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【脚本】がんばれ荘 ①はじまり荘

舞台上には西川と中谷と鶴岡
夕食を食べている
明転

西川 「いただきます」
近藤 「あ~はやく休みにならないかな」
西川 「まぁ毎日さ休日もそれはそれで嫌でしょ」
近藤 「確かにね」
西川 「たまに休むのが実はいいって言うね」
近藤 「夏休みもさ、なんかやることないと暇じゃん」
西川 「そうなんだよね どっか行きたいけど金ないしね」
近藤 「本当それ 早く給料日こないかな」
西川 「毎日言ってる。それ」
近藤 「確かに。」

西川 少し間を置いて


西川 「あの…鶴さん」
鶴岡 「うん」
西川 「今月、来月分なんですけど」
鶴岡 「わかったよ 払える時で全然」
西川 「いやーそうじゃなくて 先に払っていいですか?」
近藤 「いやこの流れからして滞納しますでしょ」
西川 「いや駄目なの?」
近藤 「駄目じゃないけど」
西川 「でしょ」
鶴岡 「全然いいよ 受けっておきます」
西川 「ありがとうございます」
鶴岡 「まったく西川さんらしいね」
西川 「とんでもないです」
鶴岡 「二人はおかわり大丈夫?」
西川 「私もう大丈夫です。ご馳走さまでした。」
近藤 「私も大丈夫です。ごちそうさまでした。」
鶴岡 「はい お粗末様でした。」

鶴岡上手に去る


近藤 「あーお腹いっぱい今日もおいしかったな」
西川 「満腹満腹」
近藤 「そういえば、今日翔平は?」
鶴岡上手ひょっこりから登場
鶴岡 「ガソリンスタンド残業して、飲み会だって」
西川 「鶴さん!」
近藤 「ひょっこりはんじゃないんだから」
鶴岡 「ごめんごめん」
西川 「あれどっか行くんですか?」
鶴岡 「うん。ちょっとね」
近藤 「そうですか。お気をつけて」
鶴岡下手へ去る
西川 「鶴さんどこいったんだろ」
近藤 「パチンコじゃない?」
西川 「そんな馬鹿な」
近藤 「でもさ、ここって家賃二万で食事付きだよ 電気代込みだよ!ギャンプルとか闇仕事しないとここは大赤字だよ」
西川 「確かに どう考えても赤字だよな」
近藤 「あの人 ここにいたりいなかったりするからね。それかさ。もしかしたらここ心霊スポットとかで訳ありとかで」
西川 「近ちゃん こわいこと言わないでよ」
近藤 「でもさ、噂で聞いたことはあるよ ここ昔」
西川 「私も聞いたことある ここにいた人家族が無理心中して…」
近藤 「やっばりな…」
西川「まぁでもさ、私たちが住んでからは特にないよねこわいことに」
近藤 「確かに」
西川 「じゃ、大丈夫だよね それかさ、昔さ、誰か芸能人とかが住んでたとかあればね」
近藤 「まぁそれはない」
西川 「そうだよね あるわけないか」
近藤 「そういえばファイターズ今日どんな感じ」
西川 「あー忘れてたわ」
近藤テレビをつける
西川 「今日は勝てるかもね」
近藤 「確かに」
西川 「大谷翔平がまだ日本にいればねぇ…」
近藤 「また タラレバ話か?」
西川 「現実逃避する手段ですよ」
近藤 「知ってる」
西川 「あー大谷翔平とかでてこないかな?」
下手から中谷がひょっこり登場する
中谷が下手から登場
中谷 「呼んだかい?」
近藤・西川 「…はぁ」
中谷 「ただいま」
近藤 「はいはい」
中谷 「ただいま帰りました!同じ翔平でも中谷翔平です スター候補の僕と写真撮りますか?」
中谷 三人で自撮りをしようとするが二人が拒絶
近藤 「一人で撮って」
シャッター音
中谷 「酷くない?」
西川 「こっちの台詞だよ」
中谷 「大体僕の名前は中谷翔平だよ あの大谷翔平選手の名前のせいでどれほど損してることか」
近藤 「まぁ君は大谷のミニチュア版みたいなもんだし 何もかも中くらいだ」
西川 「確かに」
中谷 「僕のどこが中途半端なんだよ」
近藤 「そんなこと言ってないわ」
中谷 「大体僕はねー大谷翔平選手と一緒で二刀流をやってるんだよ え?何の二刀流っ
て? そうそれは芸人とガソリンスタンド店員としての二刀流 いかに大変かっ
て?そうだね〜」
中谷 話を続けるが、西川・近藤は反応せず、テレビの野球中継に夢中になる。テレビの野球中継でホームランを放つ
西川 近藤 「ホームラン来たー!!!!」
中谷 「レギュラー給油でよろしいですか?」
西川 「うるさい!今いいとこなの! もうなんでこんな奴いるんだよ」
近藤 「本当だよ」
中谷 「本当はいないと寂しい とか言っちゃって!」
近藤 「いうわけないから」
下手から 鶴岡が登場する
鶴岡 「賑やかだね」
西川 「いや、まぁ」
鶴岡 「翔平くんお帰り!相変わらず 仲いいな」
中谷 「はい!」
西川・近藤 「いやいやそれは違いますからね」
鶴岡 「まぁまぁまぁ笑 ところでみんな今日から新しい人入るから」
西川 「102号室ですか?」
近藤 「意外と早いですね」
鶴岡 「まぁね すぐに見つかったんだよね」
中谷 「あのつ、つっつ鶴さん!」                     鶴岡 「うん?」                             中谷 「そそっそそ、その人 可愛いですかぁ!? きょきょきょ巨乳ですか? それともぉぉぉお」
近藤 「あのすみません。退去していただくことって可能でしょうか?」
鶴岡 「まぁまぁ 残念ながら男だよ」
近藤 「残念ってそれもそれで失礼ですよ!」
中谷 「僕は残念です」
近藤 「僕はあなたに残念です。」
鶴岡  「まぁ確かに 男で残念は失礼したよ。とにかくもう玄関まで来てもらっているんだよ」
西川 「本当ですか?」
鶴岡 「うん。今から連れて来るから おーいこっちだよ」
鶴岡 下手から大田を連れて来る
鶴岡 「彼が今日から入居する子」
西川 「名前は?」
中谷 「中谷翔平」
近藤 「あんたじゃないないわ」
西川 「で、あなたのお名前は?」
大田 「…えっと 大田透です。よ、よろしくお願いします。」
鶴岡 「仲良くしてあげてね」
大田 「あ、はい あの す、すみません。」
鶴岡 「ん?どうしたの?」
大田 「あの今日から入居ですよね 書類とかは 僕はあのまだ」
西川 近藤 テレビの野球中継に反応する
西川 「抑えたーーーーーーー」
大田 「えっ?」
近藤 「勝ったーーーーーー」
西川 「いやーナイスだね。」
近藤 「よく抑えたよな」
西川 「私だったら三者凡退させたけどな」
近藤 「もういいよ。それ」
鶴岡 ひっそりと上手へ去る
西川 「今日勝ったのはでかいな」
中谷 「いやーそうだよね」
西川 「ねぇわかってるの野球?」
中谷 「うん バットとボール」
大田 「あ、あのー」
中谷 「僕の名前は中谷翔平 知らないわけがない」
近藤 「名前は関係ないし 知らないのに一緒に喜んでたのか?」
中谷 「なんか喜んでいたり、笑ってるだけで楽しいからさ」
西川 「まぁ邪魔はしてないし」
中谷 「やっぱ僕 イケメンだから 仕方ないよ」
近藤 「もう君を 東京湾に沈ませたいよ」
中谷 「東京湾に沈めるとか 東京湾だけに ワーーーーン 
ワーーーーーーン
    悲しよ〜〜〜」
近藤 「よし沈めよう。」
近藤と西川 中谷を担いで外にだそうとする
呆然とする大田
近藤 「これで懲りたか〜」
中谷 「うえーーーーんうえーーーーんうぃーーーーん うえーん うぃーんうぃーん
機械がこわれました!」
近藤 西川「よしもう一回だな」
中谷 近藤 西川 上手へ去る
1人呆然とする大田
大田は恐る恐るがんばれ荘の中を物色し始める
下手から3人が戻ってくる
慌てる大田

中谷 「酷くない?」
西川 「酷くないよ 君が悪い」
中谷 「東京湾とは言わないけど荒川に入れようとしたよね?」
近藤 「うん!そだねー」
中谷 「否定してくれよ!」
近藤 「うん。まあ泳いでる鯖さんの餌になればと」
中谷 「酷いよ、僕だってさ、人権ぐらいあるんだよ~」
大田 「あの、すみません」
近藤 「どうしたの?」
中谷 「今途中なのに」
大田 「僕は今日からここでお世話になっていいんですかね?」
西川 「いいと思うよ 多分、部屋は102 細かいことは気にしなくて」
中谷 「ワカチコワカ〜」
西川 「住んでいけばわかるから」
近藤 「とりあえず 部屋はあっちだから」
大田 「あ、はい。」
近藤 「あとこいつ(中谷)うざかったら言ってね 抹消しておくから」
大田 「あ、はい。そしたら僕も部屋に行きます」
西川「そしたら私も部屋に戻るかな」
近藤 「そうだね私も部屋戻って仕事するわー 102号室案内するし、部屋隣だからよろしくね」
西川、中谷、大田
上手へ向かう
中谷 「えーーーーー みんな部屋戻るなんて悲しいよー うえーんうえーん ウエーーん」
暗転
中谷 「電気消すなよーーーーー」

続く


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