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【読んだ】1月の本たち

1月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

スキップとローファー 8-9巻/高松美咲

先月から読んでいる漫画の続きを最新刊まで購入した。
登場人物それぞれが各々の価値観を持っているが、違いから生じるちょっとしたズレを言語化するのがとても上手くて感動した。本当によく人のことを観察している作者なのだと思う。この人の作品を読んで、2024年はもっと周りを観察しようと思った。

おひとりさまホテル 3巻/マキ ヒロチ

漫画の中にある以下の言葉を読んで、「今の自分」と真摯に向き合って、より自分が嬉しい選択ができること自体への嬉しさがひとり旅にはあると思った。

人生に選択肢はたくさん
選択したものが今日正解だったとしても明日はそうと限らない
選んだら失敗しての繰り返し
きっと人生はそれでいいんだ

データ分析人材になる。 目指すは「ビジネストランスレーター」/木田 浩理

自分が働いている会社では、1月~12月の1年間を四半期に分けて、全社の方針に沿った目標を立てている。それぞれの四半期のことを1Q,2Qのように呼ぶ。
前クールを振り返る中で、分析からの落とし込みでぐるぐるしてしまうことが多かったので、今クールではしっかり価値を作っていきたいと思っていた。
ビジネススキルと分析スキルを併せ持ち、データ分析チームと現場チームの架け橋的な役割の人のことをこの本では、「ビジネストランスレーター」と呼んでいる。5Dというフレームワークのもと、誰のためにどんな分析をどのように実行するか、という一連の流れが掴める本だった。
専門的な内容ではないが、分析作業をする上でも常に意識していきたいポイントが多く、実務と照らし合わせてメモをとりながら思考をまとめられたので自分にとっては良書だった。

SF作家の地球旅行記/柞刈湯葉

好きな作家のエッセイ。柞刈さんはよく旅をしていて、そのときに見たことから着想を得て考えたことなどをnoteで配信しており、それらがまとまって書籍になっている。
その場所にあるものや見られるもの自体にはあまり興味がないので旅のエッセイはほとんど読まないが、柞刈さんは考えたことを書いてくれるがよくて、noteも楽しく拝見している。SF作家なので、どのような場所にいても現実世界と次元が数ミリ平行移動しているのが好きなのだが、海外旅行となると目に見えるものの差分が大きくなるので、いつにも増して少し突飛なことを話してくれるのが嬉しい。と書いたが、やはり柞刈さんはいる場所問わず、いつも突飛で日常的な気がしてきた。突飛というと非日常を連想させるが、柞刈さんからは日常を感じるのがよい。論理的だが直感的なのが作者の好きなポイントである。

物理学者のすごい思考法/橋本 幸士

先月は数学者のエッセイを読んだので、今月は物理学者のエッセイを読んでみた。
自分は中学校を2回転校した影響で、いい感じに物理を履修せずに大人になってしまい、その仕組みや考え方をほぼほぼ分かっていない。単純に物理の人たちから見える世界が知りたくて読んだ。
今のところ物理の人が見てる世界は楽しそう、という浅い感想しか出てこないので、物理センサーをはたらかせたあとにまた読む。
高校では日本史、大学の前半は経営学、最終的に文化人類学を専攻したが、大学四年のときに一般教養科目の物理の授業を取った。文系の学生が多いので、必修以外の理系科目を取る文系学生が少なくて悲しいと先生が言っていたのを思い出した。どうせ文系学生に物理をそのまま教えても理系アレルギーを発症するだけだろうと、この授業では「物理的思考法」を教えてくれた。理系の人は物事に対してどのように考えて検証や実験を行うのか、というのを教えてもらい、「漫画みたいに餅を膨らませたい」という自由テーマの実験をおこなった。このときの仮説検証と実験の繰り返しが面白くて、謎にデータ分析職に就いたので、この授業や「物理的思考法」たるものは私の人生に影響を与えているようだ。
ちなみにこういうエッセイを読むにつれ、主に文系の人から「理系の人?」と訊かれる機会が増えた。数字アレルギーだった過去の自分を知っているので、なんだか面白い。専門性の高い人が考えてることを外に出してくれるエッセイは好きだ。

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