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#くらしのスケッチ
値引きのシールを貼り替える
スーパーで妻と息子と買い物をしていた。
「これ、ちょっと高いね」と妻が言うので、僕は「このシール貼ろうか?」と別の商品についている値引きのシールを指差した。
妻が「ちょっとお客様…」と肩を叩いてくる店員さんの真似をする。
僕は「えっーと、私にはですね、よく似た兄がおりまして、もしかしたら彼がやったのかもしれません」と応じた。
小芝居はそこで終わったが、僕の頭の中では実際に兄を呼び出す妄想が
もし僕が神様だったら
ある日の職場の宴席でのこと。
おでんが美味しいお店だった。
僕はこれまでの仕事人生では、いつも素晴らしい上司、同僚、部下たちに恵まれてきた。
もう30代になった独身女子の部下。とてもいい人。
職場には30代、40代の独身女性が増えてきた。真面目な、素敵な人ばかりだ。男はしょーもない奴でもおおむね既婚。僕とか。
心から、幸せになってほしいなあ、と思う。
早く結婚できたらいいね、という意味
マルクスでエエんですか?
自分の内面を見つめるというのは、気が進まないものだ。
見れば見るほど、ろくなものではない。
だから、大学生の頃、私は自分の内面を見つめるのはもうやめることにした。
私にはたぶん、優しさとか思いやりとか、そういった、人として大切な「良きこころ」が欠落している。
しかし、お前の人格など社会全体から見ればどうでもよいこと。
「かれらがなんであるかは、かれらの生産と、すなわちかれらがなにを生産し
心に夢のタマゴを持とう / 小柴昌俊
人で溢れた街。高層ビル群の合間を縫うように歩く。
小さな海辺の町に生まれた子供は、こんな生活をする日が来るとは夢にも思わなかった。
というより何も考えていなかった。
昔から「何々になりたい」という明確な目標はあまりなく、何となく生きてきた。
ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊先生がおっしゃっていた「夢のタマゴ」理論を思い出す。
明確な目標がなくてもいいから、自分の中でのキーワードを決めて
要は、バランスなんだよな
これは簡単に言ってはいけない魔法の言葉である。
『8時だョ!全員集合』の金ダライのようなものだ。この言葉を使うと全てが強制終了する。再起動にも時間がかかる。
昔から、ズケズケとものを言う人間になりたいと思っていた。
「鼻毛出てますよ。」
「チャック開いてますよ。」
「クリーニングのタグが付いたままですよ。」
「サイズのシールが付いたままですよ。」
誰も指摘してくれないようなことを指摘してあ
ギザギザハートの無頼漢
「あんたも早う結婚したらええで。守るもんができたら仕事に張り合いができるさかいな」
昔、赤坂の喫茶店で上司に言われた。
2007年頃。僕が荒んでギザギザハートの無頼漢だった頃の話だ。
上司なりに心配してくれたんだな。
ただ、こういう言葉は誰もがどこかで聞いたことのある、手垢にまみれたもので、当時は、
(仕事に張り合いを出すために結婚するなんて目的がおかしくないか?)と思ったものだった。
マジョリティになりたいか
「俺はマジョリティになりたいんや!」
…生まれて初めて聞く言語表現だった。
僕は、友人のこのあまりにストレートな独白に衝撃を受けた。
「A男やB郎やC助みたいに、結婚して、子供作って、家買って。俺はみんなと同じことがしたい!」
でもさ、結婚してもいいことばかりじゃないぞ。家族が増えるとそれだけ不安も増える。病気とかさ。子供だって、簡単にできるもんじゃないぞ。
独りならさ、何かあっても自分