18分の3 ~7月編~

年間行事予定表が2枚目に移った7月。

初めに行ったのは全国模試だった。1年生のうちは3科目。模試に対して勉強するような人がいない私の高校では、マークシートに色塗りレベルの人が多かった。

夏休みを控えた7月に入り、45分日課が始まった。普段が50分日課であるから5分×6時間。つまり、30分早く帰れる計算だ。あくまでこれは計算であり、実質的には部活動時間が伸びただけであった。

私は茶道部に入部していた。あまり馴染めなかったが、同じように歌い手グループを推している人と仲良くなった。
お菓子を食べるのもお抹茶を飲むのも私には大変な事だった。
作法や順番など覚えることも多く、足は常に痺れていた記憶がある。
正直、楽しくはなかった。やめたいわけでもなかったが。

高校に入って初めての三者面談。母親と学校に来たのは入学式ブリッだったから少し、いや、三者面談で何を言われるかわからず、すごく緊張していた。下駄箱を越えて教室前での待機時間、落ち着かなかった。
だが、始まってみると大したことは言われず、夏休みの注意事項と、私の成績についてだけだった。毎朝配られる学習記録用紙に勉強の有無にかかわらず1時間と書いていた私は、担任に注意されるものと思っていたが、苦笑いされた後、家庭学習1時間ではこの成績は取れない。本当はもっと勉強しているのだろう。とフォローを入れてくれた。同意を求められたが、本当に1時間も勉強していない日のほうが多かったため、返答に困った。

終業式までの蒸し暑い日々を通り抜け、無事に夏休みに入った。夏季学習講座は開かれていたものの、学校まで片道1時間ということを考えると到底行く気にはならなかった。

夏休みが始まってからというものの、生活リズムは一気に崩れ、半昼夜逆転のような生活を送っていた。夏休みの課題はというと、私の性格もあり、夏休みが始まる前に8割がた終わっていた。特に好きな数学は、夏休みに入るときには2週目に入っていた。

すっかり推しにはまっていた私は、7月の終わりが推しの誕生日であることもあり、推しのイラストが乗ったホールケーキを作り、SNSに投稿した。予想をはるかに上回る出来であり、自分でも感心した。時間とお金はかかったものの、大好きな相手を目の前にすると関係なかった。最高に楽しかった。

夜寝る前になると苦しくなる日々は続いていたが、学校があるときに比べると少しはましだった。何よりも、朝起きた時の絶望感がなくなったことが、私を明るくさせていた。

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