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おもてなしの心

おはようございます。
今年2回目の記事です。

琉球ごはん 料理家の瑞樹です。

昨日の記事にスキをありがとうございました。

沖縄県那覇市に「辻 」という場所があります。
「つじ」と読みますが、方言では「ちーじ」と読まれます。

昔の辻(那覇市歴史博物館所蔵からの転載)

まだ沖縄に王様がいた時代から戦後まで、食事や芸能を楽しむ華やかな街でした。

辻では、多くの女性が活躍していました。

彼女達は、伝統の琉球舞踊を仕込まれ、宮廷料理人を通じて学んだ華やかな料理と、場に応じた昔ながらの料理で温かく客をもてなしていたそうです。

宮廷の包丁人から学び、料理の腕を磨いていた彼女らの料理は、かなりレベルの高いもので、政財界や教育界のあらゆる人が集い、舌鼓を打っていたそうです。

そして、それは庶民の間にも広まり、沖縄の食文化の形成にも大きな影響を及ぼしました。

ていねいにだしをとる
食材は形を揃えて切る

沖縄の料理には今でも「おもてなしの心」が詰まっています。

話は変わり、祖母はこの半年間、床に伏しています。

意識はないので(家族から見るとあるときもある)、体を動かすこと、言葉を発すことさえもできません。

身内自慢になりますが、祖母は本当に料理上手でした。

ジューシー、中身汁、ごぼう巻き、クーブイリチー

祖母の作る料理は、しっかりと骨格のある味付けで、身体にも優しい。しみじみするおいしさでした。

最後に食べたのは10年前になります。

「ばあちゃん、おいしい」というと、とても嬉しそうににっこりと笑っていた祖母の顔が今でも忘れられません。

そんな祖母の料理は「辻仕込み」だということがわかりました。

辻のとある料亭の女将さんに可愛がられていた祖母。
礼儀や身の回りのこと、料理を女将さんに教わったそうなのです。ちゃんとだしをとる。ぼやけない味付け。

祖母の温かく、丁寧な料理の真ん中には確かなスキルと「おもてなしの心」があったんですね。

「おもてなしの心」は、豊かさには欠かせないものだと感じます。

誰かに強制されてできることではありませんし、お金があればできるということでもありません。

喜んでもらいたい、楽しんでもらいたい、お腹いっぱいになってもらいたい

そんな心を持てる事は、精神的なゆとり、時間的ゆとりがないと中々できないことです。

そんなおもてなしは、何かの形でまた帰ってくる。それがまた豊かさにつながるのかな、と感じます。

先日いただいた小豆のお味噌汁も
おもてなしの心が詰まったおいしさでした

Xは毎日呟いています♪

今日も食から人生を豊かに

そう思い過ごします。

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