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なぜ「大退職時代」が起きたのか?

2021年以降、米国において記録的な数の自主退職者が出た現象を「大退職時代」と呼びました。

「彼らはもう職場に戻ってこない」とも言われましたが、一体なぜこんな大規模な退職が起こったのでしょうか?


大退職時代が起きたのは「5つのR」が原因?


ハーバードビジネスレビューによれば「5つのR」、すなわち「引退」(retirement)、「移住」(relocation)、「再考」(reconsideration)、「再配置」(reshuffling)、「消極性」(reluctance)が原因ではないかと言われています。

具体的に見てみましょう。

米国では、新型コロナウイルスの影響により、純粋に仕事を「引退」する労働者が増えました。その一方で、大規模な「移住」は起きていません。引っ越したとしても、同じ地域内を移動しただけで、以前と比べて人材が流動した訳ではなかったのです。

また、コロナの影響で自分の生き方を見つめ直し、家族との時間を大切にすることを「再考」する人々も増えました。仕事のあり方も考え直した人々も多いでしょう。特に男性よりも女性、高齢者よりも若年層がバーンアウトに陥った傾向が多いとされ、仕事を辞めるきっかけになったという指摘もあります。

これらの変化により、労働市場から完全に離れることなく、「再配置(転職)」する人々も少なくありませんでした。ただ、その転職は同じ業界の同じ仕事ではなく、別の仕事や別業界の転職が多かったというデータもあります。

また、こうした変化の影響で、仕事に対して「消極的」な姿勢を持つ人々も増えています。

こうした5つの要因が重なって、労働市場が変化したのです。


日本でも大退職時代は起きるのか?


気になるのは、こうした現象が日本でも起きているかどうかです。どうなのでしょうか?

今、結論を出すのは早急でしょう。ただ、いくつかの見解を見てみると、現段階では、米国ほどこうした現象は起こっていないという考えを示す方々が見受けられます。


■「大退職時代」は日本に訪れるか?(第一生命経済研究所さん)

https://www.dlri.co.jp/report/macro/174300.html

■ 欧米に到来した「大退職時代」 日本にも影響がある?(Indeedさん)
https://jp.indeed.com/lead/will-the-great-resignation-era-affect-japan


たしかにコロナの影響で離職者は増加しましたが、米国ほど職場に戻ってこないという傾向はみられないとされています。

ただし、大退職時代とは別に、人手不足の問題は未だに解決されていない課題です。国内の労働人口が減少する中、企業がどのように人材を確保するかは極めて重要な課題です。

この点については国家レベルで真剣に向き合う必要があるでしょう。

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