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KARTEのABテストの実現方法に悩んでいる方に向けて

こんにちは、入社5年目の本橋です。
私はUXチームのデジマ(デジタルマーケティング)担当として活動しており、主にKARTEというツールの運用をするお仕事をしています。

KARTEとは「あらゆるサービスの顧客体験(CX)の向上が目指せるハイブリッド型Web接客ツール」です。私はかれこれ4年ほど使用しており、これまで100種類以上のWeb接客を実装してきました。

この記事では、KARTEで実施することになったABテストの実現方法に悩んでいる方に向けて、気づきやコツについてご紹介します。少しでも参考になれば幸いです。

ABテストとは?

WebマーケティングにおけるCRO(コンバージョン率を最適化)手法の一つであり、このコンバージョン率を最適化していく様々な工程の中の1つとも言えます。現在表示されている情報=Aパターンと、その情報に変更を加えたもの=Bパターンを用意し、どちらのパターンをユーザーに表示すると高いコンバージョン率を得られるか検証するために用いられています。

効果検証を見据えたABテストをするには

私はこれまでいくつかのツールを使用してきたのですが、KARTEはWeb接客ツールとしてだけでなく、ABテストツールとしても、個人的にですが一番使いやすく柔軟なツールだと思っています。

このKARTEをより活用したいと思っている方に向けて、私が実践して得た気づきやコツを3点ご紹介します。

1.分析しやすいアクション配信率を設定する
2.ページをまたいだ複数の施策を1つのWeb接客にまとめる
3.外部ツールに連携して分析する

1.分析しやすいアクション配信率を設定する

KARTEは、各Web接客内のアクション(施策)に配信率を設定することで、ABテストを実施することができます。

基本的には以下のように設定し、ABテストをしています。

  • アクション実施パターン(50%)

  • アクション未実施パターン(50%)

シンプルなABテスト例

また、アクションの実施・未実施の検証に加え、同時に複数のアクションも検証したい場合もあるので、そのような場合には以下のように設定しています。

  • アクション実施Aパターン(40%)

  • アクション実施Bパターン(40%)

  • アクション未実施パターン(20%)

複数パターンのABテスト例

アクションは合計で100%にする必要があるため、上記のように3パターン存在する場合は均等に割り振ることができません。この場合ですと、後のABテストの効果検証で数値を比較することを考えると、40%:40%:20%の配信率にすると良いかと思います。こうすることで、20%のパターンのCV数やページ遷移数などの数値を単純に2倍にするだけで他パターンと比較できますので、このような配信率にすることをおすすめします。

2.ページをまたいだ複数の施策を1つのWeb接客にまとめる

この記事をご覧の方で、複数のABテストを同期間で実施したことがある方はいらっしゃると思います。その際に、1人のユーザーに対してどちらのABテストでもWeb接客を表示させる、もしくは表示させないように統一したいという考えをお持ちだった方もいるのではないでしょうか?
KARTEでは、単発のABテストであれば問題ないのですが、複数のWeb接客で上記のように帳尻を合わせたABテストをすることは難しいです。(どちらかのWeb接客が起点となっている場合であれば可能です)

上記をどうしても実現したい場合ですが、Web接客AとWeb接客Bの内容を、1つのWeb接客内でまとめて実施するように設定することで解決できます。
具体的には、アクション実施パターンのJavaScriptの記述部分で、Web接客AとWeb接客Bのそれぞれの表示条件の処理を実装した上で、その条件内に各内容の処理を入れることで、Web接客Aが表示されたユーザーは、Web接客Bも表示されるようになります。(逆も然りです)
※上記設定については、JavaScriptの知見を持っていることが前提にはなります

実装イメージ

しかし、この方法だと効果検証画面にうまく結果が反映されないため、効果検証をする際にはクエリを用いて結果を確認しなければならないというデメリットがあります。
あくまでこの方法は非公式で良し悪しがあるので、このような悩みが公式で解決されたら嬉しいですね。

3.外部ツールに連携して分析する

KARTEを運用していて、KARTE管理画面上ではなく普段運用している分析ツールで効果検証をしたい方がいらっしゃると思います。
そこで、Google AnalyticsやAdobe Analyticsなどの外部分析ツールでWeb接客の結果を分析するための方法についてご紹介します。

これらの分析ツールはカスタムイベントと呼ばれる任意のイベントを送信する機能を持っているため、アクション内のJavaScriptを用いて、任意のタイミングでその処理を実装することで、分析ツール側に結果を送信することができます。

  • 表示数

  • ボタンクリック数

上記が分析に必要な最低限の情報だと思いますが、それぞれが認識できる名称のイベント名を付け、そのタイミングでイベントを送信することで、分析ツール側で上記の送信数を元に分析することができるようになります。

// Google Analyticsのカスタムイベント処理の例
gtag('event', 'karte_popup');

この場合に注意すべき点としては、アクション未実施のアクションはデフォルトで用意されている「未実施時」のアクションを使うのではなく、自分で用意する必要がある点です。
この理由としては、外部の分析ツールにABテストの結果を貯める際には、アクション未実施パターンのイベントも送信する必要があるためです。

また、イベント名についてですが、アクション実施のイベント名が”karte_popup”だとしたら、アクション未実施の方は”karte_popup_none”という名称にして区別する必要があります。これを同じ名称で送信してしまうと、分析ツール側だと合計のイベント送信数しかわからず、ABテストの分析ができなくなってしまうため注意しましょう。

最後に

ここまでABテスト関連の内容についてご紹介しましたが、KARTEは他にもBIツールやMAツールなどの様々な機能を持っています。日々アップデートしており、Web接客ツールという枠に収まらないツールになっています。

私はKARTEを最大限に活用することが、Webサイトまたはスマホアプリの改善に繋がると考えているので、この記事がKARTEを導入している方、もしくはKARTEにご興味を持っている方への後押しになれば嬉しいです。

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KARTEを導入してWeb接客を実施してみたい、もしくはKARTEを導入しているがあまり活用できていないという方のために、弊社にはKARTE導入・運用支援サービスがございます。

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