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7日目/僕が僕であるために本屋を開くための道のり

どんな本屋を目指すのか。


 

 坂口恭平さんのような人に寄り添った書店にするためには場が必要な気がします。それは実際の場でもいいし、オンラインでもいいと思うし。とにかく、場が必要です。

 そして、その場に人がずっと居たいと思わなければなりません。本を見てすぐに出るというよりも。本を見ながら、広島の誇りである、レモンサワーと牡蠣を食べ、店員やお客さんがコミュニケーションを取る。そんな本とお酒の店があると素敵な気がします。これは1つの案に過ぎませんが。今、すごくこの本屋に行ってみたいと思いました。

 ただ、一方で、坂口恭平さんがやってる、いのっちの電話に、電話をかける人はお店にやってくる元気すらないかもしれません。その方のためには、オンラインで選書をする、プラス、手紙でやりとりをするのがいい案かもしれません。

以前、坂口恭平さんはメールでやりとりをしていて、一人の相談者が命を絶ってしまった。だから、メールではなく、電話で声を聞くことにしたと言っていました。

 メールという電子的で、ある種閉鎖的なツールでのやりとりがよくないのかもしれません。沈んだ心が上がってこないのかもしれません。手紙なら、自分で筆を取り、漢字が出てこなくても、スマホや辞書で調べながら、自分の手でしっかり文字を残せます。いいアウトプットになると思います。なんでも、現代の最新技術を使うことを辞め、完全に原始的に立ち返らないまでも、少し過去のものを借りる。そんなアウトプットが心にうまく作用するような気がします。少しずつ、字が綺麗になっていったら楽しいし、生きる力になりますよ。きっと。

 文明が発展すればするほど、人間が何もしなくても良くなっています。なんでもかんでも自動になると、人間は必要なくなってしまいます。あの有名な絵本『おおきなかぶ』のように猫の手も借りたくなるぐらいの方が、人間は上手に生きれるのかもしれませんね。

 だから手紙でやりとりをしながら、その人に合った選書ができれば、自分もお客さんも楽しいと思うんです。
 
 今日は場について話しました。

最後に一冊本を紹介して終わりにします。

キャッチャー・イン・ザ・ライ』J.D.サリンジャーの小説です。題名の意味は「ライ麦畑でつかまえて」です。村上春樹さんも愛読していて、『ノルウェーの森』にも出てきます。『ノルウェーの森』の題名はビートルズの楽曲「Norwegian Wood」の意訳です。音楽や、色々な文化のつながりを見つけるのも本の楽しみですね。

中身の紹介なんですが、簡単に言うと中二病の少年が、勘違いを繰り返しながらも、社会とのつながりを探していく物語です。主人公の名前はホールデン・ゴールフィールド。序盤は彼の意気地のなさや、自惚れ屋な部分にうんざりします。読むのやめようかなと思ったほどです。でも、それでも読み進めていくと、彼の純粋で澄んでいる心に出会えます。そして、前向きになれる小説だと思っています。

 ただ、この本はすこしよくない影響を人間に及ぼすとも言われています。ビートルズのジョン・レノンは当分前に射殺されていますが、ジョン・レノンを射殺した犯人は犯行時に『ライ麦畑でつかまえて』を持っていて、射殺後に座り込んで、この本をしばらく読んでいたそうです。

 本は読む当人の捉え方、感じ方がとても大切だと思いました。そして、一冊に心を委ねるのではなく、いろいろな本を読んで、いろいろな視点を持つことも。そして、いろいろな人とお話しをすることも。

 本を読むだけでなく、その本の背景や生い立ちを調べてみることで、さらに色んなものに出会えるなと思った一冊でした。

おしまい!

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