会社に馴染みたかない。｜エッセイ

もうすぐ上司が辞めてしまう。

うちの部署は
各々担当している作業が異なるため、
1人抜けるだけで慌ただしくなる。

そこで悲しいことに、
各業務を手伝っており、
立ち回りを理解しているアルバイトに、
一旦社員業務が引き継がれることと
なりがちだ。
（産休の社員さんが抜ける時にも
　そうだった。）

忙しい上司が辞めてしまうのだが、
今回もその影響がこちらに
ダイレクトに来ることとなりそうだ。
そこで上司も、
辞めることが決まった瞬間
いち早く私に教えてくれた。

普通、こちらが大変になると思うと
「ちょっと待って！無理！」
などと言うと思う。
しかも、1ヶ月で退職なんてスピードすぎる。
冗談でも引き止めたりするものだと思う。

だが私は、転職どころか、
ニート万歳の精神のため、
「こちらのことは気にせず、
　次のお仕事頑張ってください！！」
と返答した。

終わらなければ終わらなかったで、
私のせいではないので居残る気も更々ない。
いつも通り17時に上がってやろうと
目論んでいる。

私の心には、
以前友人のはとやんが言ってくれた
「自分がいなきゃ成り立たない
　ブラックな職場なんて潰してしまえ」
という閻魔のような言葉がついている。
自分が厳しいなら会社を潰すまでである。

しかしそうは言ってもなんだかんだ、
社員なのか？！と言うほど
今後動き回ることになるかもしれない。
そろそろ何故社員にならないのかと
上司以外からも
言われそうなので本当にやめたい。

普段週2しか出社していないのに、
最近は引き継ぎやら、
さよなら会に参加していて
毎日職場に出かけている。
そんな私をみて母が、
「職場に馴染んできたんじゃない？！」
と言ってきたが、途轍もない屈辱である。

会社の人々は大好きなので
馴染んでいるとは思うが、嬉しくはない。
社会に馴染みたくはない。

考えてみれば前職も、
先輩たちと仲良くなりかけた頃に
やめたくなり、
やめた後に先輩宅に何度か集まるなどして
交流を深めた。

あくまで仮住まいと思っている場所で
”ここに一生いて良いからね”
という安定を感じると
気持ち悪いのかもしれない。

転職する時には、
ブラックでも潰れてもらっちゃ困る！！
と言うような尽力したい会社を見つけたい。

だが見つからないし、
見つける行動力もないので
一生このまま。
本当にだれか私の代わりに就活して。

さはら
1997年9月生まれ
ハーフ
座右の銘は晴耕雨読
万年フリーター

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