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『 マリアビートル / 伊坂幸太郎(著)』

連休中に読んだ「殺し屋シリーズ3部作」の記録。

グラスホッパーの次は『マリアビートル』
3部作の中でいちばん分厚い、572ページ。ちなみにこの作品、ブラット・ピット主演でハリウッドで映画化されるみたい。

『マリアビートル』

●一度あることは二度ある、二度あることは三度ある、となれば三度あれば四度あるのだから、一度あることは永遠と続く、と言うべきではないか

●『われわれは滅びゆく、おのおの一人にて』
いいか、人はみんな滅ぶ。ひとりきりで、だ

●人間には自己正当化が必要なのだ。
自分は正しく、強く、価値のある人間だ、と思わずには生きていられない。だから、自分の言動が、その自己認識とかけ離れた時、その矛盾を解消するために言い訳を探し出す。

●人間が同調しやすくなるのは、以下のパターンだという。
「その判断がとても重要で、しかも、正解がはっきりしない、答えにくいもの」の場合だ。その時、人は、他人の意見に同調しやすくなる。
答えが分かりやすいものの場合は問題ない。人は自分の答えを信じられる。
判断の結果がさほど重要ではない問いについても、大丈夫だ。気軽に、自分の答えを口にできる。

●人は、まだ道があると分かっている限りは、それほど自棄(やけ)は起こさない。

●恐怖で集団を統率していくと、それがうまく行けば行くほど、集団を構成する末端の人間たち同士はお互いを信用しなくなる。

●人間は理性じゃなくて、直感で行動する。そして、自分の意思で何かを決断しているように見えても、まわりの人間から刺激や影響を受けている。

●「『自分の好きなように行動していいですよ』と言われたら、まずどうするか分かる?他の人をうかがうんだよ」
「好きに行動していい、と言われたのに、だよ。自由意思で行動していいのに、他人を気にするんだ。特に、『正解がはっきりしなくて、重要な問題』ほど、人は他人の答えを真似する。可笑しいでしょ。でもね、人はそうできている」

●「われわれは滅びゆく、おのおの一人にて」
共有した時間がいくらあろうと、消える時はそれぞれ、一人ずつだ。

東北新幹線の中で繰り広げられる物語。3部作の中で、個人的にはいちばんTHE伊坂幸太郎 小説だと感じた作品。読み終えたときに、デビュー作『オーデュポンの祈り』を思い出してまた読みたくなりましたとさ。伊坂さんループ、あるある!

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読んでくれて、ありがとう。



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