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抗生剤を飲み忘れるとどうなる?【ついうっかりが招く悲惨な結果】

抗生剤(こうせいざい)は、「抗生物質(こうせいぶっしつ)」「抗菌薬(こうきんやく)」などいろんな呼び方をされます。

「抗生剤はきちんと飲み切ってくださいね」

これ病院や薬局に行くとよく言われる言葉だと思います。

それではなぜ抗生剤は飲み切らないといけないのか?

それは耐性菌ができるから!!

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正確に言うと、耐性菌だけが残ってしまうからです。

耐性菌とはその名のとおり、抗生剤の攻撃にも耐えられる強い菌のことですが、通常細菌感染を起こすと抗生剤が効きやすい菌の中にも耐性菌が混ざって存在していることが多いと言われています。

ちなみに、風邪のときに抗生剤を出してほしいとお願いする方いると思いますが、これも耐性菌を増やす原因になってしまいます。

勘違いされやすい部分なのでなぜ耐性菌が増えてしまうのか?も含めて、この機会に是非覚えていってください。

風邪はウイルスが原因で起きるもので、その原因ウイルスは200種類以上あると言われています。

ウイルスが原因の風邪に対しては
抗生剤は効きません!

これを覚えておかないと耐性菌が増える原因になってしまうことがあります。抗生剤が効かない風邪に対して無駄に抗生剤を使用すると、常に存在している悪さをしない菌が取り除かれてしまって、抗生剤が効かない細菌が増えてしまう(=耐性菌が増える)という結果になってしまいます。

なので、風邪のときにお医者さんへ「抗生剤をください」と言うのはやめましょう!

耐性菌ができるまで

少しだけ難しくなりますが、ついてきてください。

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これを身体の中に入った時の『抗生剤の濃度の動き』だと思ってください。(使われる薬の量によって【a】【b】【c】それぞれ濃度が違っています)

MICは、ふつうの細菌が発育できない最小の濃度のことで、MPCは強い耐性菌も発育できない濃度のレベルを表しています。

MICより抗生剤の濃度が低いと、通常の細菌の発育も抑えられませんし、MPCより高ければ耐性菌の発育を抑えることができます。

mutant selection window (MSW)と呼ばれている赤色の部分の範囲が一番耐性菌が存在しやすい濃度の範囲といわれています。

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例えば、しっかりと抗生剤を服用していると少しずつ身体の中の濃度があがって、MPC以上の濃度が確保されて耐性菌の発育も抑えてられています

これが一番いい状態です

でも、途中で抗生剤の服用をやめたり、何度か服用を忘れたりすると、せっかく耐性菌の発育を抑えられるMPCの濃度を保てていたのに、耐性菌が心地よく過ごせるMSWの濃度まで下がってしまうのです。

要するに、弱い菌だけがいなくなって、代わりに強い菌が増えていってしまう状態です。

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これが耐性菌ができる仕組みです。
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どの抗生剤も効かない耐性菌が出来上がったら.........と考えるだけでこわいですよね😫

ちょっと難しかったと思いますが、わかりましたか?
わからなかったらすいません、力不足です😭

誰も好き好んで服用を辞める人はいません。

それではなぜ服用をやめてしまうのか?

一番の理由は、「症状が改善したから」まさにこれだと思います。

見た目症状がよくなったように見えることがあり、そうなると当然薬を飲む必要性も感じなくなりやめてしまうことが多くなります。

でも実は最近は身体に残っているんです!

症状がよくなったようにみえても最後まで飲み切るようにしましょう!


少しだけ耐性菌のことにも関係してくるので、外来でよく処方される抗生剤の種類についてもお話しておきたいと思います。

更に1段階話が難しくなるかもしれませんが、できればついてきてください。

外来でよく処方される抗生剤

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外来で処方される抗生剤は、ペニシリン、セフェム系と呼ばれる1日3回で服用することが多いものや、マクロライド系と呼ばれる1日2回で服用することが多いもの、ニューキノロン系と呼ばれる1日1回で服用することが多いものの3種類が出されることが多いです(当然これ以外にもあります)。

それぞれの服用回数と効果にはそれなりの意味があるので、決められた回数で必ず飲むようにしましょう。

特に1日3回で服用することが多いペニシリン、セフェム系と呼ばれる薬が処方されることが外来では最も多いと思いますが、この系統はその種類によって身体に吸収されて利用される量が明らかに違っています。

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バイオアベイラビリティとは、『服用した薬が全身の血液に達する割合』を表しています。すなわち身体に吸収されて使われる量ですね。

もともとこのバイオアベイラビリティが低いような抗生剤を不十分な量で服用したりすると更に耐性菌が増える可能性もあります。

このあたりの選択は医師の裁量になってくるので、患者側ではどうすることもできません。

なるべくなら、バイオアベイラビリティが高い薬を十分な量で服用して、服用忘れもなく、症状が改善しても飲み切るようにしたいですね。

まとめ

✅ 抗生剤は出されたら飲み忘れなくのみきる!
✅ 風邪で抗生剤は要望しない!
✅ 適切な抗生剤を十分な量をのむ(これは医師の裁量)

いろいろ書いていましたが、まとめると大きくこの3点になると思います。

なにより、1日3回の薬であれば、時間がずれたとしても1日3回きちんと服用する。

症状が改善しても最後まで飲み切る。

とても大事なことなので忘れずにいてくださいね。


最後までお読み頂きありがとうございます。

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