玻澄

はずみです。遊び足りないソプラノ。活字中毒な元・書店員。 表現活動の一環としてnote…

玻澄

はずみです。遊び足りないソプラノ。活字中毒な元・書店員。 表現活動の一環としてnote始めました。雑多な赤裸々エッセイ。歌に生き、煩悩に生き。 Twitter→ https://twitter.com/ojamajo_hazumi

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何をしても嫌われるあなたへ、何をしても嫌われる私より

ありのままの自分で愛されるなんて、嘘だ。 私は中学に入って半年も経たずにそう思い知らされた。 目立ちたがり屋で人前に出るのが好き。 思ったことははっきり言うし、喜怒哀楽が激しくて好きな人はすぐにバレちゃう。(で、避けられるまでがセット…泣) 休み時間は男子に混ざって鬼ごっこをしているか、本を読んでいる。 仲良しの友達がいるクラスに入り浸って、よくそのクラスの担任から「お前はここのクラスちゃうやろ!」と摘まみ出されていた。 とにかく勝気で、時に男子と殴り合いの喧嘩をすること

    • お母さんになるあなたへ

      後輩ちゃんが妊娠した。 「次お逢いしたとき、いい報告ができるかもしれません!」 文面と語尾のキラキラした絵文字に、嬉しさが滲み出ている彼女からのLINEを見て、なぜか動悸が激しくなった。 結婚して家も買った後輩ちゃんの、次のいい報告って言ったら”妊娠”に決まっている。 「何?気になる~!」と返信しつつ、今言えないってことはまだ安定期じゃないのかな?次、どんな顔して逢えばいいんだろうと、私は心ここにあらずだった。 アラサーともなると、子どものいる知り合いはどんどん増えていく

      • 「お花を少々…」と言いたくて

        最近、弓道を体験した。 高校生の頃、犬夜叉に憧れて弓道部に入った友達Tが、久しぶりに弓を引きたいというのだ。 何も万年合唱部を誘わんでも…とは思いつつ、ノリと勢いで生きている私は、秒で「行く!」と返事をしてしまっていた。 弓道なんて高校の授業でちょっと齧ったくらいだ。薄れかけた記憶を辿ると、その時もTにいろいろ教わったような気がする。内容は綺麗さっぱり忘れてしまったが。 アクセスの悪い綺麗な室内の弓道場で、母校の年季が入った弓道場を思い出しながら、袴に着替える。 Tは初心者

        • 「人生の答え合わせでした」

          ある晴れた遅夏の夕暮れ。 先輩と出張先から職場に戻る道すがら、ふわっといい香りが漂ってきた。 「金木犀だ、すっかり秋めいてきましたね」 と話し掛けると、 「ここら辺一帯は、金木犀だらけなんだよね。ほら、これ」 と、先輩。 そういえば私は金木犀の本体を見たことがなかった。香りの主張の割に、なんてことはない小さな花だ。 「初めて見ました!先輩は金木犀がお好きなんですか?」 金木犀本体を知ってる人なんだから、そりゃそうだろうが。 すると、予想の斜め上をいく答えが返ってきた。 「元彼

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        何をしても嫌われるあなたへ、何をしても嫌われる私より

          へんてこバイト回想記

          遊ぶ金が欲しい!!! 通学に片道2時間半かかっていたせいで、授業数が減る4年生まで長期のバイトができなかった私は、その一心でいろんな短期・単発のバイトをやりまくった。 今思い返してみると、なかなかオモロい体験だったように思う。 中でも印象的な一風変わったバイトの体験談をば、少し。 ①住宅展示場の呼び込み このバイトをする前まで住宅展示場は未知の場所だった。お家を買うなんてセレブのすることだと思っていた。 ここで私が何をするかというと、家の前に立って通りすがりの人に声を掛け

          へんてこバイト回想記

          趣味と友達は多ければ多いほどいいらしい

          15年以上ぶりに”能面のおじさん”と再会した。 ”能面のおじさん”は私の父の父の弟、つまり正確には大叔父である。 小学生の頃に一度、大叔父が趣味で彫った能面を見に展示会へ行った。 それ以来、同じ関東圏に住みながら今まで全然逢わずにきてしまった。 なぜそんな距離感の”能面のおじさん”と、今さら逢うことになったのか。 それは、中学で音楽の教師をやっている仲良しの先輩との会話がきっかけだった。 彼曰く、教科書に載っている日本の伝統芸能”歌舞伎・人形浄瑠璃・能”のうち、能だけは授

          趣味と友達は多ければ多いほどいいらしい

          お医者さんになりたかってん

          七夕の短冊に”ダイヤモンドがほしい”と現金なことを書いた女児の願いは、いつしか”お医者さんになりたい”に変わっていった。 私が生まれて間もなく脳内出血で倒れたおばあちゃんのお見舞いで、病院に通っていたことがきっかけなのかもしれない。 おばあちゃんが入院してた徳洲会は、幼い私からしたらとてつもなく大きな病院で、ここで迷子になったら終わるという気持ちと、いろんなフロアを冒険してみたい気持ちの間でいつも揺れ動いていた。 テキパキ働く看護師さん、病院特有の匂い、待合室の患者さん、西

          お医者さんになりたかってん

          酔いどれNIGHT

          ”お酒”をテーマに詠んだどうしようもない酒カス短歌集。 「お酒好き?」に対する模範解答の「嗜む程度です」の"です"はDEATH 「とりあえず乾杯!」したら友達だ 人工味の気まずい炭酸 日本酒は好きな男に教わった 真澄くんならボトルでいるよ 終電を逃してもいい相手には酒が効かない だがそこがいい 華金の浮足立った有楽町 夜を溶かしてカシスオレンジ アルコール分解速度は五分五分ね 気の利くセリフで勝たせてあげる 水みたいな顔して澄ます焼酎をイッキしてから開けた世界

          酔いどれNIGHT

          よく遊び、よく遊び、よく遊べ①

          癖の強い友達のお陰で濃ゆ~い日々を過ごしている。 私の友達は一言でいうと”遊びの天才”ばかりなのだが、まぁ天才となんとやらは紙一重…ともいう。 今までの数々のバカ騒ぎの中で、特に印象深かったものを残しておこうと思う。 大人になって気づけば”遊ぶ=ランチするor飲む”になってしまったあなたへ、これが遊びだ!! ※異論しか認めない。 『平安女子会』 ある日、Twitterで面白い投稿を見つけた。 ”香り遊び”と言って、オリジナルの匂い袋を調合できるキットがあるのだそうだ。 な

          よく遊び、よく遊び、よく遊べ①

          あなたと逢うのは今日で最後かもしれない

          人生は出逢いと別れの連続だ。 大袈裟かもしれないが、そのすべてに意味があるんじゃないか。 感傷的なアラサーの私は、ふとそんなことを考える夜がある(昼もある)。 私は基本的にネガティブだけど、唯一、運だけはめちゃくちゃいいと思う。 中でも群を抜いて”出逢い運”に恵まれている。 残念ながら頭の切れる策士ではないので、自分の目的を叶えるためにこういう人とお近づきになって、ここから人脈をどんどん広げて…なんて、仕組んだ出逢いをしたことは一切ない。 だが、必要な時に必要な人と出逢って

          あなたと逢うのは今日で最後かもしれない

          私の彼はオタクくん

          アラサーになるにつれて、女子会の話題がだんだんシビアになってきた。これが結婚適齢期というやつか。 出逢いがないだの、期待してた合コンが外れだっただの、遊ばれてただの、一通りの報告で盛り上がった後、いい感じに酔いが回ってやさぐれたマユミがポツンと呟いた。 「あ~あ。どっかに浮気しなくてやさしくて顔がいい男、転がってないかな」 満場一致で「それな~~!!」の反応を獲得して少しいい気分になったマユミは、わざとらしく口をとがらせて私を肘で小突いた。 「な~にが「それな」よ!あんたに

          私の彼はオタクくん

          私が700日続けたShowroomの毎日配信を辞めたわけ

          (※悪意はないけれど、多くの方を不快にさせてしまうかもしれないので先に謝っておく。 私のファンの皆様、全力で配信を頑張っている方やその方のファンの皆様、全方位へごめん) 夢を追う人を「応援したい」というのは、何物にも代えがたい尊い感情だ。 その気持ちをいい意味で利用したのが”ライブ配信”で、最近主流になっていることを鑑みても、やはりその仕組みは素晴らしいと思う。 何かを発信したい人・応援してほしい人がライバーとして配信をして、ファンと二人三脚で夢を掴む。 初めて知ったときは

          私が700日続けたShowroomの毎日配信を辞めたわけ

          私の中にハイドは眠る

          善良なジキル博士と、殺人を繰り返すハイド。 実は彼らは同じ身体に共存していた。 その最大のオチが有名になってしまって、ここまで読む前からネタバレな作品もそうそうあるまい。 これは要するに”二重人格”の物語である。 ここまではっきりと人格が分かれているのは特例として、自分を”二面性がある”と感じたことのある人は割といるかもしれない。 人に見せられない自分は、誰しも存在するはずだから。 私は自分のその一面を”ハイド”と呼ぶことにした。 原作とは違って、私の中のハイドは人を傷つ

          私の中にハイドは眠る

          寂しさは人を殺すのだ

          高校に入学したばかりの5月中旬、おじいちゃんが死んだ。 忘れもしない、初めて校内放送で名指しの呼び出しを喰らったあの日。 職員室に行くと担任の先生から「今、お家から電話があったんだけど…すぐ荷物をまとめて帰りなさい」とだけ言われた。 何があったのかすぐにわかった。 私が絶望的な顔をしたのか、先生に「大丈夫よ」なんて無責任な励ましをされた。 学校から出て電車に乗っている間、まだ理由も知らないくせに涙が溢れて止まらなかった。 でも私の勘は当たる。誰かが死んだ。 その時点では、

          寂しさは人を殺すのだ

          祈るように寄附をした

          アフガニスタンが大変なことになっているらしい。 アメリカ軍が撤退して、タリバンが勢力を取り戻したからだ。 その程度のことしか知らない私だったが、あるインタビューでアフガニスタンの現状を聞いて、認識を改めた。 とにかくまずはこれを聞いてみてほしい。 ↓音声配信アプリVoicy”ながら日経”10月30日(土)の取材。 インタビューで淡々と語られる現状を信じられない思いで聞いていた。 信じたくなかった、と言った方が正しいかもしれない。 同じ地球で同じ時代に生きているとは思えない

          祈るように寄附をした

          バチバチに似合うファッションを究めたら”おっさんホイホイ”になってしまってツラい

          かわいくなりたい。だって女の子(?)だもん…! という思いが届いたのか、この頃少しだけ垢抜けられたような気がするアラサー。 ここ1年の間で微々たる改良を重ねた結果が出始めているようだ。 朝食はプロテインにしたり、ちゃんと自炊をしたり、寝る前のストレッチを習慣化させたり、気が向いたら筋トレしたり、ホルモンバランスを整えて情緒を安定させるためにピルを飲み始めたり(副作用が未だにツラい)、先輩から「短所をなくすのは難しいから長所を伸ばして女を磨け」とアドバイスを受け即電動歯ブラシ

          バチバチに似合うファッションを究めたら”おっさんホイホイ”になってしまってツラい