人が多いようです。自画自賛、自惚れ(うぬぼれ)と言うように、自分で自分をほめることには抵抗を感じてしまうからでしょうか。
でも、もし自分以外の誰かが掃除をしてくれていたら、あなたは「ありがとう」「助かるよ」「気づいてくれてうれしいわ」とほめたり感謝を示したりするのではないですか? なぜそれが自分自身だと、ほめたり感謝したりしないのでしょう?

『よい出し』は、やってくれた人をほめるというよりも行動自体をほめるという意味合いが強いです。よい行動にはいいねをしましょうってことです。それがたとえ自分自身であっても、です。
こうすれば他者からの見返りを求めようとしなくなります。誰かにほめられたいからがんばるのではなく、気づいて行動した自分を自ら認めてあげるためにやろうという意思がわいてきます。



今回、以前の記事を再編集しましたが、いかがだったでしょうか?

「気づいた人がやる」ということに気づく人は、「①意識②思考③行動」ができていて、自分なりの目的をもって物事に臨める人です。そして自分の行動を自己受容できている人です。

一方で気づかない人は、カラーバス効果が発揮されず散漫と物事を見ている状態だったり、目的意識が薄かったり、誰かにほめられることでしか動けなかったりするかもしれません。それは誰かの評価にさらされ続けて、自分の評価を上げることで精いっぱい、ゆとりがないからかも。

生活の中で「当たり前」になっていることには、実は気づかないところでいろいろとやってくれている「感謝すべき相手」がいるのかもしれません。意識して「ありがとう」と伝える人を探してみてください。そうすると、その人がやってくれていることがたくさん見えてきます。

そうしたら次はあなたの番です。いままで気づかずにやってくれていたことの一部でも、あるいはまだ気づいていないことを、今度はあなたがしましょう。それは誰がほめてくれるものでもないでしょうが、そこに気づいて誰かのためにがんばれた自分をほめてあげるチャンスとなります。それがあなたの成長につながるはずです。

気づいた人がやる=気づかない人は成長のチャンスを逃していると思うと、みんなこぞって気づこう・やろうとするかもしれませんね。

今日も気づいてやってくれて、本当にありがとう!




明日も佳き日でありますように


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?