脳内本屋さん

頭の中に本を積んでます。文章を読んだり書いたりする。

脳内本屋さん

頭の中に本を積んでます。文章を読んだり書いたりする。

マガジン

  • 読む記事

    読みたい記事をためたり見返したりする場所。

  • 読んだ本

    月に一度、本を読んで思ったことをまとめている。

  • エッセイメモ

    数ヶ月に一度、知人とテーマを決めてエッセイを書いている。発散した思考をおいておくための過程メモ。

  • 好きな展示

    行ってよかった展示をまとめている。 主観的な感想が主。

最近の記事

学びは等しく開かれているらしい

自分は小学校受験をしたので、幼稚園から塾に缶詰になって問題を解いていた。 幼稚園児なので、数式や文字を使った「勉学」ではないものの、イラストや図形を使って関数を示したり、算数の基礎的な概念は学んでいた。「1つのりんごを、この箱に通すと、4つのりんごになって出てくる」みたいにイメージしてもらえればよい。 私はこの関数の問題がかなり苦手だった。ルールがよく分からなかったのと、そのルールがほかの場所にも適用できるという概念が理解できなかったからである。 一方で、幼少期はよく本を読

    • 【読んだ】2月の本たち

      2月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。 マイテーマの探し方 ――探究学習ってどうやるの? (ちくまQブックス) /片岡 則夫初めてちくまQブックスシリーズを読んだ。小説ではない読書にチャレンジしやすいよう、短く、わかりやすく、本を読む自身をつけさせてくれるシリーズだである。知らないテーマに対して、最初の一歩となってくれるシリーズだと思うので、読書に抵抗がない人にももちろんおすすめしたい。 私はいわゆる「好きなことや特定の

      • 猫を描いたので

        絵を描くのがかなり苦手なのだが、写真を撮るのが好きで、自分が撮った写真を描いてみることが稀にある。 このnoteも愛着を沸かせたく、プロフィール用のいい写真がないかなと探していたところ、別府の銭湯で撮った猫たちを見つけたので描いてみる。 参考動画

        • 【読んだ】1月の本たち

          1月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。 スキップとローファー 8-9巻/高松美咲先月から読んでいる漫画の続きを最新刊まで購入した。 登場人物それぞれが各々の価値観を持っているが、違いから生じるちょっとしたズレを言語化するのがとても上手くて感動した。本当によく人のことを観察している作者なのだと思う。この人の作品を読んで、2024年はもっと周りを観察しようと思った。 おひとりさまホテル 3巻/マキ ヒロチ漫画の中にある以下の

        学びは等しく開かれているらしい

        マガジン

        • 読む記事
          25本
        • 読んだ本
          6本
        • エッセイメモ
          7本
        • 好きな展示
          1本

        記事

          【読んだ】12月の本たち

          12月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。 幸せになる勇気/岸見一郎身内に「愛を学ぶならこの本がおすすめ」と言われて半ば強制的に読んだ。 この本によると、誰かを愛することとは"決意であり決断であり約束である"そうで、本の中に書かれていた次の文章を読んでなるほど、と思った。 相手は何を考えているかな、何をしたら喜びそうかな、あれは好きそうかな、一緒に行ってみようと声をかけてみるか。そんな気持ちは持っていなかったかもしれないと思

          【読んだ】12月の本たち

          【読んだ】11月の本たち

          11月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことをを端的にまとめている。 キャロル/パトリシア・ハイスミス本の読める店fuzukueさんで開催された「会話のない読書会」で読んだ本。 自分はいわゆる一目惚れという体験をしたことがないのだが、この本ではその状況や人物の心情が細やかに描かれていて、追体験をした気持ちになる。 そういえば、女性に対して一目惚れする表現にはよく出会うが、男性に対する表現はあまり見ない、もしくは自分がスルーしていると思った。女性の一目惚れシーンは髪,

          【読んだ】11月の本たち

          【読んだ】10月の本たち

          10月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことを端的にまとめている。 これは水です/David FosterWallece著, 阿部重夫編David Foster Walleceというモダン文学作家が2005年Kenyon大学の卒業式で卒業生に向けて送ったスピーチ文章。 ひとつのメッセージを伝えているスピーチであるが、あえて具体に着目してみる。文中に、"日々の暮らしに無神論というものは存在せず、みんな何かを崇拝して生きている、我々に与えられた唯一の選択は、何を崇拝する

          【読んだ】10月の本たち

          愛着を定義しよう

          「愛着」について文章を書くことになったのに、「愛着」という言葉が自分の中にすとんと落ちてこない。 これは仕事でも遊びでもやっていることだが、まずは「愛着」の定義から始めてみる。 まずは自分が「愛着」を感じるもの, ことを出してみて、その理由を考察してみる。 私が「愛着」を持つもの, ことCanon G3X 一番に思い浮かんだのはかれこれ8年近く使っているCanonのカメラである。中学生のときに景色が澄んだ街に住んだことがきっかけで、空や街や動物にカメラを向けるようになっ

          愛着を定義しよう

          【読んだ】8月の本たち

          8月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことを端的にまとめている。 夏の庭/湯本香樹実"死"に興味を持った小学生が、近所に住む死にそうなおじいちゃんに張り付き死の瞬間を見ようとする、という話。小学生の時、読書感想文の推奨図書として選ばれていたものの、あらすじを読んでなかなか勇気が出ずに手に取れなかった本である。(私はおじいちゃんっ子であるため) 今読んでみると、小学生たちの気持ちだけでなく、おじいちゃんの立場になって考えることもできたのがよかったと思った。おじいちゃんに

          【読んだ】8月の本たち

          愛着について考えた初日

          ある言葉や概念を手にすると、その言葉に脳内を支配されるようになり、ある日突然日常の頻発用語と化す。 今日出てきた'愛着'はCanon g3xに対する愛着だった。 不便だけど自分だけが使えるもの、他の誰にも使いこなせないもの、私の色が出せるもの 不便さゆえの愛着であり執着。

          愛着について考えた初日

          【行った】「あ、共感とかじゃなくて。」@東京都現代美術館

          幼稚園に通っていたころ、泣いている子を見つけたら、隣に行って頭を撫でて優しくしてあげましょうという暗黙のルールがあった。一人が泣くとわらわらと園児が周りを取り囲み、「可哀想だね」と言いながら頭を撫で続けるという奇妙な行事だった。なぜその行動を取らねばならないかを聞いてみると「可哀想な子だから優しくしてあげないと」と先生に言われた。泣いていると可哀想な子になるのか、誰も何も知らないくせに何なんだ?と私は人よりも共感嫌いな人間に育った。 だからか、この展示を知ったときに、あ、そう

          【行った】「あ、共感とかじゃなくて。」@東京都現代美術館

          愛着というテーマでエッセイを書くことになった、という宣言

          愛着というテーマで文章を書くことになったものの(しかも自分が出したテーマ)、何も思い浮かばない。 なんだろうか愛着。

          愛着というテーマでエッセイを書くことになった、という宣言

          既読と覚悟は同義

          LINEの既読と覚悟は同義である。 LINEとは、自分と外界を繋ぐ橋のようなツールだ。インターネットの接続がなければ、誰とも繋がることがなく、文明や世界の成長など一切のノイズを無視して、自らの楽園に閉じこもることができる。地に足のつかない生活は、怠惰な休日, ぬるい恋人のような快適さと中毒性を含んでいて、第三者がその場に足を踏み入れて音を立てない限り、脅かされることがない。反対に怖いのは地に足をつけたその瞬間と、足をつけた地上で一生歩いていくことを自覚してしまったときである。

          既読と覚悟は同義

          旅行について

          旅行が好きだ、と言うと、大体「最近はどこに行ったか?」「おすすめはどこか?」と聞かれる。 その質問に答えると、大抵の場合驚かれる。いわゆる観光地の名前を出さないからである。そして、皆決まってこう言う。 「そこには何があるの?」と。 何か特定のものを見に行っているわけではないので、いつも回答に困っていたが、旅行が好き、を自認して8年、ようやく言語化することができた。 「人がいる」である。 自分とは全く違う天候の下、全く異なる文化や政治や人間関係や生活の中で生きてきた人た

          旅行について

          今日という日の花を摘め

          古代ローマの詩人の詩の一節に由来する言葉である。原文のラテン語では"Carpe Diem"と記載される。こちらのほうが有名かもしれない。一日を花に例え、「今を摘む」「今を生きる」という意味を持っている。 私は「今を生きる」という言葉には大きく分けて二つの意味がありそうだと思っている。一つは「今、この瞬間に集中する」という意味。マインドフルネスや瞑想がこれに近い。五感をはたらかせ、自分と「いま」を繋げる生き方である。もう一つは、「後先考えずに生きる」という意味である。他者から

          今日という日の花を摘め

          花を贈りに卒業式

          今週の金曜日に、大学の卒業式がある。 一応4年間籍を置いた大学である。 個人的な体調不良と2年間のコロナ禍を挟んだ私の大学生活は、ほぼ最後の1年間の記憶で構成されている。よく読み、よく書いた日々だった。 大学入学前には既にひとりが好きだったし、大学生活にはかなり満足しているから、卒業に寂しさはほとんどない。 図書館に頻繁に入り浸ることができないことは少し寂しい。 特に女性、卒業式の朝は忙しいようだ。 早朝の美容院でのヘアセット、袴の着付け、などなど。 私は袴は着ないので、卒

          花を贈りに卒業式