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妻がワガママを言ったら、夫が講談社イブニングで漫画連載デビューした話。


時は2020年1月。

コスプレ活動を引退してから数ヶ月。この時の私は心身ともに疲れて、完全なエネルギー切れ状態にあった。

「もう、働きたくない」とずっと思っていた。

でも今の夫の月収では、二人が暮らしていくのは難しいだろう。
こんなこと言ったらきっと負担になってしまう。
そんなことを考えて、なかなか夫に言い出せなかった。

ある日の夜、晩ごはんを食べた後に
今がタイミングだ!という気がして

ドキドキしながら、思い切って
自分の今の気持ちを正直に、伝えた。


私「順さん。私もう、しばらくのんびり過ごしたい。

働きたくない………!!!

あと!!!

今までずっと、自分の方が彼氏よりお金持ってて
お金貸したり、多めに出したりしてきて

男性を養いがちな人生だったので!!

一度でいいから!!
パートナーに養われる体験してみたいのーーーー!!!

………………というわけで、私を、養ってください!!!」

突然妻に「養ってくれ!」と告げられた

伝えたはいいけど、夫の月収を考えると難しいだろうな…!と私は思っていた。

でも夫は「二人分稼げる自信はまだないけど、、とりあえず、ゆみさんの望みを叶えられるよう頑張ってみるよ!」と言ってくれた。

その後すぐに夫は、

「編集の仕事、探してます!(夫はフリーランスの漫画編集者)」

とあちこちに声をかけて、
仕事を増やそうと頑張ってくれた。

そしたらその中で
夫が講談社に編集者として出向していた時代の先輩が

「イブニングの編集長に熊谷さん(夫)の話をしたら『講談社辞めて米作りやってる人がいるんだ!面白いね〜!俺、前から田舎暮らしに興味あったんだよね!話聞かせてよ!』って言われたんだよね。一回会ってみない?」

と連絡をくれ、夫は編集長に会いに行った。

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↑夫原作の漫画イナイセより

そこで

「会社を辞めて、夫婦で東京から千葉に移住して、
 米作りとか畑とかやってます。」

って話をしたら

「めっちゃ面白いね!!これ漫画にするのどう?ちょっと企画書書いてみてよ!」と編集長に言われ

物語なんて書いたこともないのに、笑
必死のパッチで(←関西だけか?)書いた企画書が奇跡的に通って

夫は原作者として商業誌デビューをして

「漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件」

というマンガが世に生まれました!!!

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すごくないですかこの流れ!?!?

妻「養って」

夫「まじか!二人分稼がねば!仕事増やそう」

各所に「編集の仕事ないですか」と声を掛ける

編集者としての仕事を探していたのに
なぜか「夫自身の人生」に興味を持たれ
自分の移住体験を元にストーリーを書いた

原作者デビュー!
マンガの連載が始まった!
収入もアップした!


それまではずっと、うちの夫婦は生活費を折半してた。

家賃も、光熱費も、食費も、

ぜんぶ半分こ。

夫は、

「自分一人分の生活費」

を稼いでいた。

私はそれを見て、

夫の稼ぎは夫一人分だから、
自分の分は自分で稼がねば家計は立ち行かない。

と思っていた。

それって裏を返すと

私が夫を「家族の分も稼げる人だ」と
その力がある人だと信じられていなかった、
そういう事でもある。

一人分しか稼げない人だと見ていた。

でも「自分のことは自分で」
と頼らないようにしていた時よりも

思い切って頼ってみた後の方が
なんだか自信がついたように見えるし
どーんと大黒柱感が出て
かっこいい夫になった。
(元々かっこよかったけどね、さらに)

夫の世界が、拡張した瞬間だった。

そして収入も増えて、
今は、家賃などの生活費は夫が出してくれている。

いやあ、世の中の妻のみなさん
夫にどんどんワガママ言った方がいい!

妻のワガママは、
夫のポテンシャルを引き出しちゃうと思います。

相手に愛とリスペクトを持っている上でのワガママ、
が大事だけれど。

でもさ、これ、私が

「養ってなんて言えない…仕事増やすの可愛そうだし…」

とか遠慮してたらさ、

なんと、イナイセ(『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』の略称です)という作品は世に生み出されなかったんですよ!!これは、なんたる損失!!!

というわけで


「自分の望みを素直に出してみたら、ミラクルが起きた!」


って話でした。


いや〜、夫婦って、ほんとうに面白いものですね!!😘

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◾︎夫クマガエ→@kumagaeagamuk
◾︎妻ルキノ→@noyumi
◾︎マンガ→イナイセ第一話(無料)

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