歳時記を旅する45〔聖夜菓子〕中*海見ゆる席から埋まりクリスマス
佐野 聰
(平成九年作、『春日』)
アイルランドの村では、イブの夜、窓辺にとても大きな蝋燭を灯す。その蝋燭は、宿をさがすマリアとヨセフのため、幼子イエスの誕生を愛と希望と喜びをもって迎え入れる光を表す。三人の聖家族のために、そして旅人たちをもてなすために、台所のテーブルには御馳走が並べられ、ドアが開け放たれる。(本庄ひさ子『Xmasアドベントブック』)
句は海沿いのレストラン。宿を探すヨセフとマリアを招こうとしているかのように、窓際の席から埋まっていく。
(岡田 耕)
(俳句雑誌『風友』令和五年十二月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)
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