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「辛そうだよ」


「少し休んだら?」

と仕事の休憩時間で家に帰ったら母親に言われた。

「なんで?」

「辛そうだよ。辛そうに見える」

「今までの人生で辛くなかった時なんか無かったよ」

乾いた笑みを浮かべながら食事の支度をする。

「何がそんなに辛いの?」

「全部。昔から他人とズレてて、そのズレを出してはいけないと他人の思想や感情をマニュアルの様に真似ていたら本当の自分が分からなくなった。普通じゃないから社会で生きているだけでストレスが溜まる」

「それじゃあ何しても辛いじゃん」

「そうだよ。だからもう諦めて1秒でも速く死ねばいいのにと思いながら生きてる」

「あはは」

何故か母親は笑った。

今日は数十分遅刻した。昨日自殺しようと眠剤をこれでもかと飲んで湯船に浸かったが眠れず、無理やり溺れようとしても結局ダメだった。そして諦めて寝たので起きた時身体が重くて、常にふらつきと眠気があってとてもしんどかった。
二度寝したら母親に遅刻だと勤務開始時間に起こされ、僕はその時理不尽にも「なんでその数十分前に起こさねえんだよ」と思ってしまった。

「仕事行くの?行かないの?」

という質問に対し

「行くよ!!!行くしかねえだろ!!!」

と叫びながら準備をして家を出た。今日は管理人が居らず「全然平気だよ〜」という空気だったが、なんだかもう呆れられている気がした。
 
もう嫌だ。何もしたくない。金が欲しい。そんなくだらない要望ばかり出てくる。僕は今の仕事を辞めたいのかすら分からない。自分が完全に分からない。コロナの後遺症で嗅覚も完全に無くなり、余計に感受性が乏しくなっていく。人に強く当たるようになっていく。久しぶりに手首を切る。

疲れた。疲れた。疲れた。もう許してくれないか。夏だが既に秋が来てる。心をください。死ぬ勇気をください。

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