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詩集

26
たまに詩を書きます。
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#身体

存在|詩

存在|詩

食べたいから生きる
生きたいから食べる
食べるよろこびは
身体がよく知っている

笑わないと
心が死んでしまうから笑う
死にたくはないけど
死ぬほど笑いたい

聴くから音楽になるし
音に浸りたくて
溺れたくて
心を洗いたくて聴く

時折
自分でも驚くほど
静かに
心を救うように泣く

いつもの自分を保つため
なくてはならないものだから

美味しく幸せに食べて
笑えるだけ笑って
音楽を聴いて
しとし

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こもれび|詩

こもれび|詩

今月も山へ足を運んだ
木漏れ日に包まれながら
歩く心地よさを知っている

立ち止まって見上げるたび
深呼吸をしたくなる

風がそよいで表情を変える
やわらかさ

そういうさりげない
やさしさのようなものに
同じ星にいる生き物として
惹かれてしまう

ぐったりと夜|詩

ぐったりと夜|詩

こんな日もある
気を酷使したときだ
気を張りすぎたり
気を遣いすぎたりして

残るはぐつぐつと悶々と
考えすぎる身体だけ

どこまでいっても
変えられるのは自分だけ
ぐつぐつぐるぐる悩んで
結局そこへ着地する

自分のためのやさしい余白を
残しておくコツが
いまいちつかめないまま

使い果てた身を
ぐずぐずと家へ運ぶ

辛うじて残った気持ちで
いつもあまり買わない
お気に入りの葡萄ジュースを買った

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