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月に一度、本を読んで思ったことをまとめている。
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記事一覧

【読んだ】2024年10月の本たち

【読んだ】2024年10月の本たち

2024年10月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

東京都同情塔 / 九段 理江犯罪者はなるべくしてなった悪い人たちではなく、社会とか育ちとかそういったものが色濃く影響してある程度仕方がなく「犯罪者」となってしまった同情すべき存在であって、彼らを収容する「シンパシータワートーキョー」という新しい刑務所を取り巻く人々や社会の話。この世界では「犯罪

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【読んだ】2024年8月の本たち

【読んだ】2024年8月の本たち

2024年8月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

地球の歩き方 横浜市2025~2026/地球の歩き方編集室横浜方面に引っ越した。この街では右も左も分からず、横浜駅から外に出られないことが頻発していたところ、ちょうど横浜市に特化した地球の歩き方が出版されたので購入した。ちなみに地球の歩き方を買ったのは初めてである。
まず、横浜市の中の各区の位置

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【読んだ】2024年7月の本たち

【読んだ】2024年7月の本たち

2024年7月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

チ。地球の運動について 1-8巻/魚豊15世紀のヨーロッパを舞台に、当時の天文学界の常識であった天動説に疑問を持った人たちが、時代を超えて地動説を提唱するために動いていく話。
何年もの時を横断する話で、主人公がいない構成が珍しく、面白い。地動説は「神が宇宙の中心に地球をつくった」という説に反する

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【読んだ】2024年9月の本たち

【読んだ】2024年9月の本たち

2024年9月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

臨機応答・変問自在 2/森 博嗣元大学教員の森氏は、学生からの質問によってその人の成績評価をつけていたらしい。授業内容に関する専門的な質問が寄せられることがほとんどだが、中には全く関係ない内容のものもあるらしく、学生から集まった面白い質問とそれに対する森氏の回答が一問一答形式で書かれているのがこ

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【読んだ】2月の本たち

【読んだ】2月の本たち

2月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

マイテーマの探し方 ――探究学習ってどうやるの? (ちくまQブックス) /片岡 則夫初めてちくまQブックスシリーズを読んだ。小説ではない読書にチャレンジしやすいよう、短く、わかりやすく、本を読む自身をつけさせてくれるシリーズだである。知らないテーマに対して、最初の一歩となってくれるシリーズだと思うので、読

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【読んだ】1月の本たち

【読んだ】1月の本たち

1月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

スキップとローファー 8-9巻/高松美咲先月から読んでいる漫画の続きを最新刊まで購入した。
登場人物それぞれが各々の価値観を持っているが、違いから生じるちょっとしたズレを言語化するのがとても上手くて感動した。本当によく人のことを観察している作者なのだと思う。この人の作品を読んで、2024年はもっと周りを観

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【読んだ】12月の本たち

【読んだ】12月の本たち

12月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたり考えなかったりしたことを端的にまとめている。

幸せになる勇気/岸見一郎身内に「愛を学ぶならこの本がおすすめ」と言われて半ば強制的に読んだ。
この本によると、誰かを愛することとは"決意であり決断であり約束である"そうで、本の中に書かれていた次の文章を読んでなるほど、と思った。
相手は何を考えているかな、何をしたら喜びそうかな、あれは好きそうかな、一緒

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【読んだ】11月の本たち

【読んだ】11月の本たち

11月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことをを端的にまとめている。

キャロル/パトリシア・ハイスミス本の読める店fuzukueさんで開催された「会話のない読書会」で読んだ本。

自分はいわゆる一目惚れという体験をしたことがないのだが、この本ではその状況や人物の心情が細やかに描かれていて、追体験をした気持ちになる。
そういえば、女性に対して一目惚れする表現にはよく出会うが、男性に対する表現

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【読んだ】10月の本たち

【読んだ】10月の本たち

10月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことを端的にまとめている。

これは水です/David FosterWallece著, 阿部重夫編David Foster Walleceというモダン文学作家が2005年Kenyon大学の卒業式で卒業生に向けて送ったスピーチ文章。

ひとつのメッセージを伝えているスピーチであるが、あえて具体に着目してみる。文中に、"日々の暮らしに無神論というものは存在

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【読んだ】8月の本たち

【読んだ】8月の本たち

8月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことを端的にまとめている。

夏の庭/湯本香樹実"死"に興味を持った小学生が、近所に住む死にそうなおじいちゃんに張り付き死の瞬間を見ようとする、という話。小学生の時、読書感想文の推奨図書として選ばれていたものの、あらすじを読んでなかなか勇気が出ずに手に取れなかった本である。(私はおじいちゃんっ子であるため)
今読んでみると、小学生たちの気持ちだけでなく、

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