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【2020年】仕事のやる気を高めてくれた本を4冊紹介する

どんな人でもモチベーションの浮き沈みがあるもの。毎日仕事してれば、マンネリ化は避けられない。

僕は仕事にやる気がなくなってきてるなぁ、と感じたら本を読むようにしている。特に経営者や商品のサクセスストーリー。登場人物の努力と熱量触れることで、自分ももう少しは頑張らねば!と気持ちを新たにできる。

今年もたくさんの本から刺激を受けた。その中でも特に仕事のやる気を高めてくれた本を4冊紹介したい。

自己プロデュース力

島田紳助さんのNSC(吉本総合芸能学院)での講義を書籍化した本。彼が一流のテレビタレントになるべく実行してきた綿密な戦略が語られる。

本書で学ぶことができるのは努力の方法だ。彼はお笑いタレントであると同時に一流の分析屋でもあった。彼は自分が面白いと思った漫才を録音し、紙に書き起こして、何がオモシロイのか徹底的に分析したそうだ。会話のテンポやネタ、抑揚までありとあらゆることを。

そして、自分だけのお笑いの教科書作った。お笑いには教科書がなかったから。

やみくもに努力するのと、理想形を思い浮かべて努力するのとでは、結果には雲泥の差がでる。

これはお笑いに限らず仕事でも、スポーツでも共通している。「一芸に秀でる者は、他芸に通ずる」という言葉がある。一芸に秀でる者は努力のコツを知っている。だからこそ、他の分野でも成果を出せるのだ。

紳助さんは最初は漫才からスタートしたが、漫才を辞めてテレビタレントに軸足を移していく。漫才の領域には、圧倒的な芸人が生まれていたから。

その芸人こそダウンタウン。本書でも圧倒的な存在として登場する。紳助さんはダウンタウンの漫才をはじめて見て、漫才を辞めることを決めたそうだ。絶対に勝てないと。

彼の考え方として、一貫していたのは、勝てない勝負はしないということ。勝てるフィールドで徹底的に努力するということだった。

1時間くらいで読めるのに、得るものが多かった。

ホットペッパーミラクルストーリー

いまでは、知らない人がいないほど有名サービス「ホットペッパー」。そのホットペッパーのサクセスストーリー。

ターゲットを絞ることの大切さを改めて痛感させられた。ホットペッパーの前身には「サンロクマル」というサービスが存在した。「サンロクマル」はまさに、ターゲットを絞らない何でもアリな雑誌だった。飲食店からサロン、ガゾリンスタンド、花屋、病院など何でも載っていた。

使わない機能がたくさんついた家電製品を買おうとは思わない。同様に自分に関係ない情報がたくさん載っている雑誌を手にとろうとは思わない。当然、「サンロクマル」は大赤字。

ターゲットを絞らずみんなのニーズに応えようとすると、こういうことはよく起こる。コンセプトがブレてよくわからなくなってしまう。

一方でホットペッパーは、顧客を飲食店・居酒屋に限定し、グルメマガジンからスタートした。街×食と絞られていることで、消費者に刺さるキラーコンテンツを作っていった。

サービスコンセプトを考える上で、とても参考になる。

他にもびっくりしたのは、ホットペッパーの成長を担ったスタッフの大部分が契約社員、業務委託社員だったこと。期限付きの契約だから、ドライに関わる人が多くなりそうなものだけど、彼らは熱狂し、主役になって事業を成長させたそうだ。リクルート流の組織マネジメントが垣間見ることができる。

PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

あのトイ・ストーリーはいかにして生まれたのか。ファイナンスの観点から語られる。

エンタメ企業には常に「お金」の問題がつきまとう。一つの作品を作るのには莫大なコストがかかる。しかし、その作品がヒットするかどうかは全くわからない。ギャンブルに近い。どれだけ最新のテクノロジーを取り入れていても、作品自体が面白くなければ、お金を生むことはない。

ファイナンス面で深刻な問題を抱えていたのは、Pixerも同様だった。スティーブ・ジョブズの私費で運営されていたが、どうやっても儲からない広告制作やライセンス提供のビジネスをしており、デジタルクリエイティブの技術はあるのにビジネスとしては立ち行かなくなっていた。その状況から、映画を作るエンタメビジネスに舵をきったのだ。

Pixerが赤字垂れ流しでヒット作も作ったことがないのにもか関わらず、作品のクオリティーと技術力を武器に上場に漕ぎ着ける場面は胸がアツくなった。スティーブ・ジョブズの凄さも要所要所で垣間見れて楽しい。

ルネッサンスの時代には、メディチ家などのパトロンが芸術家の後ろ盾になって創作を支援した。それが、一つの文化を作った。ローマ時代には、奴隷達の存在が富裕層に時間と富をもたらした結果、芸術が開花した。

偉大なアートはファイナンスと共にある。本書では、作品とお金をめぐる物語を楽しむことができると思う。

自分の仕事をつくる

筆者が様々なプロフェッショナルにインタビューして、その話をまとめた本。

語られる内容の一つ一つにドキッとさせられた。たとえば、下記の一節だ。

つくり手の観察力が低ければ、なんでもすぐに完成する。「できた」と思えるからだ。が、逆に高いとなかなか完成に到達しない。

仕事を終わらせることは大事なことだ。しかし、クオリティに妥協していないか、と問われるとNoと言わざるえない。これは惰性と言うより、観察力が低いことに起因している。クオリティが高い仕事と低い仕事の差を見極める観察力がないから、そこそこの完成度に満足してしまうのだ。

クオリティの高い仕事を観察する。何が凄いのか、どこが良いのか。先に紹介した紳助さんの本でも同じことを言っていた。しっかりと、理想形をイメージして、そこに向けて努力するからこそ、より高みに達することができる。限られた時間で成果物を出さなければならないことは変わらないけれど、1%でもいいものを作ろうと意識したい。

以上、仕事のやる気を高めてくれた本4冊。いま、モヤモヤを抱えている人には、自分のお尻に火をつけてくれるキッカケになるかもしれない。


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