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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2023年1月の記事一覧

冬。寒さが身体に染み入るこの季節。
朝布団から出ることすらも阻まれ、出来るならその日の予定など全て亡きものとしてずっとこの温もりに浸っていたい。そんなことを朝から思う、人をダメにする季節。
そうだ、動物だって冬眠するのだ。本来人間も動物であるんだから、これは生物として真っ当な感覚なのである。
まあそんなことをいかに正当化しようとしたところで、それが社会に通ずるわけもなく、もちろんいつも通り、名残惜

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ロッククライム

「二人の趣味は何なの?」
 彩世はオシャレなカップに入った紅茶を飲んでからそう尋ねた。
「趣味か……」
「私はやっぱり、チェスかな。」
「あ、そうだよ。同好会立ち上げたくらいだもんね。」
「うん。」
 命は少し照れ臭そうに返事した。
「やっぱりチェスって面白いんだ。」
「うん、一見難しくてとっつきにくそうに見えるけど、意外とルールを覚えちゃえば簡単で、でもそこから強くなろうとするとやっぱり難しくて

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輪行袋

「いらっしゃいませー!」
 彩世は家の扉を開けると、ほのかと命(みこと)にそう言った。
「お、お邪魔します。」
「失礼します。」
「何、緊張してない?」
「そりゃあろそうよ。」
「うん。」
「大丈夫だって。今日はママも出かけちゃっていないし、自分の家だと思ってくつろいじゃってよ。」
 彩世のこの圧倒的陽の気にはいつも充てられていたが、今日は自分がいつも以上に陰な分、ただただ圧倒されてしまった。

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爪切り

辺りは赤い夕焼けに照らされた放課後、好奇心旺盛な若者たちが野に放たれる。
今日したことが未来のためになるなんて思ってないが、それでもいい。
何もしてないじゃないかと言われても構わない。何もしないをしてるのだ。
そんな若者たちは色々なところに顔を出す。
部活動や勉学に精を出すものもいよう。アミューズメント施設で楽しむものもいよう。ファミレスやカフェなんかで友達と話すものもいよう。
やはり学生が多い街

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