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横浜の「五月」②~粽

【スキ御礼】歳時記を旅する38〔五月〕中*初夏や漢字の中の中華街


五月、といっても旧暦の五月のこと。
横浜中華街では、旧暦と新暦の二つの暦が流れています。
中華街に住む華人の祭事は旧暦にもとづいて行われます。
2023年の旧暦での端午(5月5日)は、6月22日でした。
この頃になると、中華街の店では粽が店に並びます。
粽も中国の地方によって中身の種類が異なるようです。

今年、いただいたのは広東料理『中華菜館 同發』の肉粽(写真)。
笹の葉に包まれたもち米に、豚バラ肉、塩卵、小豆が入っています。
一つが大きいので、これだけでお腹がいっぱいになりそうです。
蒸し器で蒸してからいただきます。

案内書きに粽の起源について書かれていましたので、ご紹介します。

中国、戦国時代の屈原という詩人・政治家は、同僚の陰謀により国を追放されてしまい、失望した彼は川に身を投げてしまいます。民衆は米を笹の葉に包んで川に投げ屈原の成仏を祈りました。これが肉粽(ちまき)の起源です。以来、命日の旧暦5月5日が、病気や災厄を除ける行事、端午の節句になったと言われています。

中華菜館 同發   肉粽の案内書より

粽の起源にはもう一つ説があるそうです。
時代をさらに遡って、春秋時代の呉越のある部族は、龍を自分たちの守り神としてお祀りしていて、龍にお供え物をささげるときに、笹や蓮の葉にくるんで川に落としていた、というものです。

(岡田 耕)

*参考文献
「横浜商科大学中華街まちなかキャンパス 横浜中華街の世界【増補版】」学校法人横浜商科大学 2012年
 中華菜館 同發HP
  

写真/岡田 耕
   (「同發」の肉粽)

ありがとうございました。


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