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#創作

惡の華

惡の華

山の窪みに雪が積もっていて、それが無邪気に居座る構造物と届きそうにない冬空の間で、垣根のように聳えていた。
月や北極星のように、追いかけても、追いかけてもその距離は一向に縮まらない、雪の積もった山もそう思えるほどに人力が及ばない神聖なもののように感じた。荘厳さを常に漂わす山は四季によって様変わりする。夏の開放的で触れれそうなほどはっきりとした緑々しい感覚とは対になっている冬の山。構造物も山もそこか

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祝日

祝日

ドアが開くと、篭っていた水の流れる音が鮮明になる。

「ねえ、ちゃんと便座下げて出てきてよ」

「ごめんごめん、あ〜腹痛え」

彼がお腹を愛でるように摩りながらトイレから出てきた。

「だから昨日言ったじゃん、お腹壊すよって」

「それでもニンニク食べたかったんだから仕方ねえじゃん、今日休みだしお腹壊してもなんとかなるかなって」

昨晩仕事を終えた私たちは、祐天寺で集合してラーメンを食べに行った。

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淡くどうでも良い

淡くどうでも良い

淡く過ごしやすい夜になっていた
私をおいて万物と移っていった夏の背を追いかけた
逃げ水のように辿り着かなかった

人も建物も空気もすべて影を残し揶揄していた
毛量が多くうねった黒髪に反して、肌は白い
「気持ちの悪い」に制約されて過ごした

緩く吐き気を誘う風はいつの間にか、
次へと移っていった万物たちの跡に風が吹き込む
ノスタルジーと橙な麗らか

閉め切った窓が開き、

どこかの庭で犬が強く吠える

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雨は遅く、僕が連れていく

急な雨に降られた。私は小学校のグラウンドにいた。ナイターで照らされていて、その光がはみ出して周りの家々も明るかった。
奈落に浮かぶ島のよう。

光の先から急に雨が現れているようで、反射して落ちる雨は均等に遅く見てた。光の帳の中がそれでいっぱいになって流れていく。
土が徐々に濡れて色が濃くなって固まっていった。雨は強くなる一方だったので校舎の軒先へと移動した。

「これ止みますかね〜」

「雨雲レー

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ある処、

朝から蝉が鳴いている。
ジリジリと私の中に積もっていく。6Pチーズを二つ食べ三つ目を手にしているところ。まだ10本ほど残っているアイスキャンディーは全て液体になっていて、カラフルでシンプルなその箱は見るだけで気分が下がるほど濡れてしなっていた。
今朝、冷蔵庫が壊れていた。赤く腫れ日焼けのようにヒリヒリする瞼を思いっきりつねった。

 彼はよく嘘をつく人だった。
初めて友達の紹介で会った時彼に仕事を

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アウトロ

目を瞑って自分の内側に意識を持っていくとホームの雑踏が段々と消えていく。外側からの音は聞こえなくなったのに反して鼓動だけが体の中で共振し響いていた。低音が鳴り続く。
ドッ、ドッ、ドッ、ドッ。
ライブ会場で聴けるような良質なものではなく、車の足元を照らし爆音で走るアルファードのような響音。
この感覚をどこか知っていた。記憶が少しずつ鮮明になっていく。自分は水の中にいた。瞼の裏にその感覚を写す。プール

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このままいれるかな

変わってしまった暑さを明確に感じてしまったのはあの西日のせいだよ。

便りを出してそれが届くまでそわそわ、そわそわ。同じように待っていてくれればいいのかなんて地球はやっぱし自分を中心に回っている。

健気な水色の車が蒸すエンジン音とそれに吠えるフレンチブルドッグ。普通じゃいれないよ。君しか知らない手紙の折り方で、惑星探索の途中で。

GPSの仕組みは昔ならったピタゴラスの定理だって最近知ったからワ

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