小児肥満、小児肥満症について

成人の肥満判定にはBMIが広く用いられますが、小児では肥満度が用いられます。肥満度は性別、年齢別、身長別の平均体重にくらべて実測体重の増加、不足分が何%に相当するかを表す指標です。

児童、生徒の肥満判定は
+20%以上を軽度肥満
+30%以上を中等度肥満
+50%以上を高度肥満としています。

小児も成人と同様、過剰な内臓脂肪蓄積は肥満に伴う健康障害と関連があるため。体脂肪分布の評価は重要です。ウエスト周囲長が80cm以上(小学生では75cm)、ウエスト身長比が0.5以上の場合は内臓脂肪型肥満の疑いがあります。

小児肥満に対しては本人だけでなく、家族ぐるみで生活習慣の改善に取り組むのが良いです。食事療法、運動療法を具体的にできる範囲でアドバイスします。

ポイントとしては
夕食後は食べないようにする
ジュースは飲まない
身体を60分以上動かす
おやつの量を守る
スクリーンタイム(テレビ、パソコン、スマホ、ゲームなど)の制限など

これらを自己管理チェックリストにして自分で記載すること、体重を測って記録することが認知行動療法として良いでしょう。

思春期の肥満傾向児から成人肥満への移行が問題となっています。思春期の高度肥満は2型糖尿病、心血管病、慢性腎臓病(CKD)発症の高リスク群です。特に若年での2型糖尿病の発症は合併症などのリスクが高くなります。

学校健診などで受診を勧められることもあると思います。健康教育を子供にすることはとても重要です。本人にも健康について考えてもらうことが重要であると考えています。
岡部医院院長 岡部誠之介

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