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問題は「行き過ぎた資本主義」ではなく、資本主義システムそのものだ――。

気候ケインズ主義の限界にきており #脱炭素化#経済成長 の両立は「幻想」だと言い切る #経済思想家 #斉藤幸平 さんの「人新世の『資本論』」という本が20万部を超えるヒット作となりました。

人類が直面する #気候危機 の克服に向けた道筋を描いています。

気候ケインズ主義とはなにか

気候ケインズ主義の限界というのがこの「人新世の『資本論』」の第2章のタイトルになっています 。この #気候ケインズ主義 とはどのような意味なのでしょうか。初めて見る言葉です。もしかしたらこの言葉を検索してここにたどり着いた人もいるかもしれません。

自分もこの言葉が気になり深掘りした一人です。

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この章では、脱炭素化と経済成長の両立は「幻想」だと言い切り、危機を解決する最善の道として新しい「 #脱成長 」論を提示しています。

気候ケインズ主義はこの章を読み解くうえで重要なワードです。

第1章の最後でこのように書かれています。

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もともとある学問の用語ではなく斉藤幸平さんがつくった用語のようです。

では、どのような意味か

 #小さな政府 では対応できないとしていることから、この気候ケインズ主義のケインズは #経済学者#ジョン・メイナード・ケインズ であると読み解けます。

『雇用・利子および貨幣の一般理論』

ケインズの著書『 #雇用・利子および貨幣の一般理論 』を#池上彰 さんが解説している動画があります。

マルクスは「 #資本主義 は格差を生み社会が崩壊する」と説きましたが、一方で、ケインズは「資本主義においても、政府が積極的に経済に介入することで、持続可能である」と説きました。

不況時には経済は #有効需要 を生み出すために政府は積極的に財政に介入すべきだとする #大きな政府です。

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つまり国は、不景気の時は積極的に借金をして、公共事業に支出し、雇用を生み出します。雇用が生まれれば、国民の給与が上がりますから、税収入が増えます。その増えた税収入で借金を返せばいいと考えたわけです。

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いまではあたりまえになっているこのシステムはケインズが打ち出したものです。

国が介入して雇用を生み出すケインズ主義

現在、 #ガソリン自動車 が世界中で膨大な量の #二酸化炭素 を排出しているのは間違ありません。

だからこそ、低炭素車両を導入する緊急性は高いし、国はそのための積極的支援を行うべきです。  

もしガソリン自動車をすべて #電気自動車 に置き換えるなら、巨大な新市場と雇用が生まれます。それによって、 #気候危機#経済危機 も解決されます。

これぞ、 #気候ケインズ主義 の理想形といえます。

しかし、そう甘い話ではありません。

現在の対策は #経済成長 して技術を発展させ、その技術で対処するという考え方が主流です。しかし、 #経済成長 が続く限り、二酸化炭素の削減は間に合いません。

#気候ケインズ主義 は限界に来ているということです。

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脱成長という選択肢

問題は「行き過ぎた資本主義」ではなく、資本主義システムそのものだ――。

資本主義による経済成長外の道があると示しています。


欧州の #グレタ・トゥーンベリ さんたちが求めている「 #新しいシステム 」に対する、明確なメッセージといえます。つまり #資本主義 ではない別の経済システムが可能であることを斉藤幸平さんは打ち出しています。

気候危機を克服を打出す「人新世の『資本論』」

#脱炭素化#経済成長 の両立は「幻想」だと言い切る #経済思想家 #斉藤幸平 さんは「人新世の『資本論』」で人類が直面する #気候危機 の克服に向けた道筋を描いています。

#中田敦彦 さんが動画でも解説してくれてます。

見ていただければわかると思いますが、使われている用語が難しいです。

 #人新世 という用語は #地質学 の言葉であり、資本論は #経済学 における名著であり、解決すべき気候変動問題については #環境学  と、ありとあらゆる知識がないと読めない難しい内容でいっぱいです。

「かつてカール・マルクスが、資本主義の辛い現実が引き起こす苦悩を和らげる「宗教」を『大衆のアヘン』だと批判したことになぞらえて、「SDGsはまさに現代版『大衆のアヘン』である」

冒頭の文章だけでも #SDGs が何かわかっていないと読みにくそうなので、SDGsについてまとめました。

またカール・マルクスの #資本論 の書かれた背景や資本主義が取り入れられてきた流れも前提として知っていないと読みにくいと思い、#資本主義 をめぐる #経済思想 についてもまとめました。

 #脱炭素社会 がはじまるきっかけとなった #気候変動 問題の流れなどもまとめました。

中田敦彦さんは #人新世の資本論 とは環境破壊の時代における資本主義批判という意味だとしています。

環境破壊をとめるには資本主義をやめるしかないというのがこの本の本質としています。 

動画の最後において、市民のうちの3.5%による非暴力的方法で社会を動かすことができたという例があるといっています。

このままの #SDGs や #クリーンニューディール でいくと、 #クリーンビジネス をやろうとした企業やそれを先取りした国家だけが利益を先取りして、最終的に気候変動はとまらず、安全な施設や安全なエリアにそういう人たちだけが逃げ切って終わるだけの #ディストピア が待っていますよと続けています。

だから、我々は無力であるということを自覚したうえで、もう一度、勉強して声をあげてみませんか、と呼びかけてくれている本だと紹介して締めくくっています。

知識を深めて新しい社会をつくりたくなる一冊です。

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2021/5/16追記 構成変更

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