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#編集 #ライター 記事まとめ

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編集、ライター、コンテンツ、メディアなどに関する記事をまとめていきます。
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2018年7月の記事一覧

WEB上のテキストから、エモーションを共創する、という欲望

文章を書くことが好きだ。 自分から手を挙げて習い始めた水泳も一週間でやめてしまうような飽き性な自分が、唯一小学生の頃から手元に置いてきた習慣でもある。書く習慣が手元から離れようとするたびに、いつの間にか繰り返し渇望し続けて25年が経った。 私にとって、「書くこと」は「走ること」に似ている。 文章を書くと、身体の血の巡りがよくなったような感覚をおぼえる。身体の中に溜まったもやもやを、「書く」という行為がするりと吹き飛ばしてくれる。まるで、1時間ほど青空の下を走った後のように

ことばの根っこをどう育てるか。

ゲスいことは書かない。 もしも若いライターさんに文章力向上についてアドバイスを求められたとしたら、ぼくはそう答えるかもしれない。テクニック以前の、身の置き場として。自分がどういうフィールドで切磋琢磨するかの話として。たぶんこれ、多くの人が思っている以上にたいせつな話だと思う。 たとえば、「あの人、書いてることはゲスくて賛同できないことも多いんだけど、文章はうまいんだよなあ。なーんか読ませちゃうんだよなあ」というライターさんがいたとする。 多くの場合それは「ゲスいことを書

見つける人、見つけてもらう人。

編集者とライターの関係について考える。 おそらくは「編集者と作家」の関係もそうだと思うけれど、ぼくは作家じゃないので、ここでは「編集者とライター」の話としておく。 編集者はいつも、いいライターを探している。そしてライターはいい編集者に見つけてもらうことを待っている。発注する側と、受注する側。紙媒体の時代は完全にそうだったし、たぶんウェブ媒体でも基本の構図は変わらないはずだ。 20代の一時期、ぼくは髪の毛を金色に染めていた。飽き足らず、赤に染めたこともあった。編集者に憶え

クリエイティブを襲う!「夏休みの工作」現象

初投稿です (よかったら、フォローしてください!)。 僕の仕事は編集者です。 大和書房(だいわしょぼう)という出版社で、4年ほど書籍編集をやってきました。 たった4年なので、極めたわけでもなんでもありません。 本づくりの途中でアレコレ考えた「ふわふわしたもの」しか書けないかもしれません。 けど、なるべく普遍的になるように、「モノづくり」全般に当てはまりそうなことを、心の声むきだしで書いてみたいと思います。 まず1回目は、クリエイティブを邪魔する「愛着」についてです。 1「

note等で、僕の小説の取材をお願いします!

僕の『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の取材をお願いします。 本を読んでくれて、面白かったと感じてくれた方なら、無名な方、学生の方、インタビュー初めてだけどやってみたい、なんて方も歓迎です(たぶん色んな編集者さんが目を通してくれると思うので、お仕事のきっかけになるかもですよ)。 発表先は、noteはもちろん、他の媒体や、voicy、何でも大丈夫です。 bar bossaの開店前に、30分から1時間くらい、お話いたします。 記事、公開したら、僕も必ずシェ

あらゆることを肯定して生きるということ

私は、自分が好きなものを全力で『好き』と言ってまわるのが好きだ。 いいものがもっと多くの人に見つかってほしいし、同じものが好きな人と『いいよね』『最高だよね』と言いたい。 でも昔からそうだったわけではなくて、思春期はもっとひねくれていて自意識も過剰だったので、何かを否定する方が自分が優位に立てると無意識に感じていたような気がする。 他者を否定することで、自己を肯定する。 これは麻薬のようなもので、たしかに一瞬は効果があるけれど長くは続かない。 なぜなら、否定によって

「伝わる」モノのつくりかた

こんにちは。THE GUILDのこばかなです。デザイナーとかをやっています。 先日ネットでの発信をテーマに勉強会をしたので、その内容を記事にしました。クリエイターのみなさんの参考になればと思っています。 「伝える」と「伝わる」は違う以前こんなツイートをしました。 自分は伝えたつもりでも、相手にちゃんと伝わってなかった…こんな経験はありませんか? 特にネット上で不特定多数に発信するのは非常に難易度が高いです。そのためただ「伝える」だけではダメで、正しく「伝わる」ようにす

撮影受注のお知らせ。

ガンと診断されて8ヶ月。 この8ヶ月は治療をしたり、取材をしたり取材を受けたり、文章を書いたり、講演活動したり、旅行に行ったりと毎日楽しい日々なのですが、体が動くようになってくると撮影の仕事をしたいという気持ちになってきました。 体の自由がきかないという理由で、ずっと撮影の仕事はお断りしていたのですが、杖に頼らずとも生活できるようになったので、そろそろ仕事復帰しようかと思います。すでに医療法人や医療従事者から撮影の依頼が来ているぐらいだから、きっと大丈夫です。

連続365日目の投稿。

昨日の記事を投稿したあと、noteからお知らせがありました。 あー、そうなんだなぁ〜。 カッコつけるわけでもないのですが、最近では毎日書くことがごく自然なことになっていたので、特に興奮することもなく、そっかそっか、と受けとめました。とはいえ、ひとつの区切りであり節目であることに変わりはありません。 ということで、365日連続投稿について何か書こうと思ってパソコンに向かったのですが、なかなか手が進みません。気の利いたことを書ける気がしません。書けそうなことから、そろりそろ

いいインタビューの条件。

来年ぼくは、「文章の教科書」のようなものを書くつもりでいる。 いまのところそれは、「ビジネスや就職活動にも役立ちますよ」的な本ではなく、もっと具体的で専門的な「ライターの教科書」に近づけたかたちの本をイメージしている。なんといってもコンセプトは、「ぼくが文章の学校をつくるとしたら、こんな教科書がほしい」なのだ。 当然その本には、「取材について」の章も設けようと思っている。ライターにとって、取材は最後のブラックボックスと言ってもいい。たとえばなんらかの組織に所属する新人のラ

支払いサイト

資金繰りをうまく回していくために重要なことに「支払いサイト」がある。 取次と良い取引条件を結んでいる大手や老舗の出版社だと、新刊本を取次に納品してから、その出版社に売上が入金されるまでのサイトがわりと短い。良いところだと即請求で翌月支払いという出版社もあると聞くが、小零細の出版社だと、6ヶ月後締めで7ヶ月後の支払いがほとんどだから、新刊本の売上を回収する前に、印刷代、製本代、印税、デザイン代、物流など販管費を支払う期日が来てしまう。なので、ざっくりいうと、売上が入るまでは大

出版不況の時代に出版業界に飛び込んでみたけれど、狂気が止まらないのでここに開陳する②

皆さん、こんばんは。 暑さも盛りに差し掛かっているようですが、その暑さも忘れるようなシリーズを、今回も真顔でお届けします。“出版業界の狂気シリーズ”、今回は魅惑の書店巡り編(前編)です。 老いも若きも、営業ではなくても、出版業界の人は良く書店に行きます。 それは、情報収集のためであったり、企画のネタ出しのためであったりします。 電子書籍の時代とはいえ、リアル店舗の影響力はまだまだ強いので、ここのチェックは欠かせません。 仕事とはいえ、もともと本好きだと、つい本気を出し

読まれるリード文には、パターンがある

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった 川端康成著『雪国』の冒頭。あまりに有名な一節である。印象的な書き出しは読者の目だけでなく、心をも引きつけて離さない。 逆にいえば、導入でつまづいてしまった文章は、その後も頭に入ってこない。たとえそれが内容的に良い記事であっても、読み進めていくのは困難だ。 先日書いた記事で、こんな感想をいただいた。 これは自分でも意識していたことなので、かなり嬉しかった。 ライター・編集者界隈では、タイトルの重要性が叫ばれることが多い。もちろ

「カンバセーションズ」が目指していること

こんにちは。 インタビューサイト「カンバセーションズ」の原田優輝です。 「『問い』をカタチにするインタビューメディア」として、先日リニューアルした「カンバセーションズ」では、 「コンテンツ配信メディア」から「共創のプラットフォーム」へ を合言葉に、これからの方向性を模索していきたいと考えています。 新しくなったカンバセーションズのインタビュアーとなるのは、新規プロジェクトや作品制作のアイデアを持つクリエイターや起業家、企業や自治体の新規事業担当者たち。 彼らの着想をカタ