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私が思う「聞くこと/聞き方」について

最終的に宣伝めいた話になるけれど、あえて書こうと思う。

ライターの仕事をしているので「聞くプロですね」とか「聞くのが得意なんですね」とはよく言われる。確かに聞くプロではある。お金と人の時間をいただいて、聞いた話を基にオーダーに合った文章を組み立てる。それはやっぱり聞くプロとして仕事をしている部分だ。

でも「聞くのが得意」かというと、そうではない。むしろ「苦手だったのでめちゃくちゃ考えて方法を見つけた」というのが正しい。

取材だけでなく人と会うときは今でも緊張するし、オンライン取材では無駄に長い時間パソコンの前に座って準備している。初対面の人に取材するときは上手く聞けるかどうか毎回心配だ。

ただ、仕事としての取材が始まればスイッチを切り換えて、プロの方法と経験を信じて話を聞く。アスリートが本番で練習を信じるのに似ているかもしれない。

たぶん聞くのが得意な人は、客観的に考えたり悩んだりする前に「聞く」が実践できている。わざわざ脳みそのリソースを回してあれこれ考えなくても、感覚的なところで情報を処理して聞き上手仕様のアウトプットを実行できている。

でも聞くのが苦手な人は、その感覚的なブラックボックスの中身が分からない。同じ状況、同じインプットでも自分とはあっちでは何か違う処理が行われて、あっちは上手くいってこっちは上手くいかない。原因が分からないので対処法も分からない。

自然と聞き手として振る舞える人に方法を聞いても、その人たちにとっては言語化が難しい。なぜなら、あまりにも当たり前で無意識に行われていることだから。無意識に言語以外の情報も受け取って、総合的に判断して、「こういう反応をすればいい」と分かって、無意識に振る舞える。

私にはそれが無理だった。ブラックボックスの中身は全然分からない。

その代わり必ず見えている「相手の言葉」から情報を捉えて、聞き手になるようにした。言葉を重ねていけば情報が増える。その数が多いほど全体像を類推しやすくなって、概念的な「相手の思い」や「意図」に近いところへ寄っていける。

少ない点だと難しいけれど、たくさんの点を得て線にして面にして、もっとポイントが多ければ立体的にも組める。その立体像が早く見えるようにどうすればいいか、どう言葉を追っていけばいいかを極めたのが今の聞き方だ。

「聞き方」については電子書籍をはじめ紙の書籍、オンラインセミナーなどいろんな方法でお伝えしている。それは「聞くのが得意だからできたもの」ではなくて「苦手だから考え抜いてたどり着いたもの」だと思ってほしい。

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今は仕事でもプライベートでもこの聞き方で進めている。正直、20年前は自分が「聞く仕事」をするようになるとは思わなかった。周りにいた人も同じ感想だと思う。

今までの「聞き方」や会話術で上手くいかなかった人、寄り添いや共感の中身を捉えあぐねている人はぜひ試してほしい。数年前からのレビューも参考になる。

■「丘村さんの聞き方は本になりますよ」と声をかけてもらい、形になった電子書籍 『人生が変わる会話術』(ごきげんビジネス出版)

■ そこからさらに情報を追記した紙の書籍 『「話す」は1割、「聞く」は9割』(大和出版)

■ Udemy:動画で学べるコースを開講(過去の対面セミナー情報はこちら





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