職場にアートを、学校にアートを、人に笑顔を、全国にワクワク挑戦する場を♪
最近、アートが話題だが一過性で終わってしまったり、その効果に疑問を感じていたりする人も多い。アートを使った研修をする側として、「アートをビジネスに実装するうえで欠かせない視点~イノベーション創出を期待する前に必要なこと~」をお伝えしてみたい。
端的に言えば、今、アートが注目されるのはアートで感性を磨くことでイノベーション創出に繋がるのではないかという漠たる期待からだろう。
ただ、イノベーション創出に至るまでにはプロセスがある。アートでできること/できないこともある。これらの認識の違いはアートをビジネスに実装するうえで障害になると思う。
イノベーションは頻繁に/簡単に起こらないからこそイノベーティブ(革新的)と言える。ゆえにアート鑑賞をしてすぐにイノベーション創出に繋がるわけでは無論ない。
一方で、「イノベーションを起こす」ことに躍起になる割に「イノベーションが自然に起こりやすい」環境をつくっている企業、組織は意外と少ない。
イノベーションが自然に起こりやすい環境とはどのようなものか?
一言でいえば自由で創造性を刺激するような環境と言えるだろう。
近年、大手企業でもベンチャー企業を模してオフィス環境や服装を変えてきている。ではTシャツを着たら急にイノベーティブになれるか、豊かな創造性を発揮できるかというとそうでもない。
形から入ることが悪いわけではないが、肝心なことを見落とすと効果は産まれにくい。肝心なこととは何か?
それは人の間にある「心理」だろう。人は本能的に自分を守り、リスクを恐れる。
こんなことを言ったら/やったら怒られるのではないか、馬鹿にされるのではないか、否定される、低い評価や罰則を受けるのではないか、そのような心理的不安を抱える場では人は無意識or意識的に自由な言動を控える。
心理的に安全な場(心理的安全性)が創られて初めて人は自由に発言、質問、突飛なアイデアの披露という積極的なリスクを取る(ART:Active Risk Taking)挑戦をすることができる。
「心理的安全性」を担保したからといって必ずイノベーションが起きるわけではないが、心理的安全性がない場からはイノベーティブな事業創造、それに繋がるビジネスアイデア、豊かな発想も生まれない。
心理的安全性はイノベーション創出の十分条件ではないが必要条件ではあると言ってよいのではないか?すでにこうした研究も進んでいる。
心理的に安全な場がオープンマインドへの変化、コミュニケーションの良化、フラットな関係性の構築を促す。これらは発想や創造に繋がる土壌となる。
アートをビジネスに活用する最初の意義がこの土壌づくりだ。
アートを飾ったからといって心理的安全性が勝手に作られるわけではない。適切なアートを選び、心理的安全性を醸成するのが「アート・コンシェルジュ」だ。
用いるアートも何でも良いわけではない。
巨匠のアートでは美術の知見の有無や固定観念がオープンマインドやフラットな関係性の構築を邪魔する。
誰も知らない、誰の評価もついていない、自由で独創的なアートが人の心をオープンに、自由にする。
土壌が悪いまま何かを植えようとしても種は芽を出さないし、苗も根付かない。土壌をつくり、定期的に手を入れる。そうしてようやく潜在能力が引き出される土壌が出来上がる。
創造性とはまさに人間の潜在能力から産まれるものだろう。AIと共存する時代はますます人間のもつ潜在能力を顕在化することが求められる。
ここからは筆者(T&Iアソシエイツ代表)がフクフクプラスと連携して提供する研修プログラムのご紹介になるのをお許し願いたい。
T&Iアソシエイツではアート+αで潜在能力を引き出すプログラムをご用意している。これは土壌づくりから植物が成長するまでのご支援をするものである。
研修では障がいのあるアーティストが描いた誰も知らない、自由で独創的なアートを企業や学校に持ち込む。
このアートはレンタルも行っており、定期的にアートを交換する。
アート交換時に土壌の手入れと種や苗の状況に合った研修をプログラムとしてご提供する。こうした丁寧な積み上げによって豊かな土壌づくりと植物の成長に繋げるというものである。
T&Iアソシエイツがアートをビジネスに実装する第一歩は「心理的安全性」から始まる。アートはいろんな経営課題の解決に繋げる入り口となる。
しかし、アートだけでは足りないところもある。ゆえにアート+αで設計する必要がある。
なお、この研修プログラムおよびアート・レンタルの収益の一部は障がいのあるアーティストに還元される。
※以下もご参照頂ければ幸いです。