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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2021年6月の記事一覧

決まり手

「清志、今日の見たか?」
「今日の。何をですか?」
「何をって、今場所の千秋楽だよ。」
「今場所の千秋楽……あ、相撲ですか。」
「そうだよ。」
「すいません、見てないです。」
「はあ、これだから最近の若いもんは。」
 竜さんは深いため息を漏らしながらそう言った。
「すいません。」
「いいか、相撲ってのは日本の国技だ。」
「はい。」
「昔はな、神事、まあつまり神前での祈りだったり、神様にお伺いを立て

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どんどん焼き

「いやあ結構歌ったなあ。」
「そうだな。」
 俊作と俺は久しぶりにカラオケに来ていた。
「お腹減ったし、飯でも食うか。」
「もうそんな時間なんだ。」
 スマホを見て驚く。結構長いこと歌っていたみたいだ。フリータイムで入るとついつい時間間隔を失ってしまう。
「やっぱり、ラーメンか?」
「まあそうだね。」
 大学生男子が二人集まれば飯がラーメンになってしまうのは、最早自然の摂理である。
「あれ、今川焼

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ラード

「松野くん、一緒に帰らないか?」
そう声をかけてきたのは、クラスメイトの九十九英一(つくも)だった。
「ああ、もちろん。」
俺は当然のように了承した。

彼と知り合ったのは、高校の入学式の日だった。彼は、俺と陽介が廊下で話しているのを見て、話しかけてきたのだった。
「はじめまして。」
声のする方を見ると、そこには、身長は平均よりやや高いくらいだが、とても恰幅のいい眼鏡をかけた男が立っていた。
「僕

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胃カメラ

「勇作さん、おかえりなさい。」
 母さんは涙ぐみながらそう言った。
「ただいま。亜寿美さん、勇樹。」
 父さんも涙ぐんでいる。
 先に言っておくが、別に父さんはどこか遠くに行っていたわけではない。会社帰りではあるが、さすがに毎日こんな風に出迎えるほど、変わり者な夫婦でもない。まあ確かに変わり者な夫婦ではあるのだが。
「再検査の結果、何とか正常値に近づけることができたよ。これもひとえに、いつも献立を

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