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正義を貫けるか、自分を守るか〜映画『新聞記者』

2020年に開催された第43回日本アカデミー賞で、「最優秀作品賞」「最優秀主演男優賞」「最優秀主演女優賞」を受賞した『新聞記者』。

恥ずかしながら、公開時にはこの映画の存在をまったく知らず、アカデミー賞受賞で知った。

「面白そうだなあ」と思いつつも、なんとなく内容が暗そうで手がつけられないまま時は過ぎ。
今日ちょっと時間が空いたので観てみた。

あらすじはこちら↓

東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)は、送り主不明の「医療系大学の新設」に関する極秘文書を元に、許認可先の内閣府を洗い始める。ほどなく神崎(高橋和也)というキーパーソンに行き当たるが、神崎は投身自殺を遂げてしまう。一方、内閣情報調査室(内調)に勤める杉原(松坂桃李)は政権を守るための情報操作やマスコミ工作に明け暮れていた。しかし、外務省時代の尊敬する上司・神崎の死を通じて、官邸が強引に進める驚愕の計画を知ることになる。それぞれの全人生を賭けた、二人の選択とは!?

ざっくり言うと、政府の隠蔽とそれの被害者と、真実を暴こうとする新聞記者との話なのだけれども。

えっと…ここからネタバレするから、これから観たいと思ってる人はここでさようなら。
今日は読みに来てくれてありがとうございました。感謝。
またお会いできる日を楽しみにしています。


↓↓↓

てことで。とりあえず言いたい。

「後味 悪すぎるわ!!!!!!!」

画面が消えた瞬間「うそやろ!」と思わず声が出た。

最後、桃李くん演じる杉原は「ごめん」と言ったのよね。
つまり正義ではなく、自分の名誉というか家族を選んだってことよね。

最初は暴露記事に「いざとなったら、僕の名前を使ってください」なんて言ってたのに、結局最後は怖くなったのか、家族を守りたいと思ったのか、正義を捨ててしまった。

最後の最後、ずっと無言のシーンなのに、2人の表情が色々物語ってて凄みというかなんというか。まるで時が止まったかのような。

そして終わる瞬間がもうなんとも。想像力が掻き立てられる。たまらない。
後味はクソ悪いけど、「みんな解決!よかったよかった♪」なんていうハッピーエンドにはなりようもないのだから、ああするしかなかったのか。

にしても、正義ってなんなんだろうね。

先輩が言っていた「俺のようになるな」は何の教訓にもならず、シム・ウンギョンちゃんは可哀想すぎだし、ああ政府っていうのはこうも汚く薄暗いものなのだろうか…と悶々としてしまった。

でも、この原作を書いたのは、現役の新聞記者 望月衣塑子(いそこ)さん。だからこの汚く薄暗い様子は、まったくのフィクションではないのかもしれない。恐ろしい。

どうでもいいことだけど、望月さんのことを調べてびっくり。
わたしと同い年で我が地元「中日新聞社」の社員だという。(在籍は東京本社らしいけど)

おもわずTwitterフォローしてしまったよ。
本も面白そうだから読んでみようかな。難しいかな。。

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にしても、よくこの作品を映画化しようと思ったな。受ける女優がいなかったというのも、少し納得できるぐらいの闇。


最後に余談だけど、自殺してしまう先輩役の神崎さんを演じていたのは高橋和也さん。
世代的に「男闘呼組」ど真ん中世代なので、彼を見るたびに『DAY BREAK』が頭の中に流れる。そして「いい役者さんになったよねえ」とひとり思う。

男闘呼組、結構いい歌出してたよね。
わたし多分、アルバムも聞いてたと思うんだよ。
でも高橋さんにしてみたら黒歴史なのかな。

ちなみに私の推しは成田くんでした。懐い。


追記:今年、米倉涼子の主演によりNetflixでシリーズドラマ化される予定だそう。見ないな〜〜。

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