岡部医院

当院は、地域に根ざした「かかりつけ医」として、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった内科疾…

岡部医院

当院は、地域に根ざした「かかりつけ医」として、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった内科疾患の治療を始め、ちょっとしたケガの手当て、腰痛、膝の痛みなど幅広く診察しています。さらに、禁煙外来、神経内科専門医外来、漢方診療、健康診断も行っています。

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記事一覧

上の血圧 下の血圧

血圧は上(収縮期血圧)と下(拡張期血圧)があります。かつては下(拡張期血圧)のみで高血圧を診断、治療されていた時代がありましたが、現在は収縮期血圧に注目して血圧…

岡部医院
5年前
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インフルエンザの流行

インフルエンザの流行が続いています。インフルエンザA型が流行しています。 2種類のインフルエンザA型が流行しており、過去最大の流行とも言われています。 岡部医院で…

岡部医院
5年前

インフルエンザの流行(犬山市 インフルエンザ 岡部医院)

インフルエンザの流行が拡大しています。 家族全員が感染、発症ということもあります。予防的に薬を投与する事も検討した方が良いことがあります。 予防投与の場合は保険で…

岡部医院
5年前

葛根湯と小青竜湯の違い

葛根湯は麻黄湯から杏仁を抜いて、4つの生薬を加えた漢方薬です。かぜ症候群の初期、なんかゾクゾクする、首の後ろや頭が痛いかもというときに飲むと効果があります。汗を…

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6年前
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漢方医学の名言

漢方医学の名言なのかよくわかりませんが 「希望こそ、一切の場合において投ずべき薬剤である」という言葉があります。 これは臨床医学家にとっては素晴らしい言葉である…

岡部医院
6年前
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治る、治らない

西洋医学で治らないと言われたものを東洋医学、漢方薬で治すことは不可能です。ただ、ツライ症状を和らげたり、悩みなどを少しでも良くすることはできるかもしれません。 …

岡部医院
6年前
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漢方薬の製造方法

現代の漢方薬の製造方法としては大きな入れ物に水と生薬を入れて抽出、分離、濃縮をして、一度に10万包以上の漢方薬を作っています。 柴苓湯は小柴胡湯と五苓散の合包で…

岡部医院
6年前
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吉益東洞(よしますとうどう)

江戸時代に吉益東洞という漢方医がいました。 東洞は目に見えないものは一切、相手にしない、目で見ることのできないものは医の対象にならないと訴えて、それまでの既成概…

岡部医院
6年前
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実証と虚証

漢方用語で「実証」と「虚証」というものがあります。 実証とはがっちりとして筋肉質、声が力強い、夏は暑がるがバテない、消化機能が強く、冷たいものも平気、お相撲さん…

岡部医院
6年前

皮膚疾患と漢方

塗り薬や飲み薬でなかなか改善しない皮膚疾患というのは結構多いものです。 そういう時には漢方薬を併用してみるのも良いでしょう。 十味敗毒湯、黄連解毒湯、排膿散及湯…

岡部医院
6年前
1

AGA(男性型脱毛症)の治療方針

日本皮膚科学会ではAGA診療の推奨度、A評価(強く推奨)としている診療として ミノキシジル外用、フィナステリド内服があります。 デュタステリド内服は2013年のアジアのガ…

岡部医院
6年前

夏やせ、夏負け、暑気あたり

連日、過去に経験したことのない猛暑が続いています。軽い熱中症や体調を崩している方が多い印象です。体力の低下により肺炎、転倒、胃腸炎、風邪なども流行しています。 …

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6年前
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アルコール関連の諸問題

多くの観察研究で1日純アルコール20g程度までの飲酒量で死亡率が低いことが示されています。この量はビール500ml、日本酒、ワイン約1合(180ml)に相当する量です。 一…

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6年前

産業医について

労働安全衛生法第六十九条には 1 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように…

岡部医院
6年前
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小児肥満、小児肥満症について

成人の肥満判定にはBMIが広く用いられますが、小児では肥満度が用いられます。肥満度は性別、年齢別、身長別の平均体重にくらべて実測体重の増加、不足分が何%に相当する…

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6年前
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糖尿病の治療方針

以前よりも糖尿病の指標であるHbA1cに対して、基準が緩くなってきているのが最近の流れです。米国内科学会(ACP)はいくつかの臨床研究の結果にから、以下のような声明を発…

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6年前

上の血圧 下の血圧

血圧は上(収縮期血圧)と下(拡張期血圧)があります。かつては下(拡張期血圧)のみで高血圧を診断、治療されていた時代がありましたが、現在は収縮期血圧に注目して血圧治療をすることが多いです。2008年6月にランセット誌に「上の血圧(収縮期血圧)がすべて」というレポートが寄せられましたが私もそう思います。

下の血圧(拡張期血圧)は実臨床を行っている医師はほとんど気にしていません。血圧の勉強会でも、専門

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インフルエンザの流行

インフルエンザの流行が続いています。インフルエンザA型が流行しています。
2種類のインフルエンザA型が流行しており、過去最大の流行とも言われています。

岡部医院でもインフルエンザウイルスの迅速検査を行い、その場で診断できます。
院内処方も行っているので、診断、治療は医院で完結します。
受付、検査、診断、処方を全て合わせても、全て院内で1時間以内に終えることができます。

総合病院等ではインフルエ

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インフルエンザの流行(犬山市 インフルエンザ 岡部医院)

インフルエンザの流行が拡大しています。
家族全員が感染、発症ということもあります。予防的に薬を投与する事も検討した方が良いことがあります。
予防投与の場合は保険ではなく、自費診療になります。

学級閉鎖、学年閉鎖も起きているようです。
学校保健安全法ではインフルエンザの出席停止期間を次のように定めています。

発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで登校できません。

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葛根湯と小青竜湯の違い

葛根湯は麻黄湯から杏仁を抜いて、4つの生薬を加えた漢方薬です。かぜ症候群の初期、なんかゾクゾクする、首の後ろや頭が痛いかもというときに飲むと効果があります。汗をかいて具合を良くする薬なので、汗がでた後ではあまり効果はありません。ポイントは葛根という葛の根の生薬と考えています。これが首、肩の筋肉の緊張を緩和するとされています。

小青竜湯は麻黄湯から杏仁を抜いて、5つの生薬を加えた漢方薬です。水分の

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漢方医学の名言

漢方医学の名言なのかよくわかりませんが

「希望こそ、一切の場合において投ずべき薬剤である」という言葉があります。

これは臨床医学家にとっては素晴らしい言葉であると同時に、責任、自信がないといえない言葉であるとも思います。

治りませんという言葉は事実かもしれませんが、患者さんに不快感、不安感を与える言葉でもあります。違う伝え方をすることも考える必要があるでしょう。

パーキンソン病の患者さんが

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治る、治らない

西洋医学で治らないと言われたものを東洋医学、漢方薬で治すことは不可能です。ただ、ツライ症状を和らげたり、悩みなどを少しでも良くすることはできるかもしれません。

進行ガンの患者さんのガンを治すことはできませんが、それによってツライ症状が出ているときに、その症状に対して、何かいい方法はないかと考えて漢方薬を処方します。

ガンを治そうと思って漢方薬は処方しません、ただ、それによる呼吸困難、浮腫、食欲

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漢方薬の製造方法

現代の漢方薬の製造方法としては大きな入れ物に水と生薬を入れて抽出、分離、濃縮をして、一度に10万包以上の漢方薬を作っています。

柴苓湯は小柴胡湯と五苓散の合包ですが、柴苓湯と小柴胡湯、五苓散を合わせて飲むのは、少し効果が違うという説があります。

柴苓湯の方がよりマイルドで、小柴胡湯、五苓散を合わせて飲む方が抗炎症や浮腫などは効果が高いというのです。

考えてみると、柴苓湯は小柴胡湯と五苓散の生

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吉益東洞(よしますとうどう)

江戸時代に吉益東洞という漢方医がいました。

東洞は目に見えないものは一切、相手にしない、目で見ることのできないものは医の対象にならないと訴えて、それまでの既成概念、伝統を無視した理論を唱えていました。

この時代にこのようなことを言うというのはある意味天才で、要は今日の医学と同じように、実証できないものを否定したのです。

これにより、日本の医学が少し立ち止まって考える事になり、当時長崎から経由

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実証と虚証

漢方用語で「実証」と「虚証」というものがあります。

実証とはがっちりとして筋肉質、声が力強い、夏は暑がるがバテない、消化機能が強く、冷たいものも平気、お相撲さんのようなイメージです。ほとんどの漢方を問題なく飲める、麻黄の入っている漢方、葛根湯などを飲んでも平気というのが実証です。

虚証とはやせ形、水太りで皮下脂肪が多く、夏バテ、寒がり、消化機能が弱い、麻黄の入っている漢方を飲んで胃がムカムカす

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皮膚疾患と漢方

塗り薬や飲み薬でなかなか改善しない皮膚疾患というのは結構多いものです。
そういう時には漢方薬を併用してみるのも良いでしょう。

十味敗毒湯、黄連解毒湯、排膿散及湯などいろいろ種類はありますが、最近は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)に興味を持って、使用することが多いです。

十味敗毒湯は華岡青洲という江戸時代の外科医が創案した薬です。
華岡青洲は世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功させた(乳がん

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AGA(男性型脱毛症)の治療方針

日本皮膚科学会ではAGA診療の推奨度、A評価(強く推奨)としている診療として
ミノキシジル外用、フィナステリド内服があります。
デュタステリド内服は2013年のアジアのガイドラインではBでしたが、限りなくAに近いと私は考えています。
そう考える理由としては、フィナステリド内服と同じ作用機序の薬で効果も同等以上という研究結果がでているからです。

さて、最近CMで「スカルプD メディカルミノキ5」と

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夏やせ、夏負け、暑気あたり

連日、過去に経験したことのない猛暑が続いています。軽い熱中症や体調を崩している方が多い印象です。体力の低下により肺炎、転倒、胃腸炎、風邪なども流行しています。

東洋医学では夏やせ、夏負け、暑気あたりといって、夏に体調を崩すものに対して、漢方で治療をしてきました。

急性の夏負けで嘔気、口が乾くような状態、軽い熱中症のような状態には五苓散を処方します。

夏負けで元気が出ないという場合には補中益気

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アルコール関連の諸問題

多くの観察研究で1日純アルコール20g程度までの飲酒量で死亡率が低いことが示されています。この量はビール500ml、日本酒、ワイン約1合(180ml)に相当する量です。

一方、厚生労働省研究班の推計では、多量飲酒者は980万人、アルコール依存症、その予備軍は294万人いるとされています。多量飲酒者、アルコール依存症者がアルコールの健康に対しての良い影響を受けることはありません。

多量飲酒者では

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産業医について

労働安全衛生法第六十九条には
1 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。(安全配慮義務)
2 労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努めるものとする。(自己保健義務)
とされています。

事業者と労働者の関係は
労働者→労務の提供、事業者→賃金の支払
労働者

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小児肥満、小児肥満症について

成人の肥満判定にはBMIが広く用いられますが、小児では肥満度が用いられます。肥満度は性別、年齢別、身長別の平均体重にくらべて実測体重の増加、不足分が何%に相当するかを表す指標です。

児童、生徒の肥満判定は
+20%以上を軽度肥満
+30%以上を中等度肥満
+50%以上を高度肥満としています。

小児も成人と同様、過剰な内臓脂肪蓄積は肥満に伴う健康障害と関連があるため。体脂肪分布の評価は重要です。

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糖尿病の治療方針

以前よりも糖尿病の指標であるHbA1cに対して、基準が緩くなってきているのが最近の流れです。米国内科学会(ACP)はいくつかの臨床研究の結果にから、以下のような声明を発表しています。

1 臨床医は2型糖尿病患者の血糖管理目標を個別化すべきである。個別化においては、以下の項目についての議論を基にすべきである。①薬物療法の利益と害、②患者の嗜好、③患者の全身状態や生命予後、④治療の負担、⑤療養にかか

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