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『 首折り男のための協奏曲 / 伊坂幸太郎(著)』

週末、とても久しぶりに小説を読んだ。実家への往復時間のおともに、横浜駅の有隣堂で買ったのは『 首折り男のための協奏曲 / 伊坂幸太郎(著)』

自分のnoteで確認をしたら、小説を読んだのは2019年11月ぶりのようで。なんとまぁ。。。前回読んだのは、伊坂さんの『 サブマリン 』らしい。

一つひとつの物語の伏線が、ラストで一気に回収されるのだと信じて疑わずに読み進めたら、7つの短編集だったことを読み終えてから知る(笑)

でも、それくらい夢中で読み進めたし、久しぶりに伊坂ワールドへ浸ることができて楽しかった。やっぱり小説っていいなぁ。

一番最後の短編、「合コンの話」という物語の会話が好きだった。

「戦争や事件や事故や病気や絶えずどこかにあって、泣いている親たち、
悲しんでいる子供たち、そういった人でたぶん世の中は溢れているんですけど、僕たちは自分の時間を、自分の人生を、自分の仕事をちゃんとやることしができないような気がします。もちろん、自分のことだけでいい、とか、
よそのことなんて知らない、と開き直ってしまうのは違うと思うんですけど」
「じゃあどうすればいいのよ」

「どうすればいいかは分からないので、いろんなことにくよくよしてくしかないです」
「ある作曲家が死ぬ前に言っていたそうですよ。『人はそれぞれ、与えられた譜面を必死に、演奏することしかできないし、そうするしかない。隣の譜面を覗く余裕もない。自分の譜面を演奏しながら、他人もうまく演奏できればいいな、と祈るだけだ』と子供たちに言い残したそうです」

与えられた譜面を必死に、演奏する。
他の人もうまく演奏できればいいな、と祈る。

素敵なセリフ。そういう感じていきたいな。

読んでくれて、ありがとう。


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