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俺たちのドウェイン・ジョンソン(ロック様)主演!隠れた傑作・珍作映画 四選



はじめに



 俳優のドウェイン・ジョンソン氏(以下ロック様※)が好きだ。
 暴力的なまでに肥大した筋肉と有無を言わさぬ表情の圧は、まるで全盛期のアーノルド・シュワルツェネッガー(以下シュワちゃん)のような凄みがある。アクションシーンの大暴れっぷりも、コメディシーンで見せるキュートな笑顔も華があって素敵だ。
 近年では「ジャングルクルーズ」ほか諸々のディズニー映画・「ワイルドスピード」シリーズ・「ジュマンジ」新シリーズ等で大活躍中のロック様。今やシュワちゃんやシルベスター・スタローンに次ぐ、新時代の筋肉アクションスターと呼んでも差し支えないだろう。


 残念ながらロック様の主演作は、多くの人に知られ大ヒットを記録したものばかりではない。映画レビューサイト大手のFirmarksを参考にしたところ、例えば初主演作「スコーピオンキング」の鑑賞者数は約5千人。最近の大ヒット作「モアナと伝説の海」は何と約10万人。これらはどちらも相当多い部類だ。
 しかし反面、鑑賞者数が千人に満たない作品もある。そんな作品群の中には、あまり観られていないのが気の毒なほど個性的な映画が潜んでいる。この度、一人のロック様ファンとしてそれらの布教活動を行いたい。


※プロレスラー時代のリングネーム(正確には“The Rock”)。



1、「ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン」(2003年)


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 絶対に銃を使わないというポリシーを持つ、凄腕の賞金稼ぎベック。マフィアに多額の借金をしていた彼はある日、マフィアのボスから「無事成功すれば自由にしてやる」という条件が付いた仕事を依頼される。それはアマゾンのジャングルで秘宝探しをしているボスの放蕩息子:トラビスを連れ戻せというものだった。

 渋々ジャングルへと向かいトラビスを発見したベック。しかしトラビスは「秘宝を手にするまで後少しだから」と一向に帰ろうとせず、ベックは彼に協力して秘宝を探すことにする。だが、その秘宝を狙っているのは彼らだけではなく、地元の独裁者やゲリラ組織と戦う破目になってしまう…。
Wikipediaより引用。一部改変。


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 映画出演三作目・主演二作目となった本作は、ロック様がジャングルで大暴れする傑作アクション映画である。「何度も聞いたような粗筋だな…」と思う方も多いだろう。今にして思えば、本作は「センターオブジアース2」「ジュマンジ」「ジャングルクルーズ」などの“ロック様ジャングルで大暴れシリーズ”第一弾ともいえる作品ではないだろうか。
 ロック様とジャングルの親和性の高さは、2003年の時点で既に発揮されていた。バトルやサバイバル等の娯楽要素が詰め込まれており、流し見する暇がないほどに楽しい。流石「バトルシップ」のピーター・バーグ監督!

 本作の白眉はロック様の覚醒──銃を使わないポリシーを持つ主人公が覚悟を決め、二丁ショットガンで無双する瞬間。“能ある鷹は爪を隠す”…とは少し異なるかもしれないが、全力を隠していた圧倒的強者が暴れるカタルシスは凄まじい。大爆発を背にスローで歩く場面はもはやギャグシーン。



2、「ワイルド・タウン 英雄伝説」(2004年)


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 米軍の特殊部隊を除隊したクリスは、久しぶりに懐かしの故郷へと足を踏み入れる。だが、そこで見た光景は、彼が知っている故郷とはまるで異なっていた。
 かつて製材業で栄えていた頃の面影はなくなり、今では白昼堂々ドラッグの売買が行われ、ギャンブルや風俗が町の顔になってしまっていた。しかも、それらを仕切っているのはかつての親友ジェイ。ジェイは警察とも癒着をしており、今では誰も彼に逆らうことができなかった。

 この惨状を見て怒りに燃えたクリスは町の保安官になることを決意。そして実際に保安官になったクリスは、角材片手に町の浄化を目指すのだった。
Wikipediaより引用。一部改変。


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 一見メチャクチャな内容に思えるが、何と本作は実話をベースにしている。もっと具体的に言えば、実話を基にした1973年の映画のリメイク作品である。詳しくはこちらをご参照あれ


 はっきり言って、本作は上記のあらすじ以上の要素はほとんど無い。しかしそれら魅せ方がとにかく上手いので、物足りなさを感じない。皆が期待する“ロック様大暴れ”もタメが効いており、「こいつらいい加減ボコボコにされてくれないかな…」と思うタイミングでやってくれるから最高だ。
 アクション一本調子にもなりすぎず、大暴れを見せてくれる後のテンポの良い省略演出がギャグとしても成立しており面白い。スタッフロール除いて70分ほどしかない短尺も素敵。短い時間でスッキリしたい方にお勧め。



3、「ゲーム・プラン」(2007年)


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 過去に熱く紹介したファミリー向けディズニー映画。詳しくは以下の該当記事をご参照下さい。

 個人的に本作はロック様作品史上指折りの傑作だと思っている。ディズニー+の加入者が増えているなら、もっと観て楽しんでくれる人が現れてもおかしくないはずだ。


4、「妖精ファイター」(2010年)


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 アイスホッケー選手のデレクは、相手チームプレイヤーの歯を飛ばすほどの荒れたプレイのせいで「トゥース・フェアリー※」とあだ名が付いている問題児。かつてのメジャー選手から堕落した彼は、希望や夢を諦め、子供たちが信じる“歯の妖精”などいないと暴言を吐いていた。

 ある日、そんな彼に、突然フェアリーランドから召喚状が届く。ムキムキの体に羽が生え、キラキラの衣装に包まれた彼は、1週間本物の妖精となって働くよう命じられたのだが……
dTVより引用。


 現時点でのFirmarks内閲覧者数…820人

 ロック様が妖精になってしまう本作は映画という名の狂気である。
 そんな出落ち系コメディー映画の本作は、書籍『シュワルツェネッガー主義』(著:てらさわホーク氏)によると、本来シュワちゃん主演の企画だったそうだ。巡り巡ってロック様に企画が回って来たらしい。
 それにしても…科学実験によりシュワちゃんが妊娠する「ジュニア」スタローンがオムツ姿を披露する「刑事ジョー ママにお手あげ」といった先例のように、名の知れたアクションスターは一度ぶっ飛んだ役を演じなければならないのだろうか?



 “ロック様が異文化に放り込まれ、子どもと絆を育み、本業での華々しい活躍を取り戻す”というプロットは、先に述べた「ゲーム・プラン」にかなり近い。だが正直なところ、「ゲーム・プラン」程に内容が練り込まれていない。(作中で成長するとはいえ)ロック様が演じる主人公のクズ度がかなり高く、この点も人を選ぶと思われる。なので本作は“傑作”ではなく“珍作”扱いとさせて頂きたい。
 しかし、決して見る価値が無いわけではない。妖精化するロック様などもう二度と観ることはできないだろう。ある意味貴重映像である。
 また、本作でロック様の相棒・親友となる妖精を演じたスティーブン・マーチャント氏は、後にロック様が本人役(かなり重要な役回り)で出演した実録系プロレスヒューマンドラマ映画「ファイティング・ファミリー」(2019)の監督・脚本を務めることになる。そういった点でも本作は、やはりロック様ファンにとって避けては通れぬ一本と言えるだろう。

 ※「トゥース・フェアリー(歯の妖精)」とは、抜けた乳歯をプレゼント(お金など)などに交換してくれる存在ある。善良な妖怪のようなものだろうか?


最後に



 ロック様主演作を挙げるとキリがないので、今回は四作品を紹介するに留める。今日の大活躍に至るまで、上記のような数々のB級作品に出演していたことを考えると凄く感慨深い。
 B級とはいえどれも見所がある作品なので、近年ロック様のファンになった方々には、是非とも過去に遡ってご覧になって頂きたい。


※なお、画像は全てAmazonより引用しました。


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