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【読んだ】11月の本たち

11月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことをを端的にまとめている。


キャロル/パトリシア・ハイスミス

本の読める店fuzukueさんで開催された「会話のない読書会」で読んだ本。

自分はいわゆる一目惚れという体験をしたことがないのだが、この本ではその状況や人物の心情が細やかに描かれていて、追体験をした気持ちになる。
そういえば、女性に対して一目惚れする表現にはよく出会うが、男性に対する表現はあまり見ない、もしくは自分がスルーしていると思った。女性の一目惚れシーンは髪,香り,立ち振る舞いが印象を残しているというイメージがある。

働きたくないイタチと言葉がわかるロボット    人工知能から考える「人と言葉」/川添愛

機械学習に詳しい友人が、言葉の使い方に興味がある私へと勧めてくれた本で、"言葉がわかるとは何か?"という問いをもとに、人工知能のしくみを教えてくれている。
「自分たちが楽をするために言葉がわかってなんでもできるロボットを作ろう!」と考えたイタチが、他の町で「〇〇ができるロボット」を見て参考にしながら最強のロボットを作るまでの道のりをストーリー仕立てに説明してくれている。人工知能に詳しくない人にも親切でわかりやすい本である。
これを読んで、私の言葉の覚え方は機械の言語学習と似ているなと思った。あるシチュエーションにおいて頻繁に登場する単語やそれに対応する返答をパターン化して持っていて、状況ごとに適切なパターンの返事を放出しているイメージである。そのため、新しい環境になったときにはパターンのストックがなく、ほとんど話せなくないことが多いと思った。
機械の言語学習を知るうえで勉強になる。

さみしい夜にはペンを持て/古賀史健

一時期ライターのバイトをしてたときに書くことが嫌いになったのだが、この本を読んで、文章ってどんなときに書いてたっけ、そういえば文を書いて救われてたっけ、というのを思い出した。文章を書く友人の家で借りて読み、本当に良かったので自分でも買おうと思っている。めちゃくちゃおすすめ。

pen8月号「特集:スタイルのある旅道具」 /ペン編集部

いろいろな人の旅道具の特集。私は割と旅行をするほうの人間だが、持ち物自体へのこだわりはあまりない。強いて言えば、自分はリュック一つで旅行をするので、最近はいかに荷物が少ないか軽いかを重要視している。
雑誌を読んでからは、自分の求める条件に合うちょっといいものを使ってみたいかもという気持ちになったのと、次の旅を想像するのもまた楽しいのだと思った。

未来職安/柞刈湯葉

技術進歩により働くことがオプション(人口の1%)になった世界線で、それでもなお何らかの理由によって職を求める人に仕事を紹介する「職安」で働く人の話。人間の欲求は五段階に分けられると提唱されているが、この世界線では"貢献欲求"の矛先はどこに向かうのだろうか。

血も涙もある/山田詠美

人の男を取ることが純粋に楽しいと感じる女性と、彼女を取り巻く人々の話。特にすでに婚姻関係にある場合は法律が絡んでくるので、ルール的には不倫が、モラル的に浮気が一般的に良くないと思うが、その状況を純粋な気持ちで楽しんでいるのがこの本の主人公である。別に彼女は"性格が悪い"わけではなくて、普通に傷つくし血も涙もあるそうだ。浮気するような人は〇〇する傾向がある、みたいなかけあわせでなんとなく人の性質は判断できるが、自分は人と対峙するときにそのあたりを考慮していないなと思った。

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