花を贈りに卒業式

今週の金曜日に、大学の卒業式がある。
一応4年間籍を置いた大学である。
個人的な体調不良と2年間のコロナ禍を挟んだ私の大学生活は、ほぼ最後の1年間の記憶で構成されている。よく読み、よく書いた日々だった。
大学入学前には既にひとりが好きだったし、大学生活にはかなり満足しているから、卒業に寂しさはほとんどない。
図書館に頻繁に入り浸ることができないことは少し寂しい。

特に女性、卒業式の朝は忙しいようだ。
早朝の美容院でのヘアセット、袴の着付け、などなど。
私は袴は着ないので、卒業式の朝も変わらず日常である。

4回ほど顔合わせがあったゼミの先生に花束を贈ることになった。
当日の朝9時に、花屋に花を受け取りに行く。
忙しい学生を横目に見ながら、誰よりも身軽な私が、朝から花屋に行く光景が目に浮かぶ。

なんとも静かで豊かな朝だろうと思う。人に贈る花を受け取りに、朝の花屋へ向かう春。

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