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伝説のつるぎ 大熊健司
2023年12月10日 00:03
「普段ゲームとかあんまりしないんだけどさ、やっぱりいざやってみると楽しいね。」「お、英一もついにこの素晴らしさに気づいたか。」 日曜日、学校が休みということもあり、陽介と栄一は勇樹の家に遊びに来ていた。「九十九っちは普段あんまりゲームとかしないの?」「そうだねえ。あ、でも、僕兄貴がいるんだけど、10歳も歳離れてて。」「あの、芸人さんの?」「そうそう。」「もちろんまだ続けてるの?」「
2023年10月8日 00:15
「今日うち来ないか?」「待ってました。」 陽介は快諾した。ここ数日、勇樹はどうにも付き合いが悪かったが、陽介としてもその理由は分かっていたので、特段深く掘り下げることもしなかった。 そんなことがあった上での久しぶりのお誘いだった。「お邪魔しますー。」「おお、まあ今日は誰もいないから気にせんでくれ。」「はーい。」「早く早く。」 脱いだ靴を整えていた陽介を急かすように勇樹は言った
2021年7月25日 02:47
「そう、その調子。いいぞいいぞ。ああそう、そこで必殺技だ。」「ちょっとまっつん、うるさいってば。」「いいだろう、九十九くんは初心者なんだし。」(菅原くんはなんとなくイメージつくけど、松野くんにもこんな一面があるなんて。)英一は二人の、まるで子供同士の喧嘩のようなやり取りを見て、ほほえましい気持ちになった。「九十九くん、ボーッとしないで。」「ああごめんごめん。」「ほら今だよ。」「うん
2021年7月18日 00:46
「えー、待って待って待って!」 人は極限状態でこそ、本当の顔をのぞかせる。完全に追い込まれてしまった陽介になす術はなかった。「よし、俺の勝ちだな。」「まっつん、強すぎるよ。」「本当、松野くん強いね。なんかこういうの得意なイメージなかったから意外かも。」「九十九っち、こう見えてね、まっつんは昔からゲームが得意なんだよ。」「へえ、すごいね。」 ゲームを始めてから一時間ほど、英一もようやく
2021年3月21日 00:00
授業が終わって生物準備室に戻り扉を開けると、そこにはすでに先客がいた。「早くないか。」「ちょっと早く終わったんだよね。」「そうか。」 会話が止まる。「直先生、可愛い生徒が遊びに来たのにその態度はなくない?」「大桃さん……」「ごめんってば、樽井先生。」 僕は少しため息をついてから彼女に尋ねた。「で、今日はどうかしましたか?」「お医者さんみたい。」 大桃さんは笑いながらそう言っ