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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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#毎日note

あの値段が気になるから、もう1杯だけ。

私のよく行くバーにはプロジェクターが置いてある。 ワールドカップなどの試合があるとそこに写してみんなで観戦したりするのだ。 スポーツバーというわけではなく、使っていない時もあれば「フジロック流してます!」だったり、BGMは他にかかっているけどアニメや映画などが無音で流れていることもある。 要するにみんなでお酒を飲みながら楽しめるものであればなんでもよいのだ。 先日はWBCを流していた。 そして試合が終わった後、普段は消すことが多いのだがその日はなぜか消音にしてテレビの映像だ

傾けた「!」に宿った、ある思い

「!」 メールでもLINEでもツイートでも、堂々の頻出第一位記号。 デジタルだとまっすぐなはずの記号。しかし、わたしはいつも斜めに書いてしまう。傾いているのである。 うーん、なぜだろう? 困っているわけではないのだけど、原点を考えてみたい。 「!」を傾ける理由はあれやこれやと過去の引き出しをあけていったら、ある理由が浮かびあがる。 ひょっとして、読んでいる(いた)雑誌の影響なのではないか? というわけで、家にあった雑誌アーカイブを漁ってみることに。(スクラップファ

カフェで充電器を貸した話

カフェで作業していると知らないお兄さんに声をかけられた。端の端のそのまた端とはいえ、芸能界に所属している身。数少ないメディア出演を見てくれたのだろう。ありがたいことだ。最大限の感謝と愛情を会釈に込める。だがそんなお兄さんが発したのは予想外の一言だった。 「iPhoneの充電器貸してくれませんか?」 聞けば、携帯の充電が0パーセントになってしまい困っているとのこと。嫌な感じの人でもなかったし、なにより不意打ちの展開に動揺していた僕は「いいですよ!」と二つ返事で充電器の貸し出

新しいタオルケットとは、まだ心の距離を感じる。

私はタオルケットがほしい。 けれど、私がほしいタオルケットの入手は困難を極める。 私はただの新しいタオルケットがほしいのではない。 使い古されたくたくたのタオルケットがほしいのだ。 おばあちゃんの家にあるような、薄ピンクだったり薄水色だったりするやつ。 あのヨーロピアンともアラビアンともつかない謎の模様が繰り返されている柄の、ちょっと端っこがほつれかけているくらいのタオルケットがいい。 東京に上京してくる際に私は実家から、もういつから使っているかわからないようなタオルケッ

白昼夢

 お昼寝って幸せ。  一人でするお昼寝はただスッキリするだけだが、彼女と一緒にするお昼寝はとても幸せだ。  昨日はお昼過ぎくらいに彼女の家に行き、ソファーでしばらく喋ってから「なんか頭が痛いから少しだけ寝ていい?」と言って寝室に向かった。    彼女と付き合って2年4ヶ月。  付き合いたての頃は「頭が痛いから寝たい」なんて弱い部分を見せたくなくて言えなかった。  しかし、付き合っていくにつれて考え方も変わった。  自分の弱い部分を見せないと彼女も弱い部分を見せれない。  

パンケーキと、愛。

わたしはこの大型連休中に絶対にパンケーキを焼くと心に決めていた。「絶対にパンケーキを焼くぞ」という意思を固めてから、連休に入った。4月30日の出勤中、わたしの頭の中はほとんどパンケーキで埋め尽くされていたといっても過言ではなかった。彼の家にメイプルシロップ(10年前にお土産でもらったもの)はあるとして、それとは別ではちみつも買った方がいいのだろうか。彼は嫌いだけれどわたしの好物であるホイップクリームは買うべきか、付け合わせのフルーツは何にしようか、など、わたしの中での「パンケ

叱れないのはやさしさなんかじゃなくて

ありがたいことに、私のことをいたく尊敬してくれている後輩がいる。 中学時代の吹奏楽部の後輩なのだが、名前はかおりちゃん(仮)という。 地元を離れてしまったから中学の後輩なんて近況をほとんど知らないけれど、かおりちゃんは今でもやり取りをする数少ない後輩のうちの一人だ。 かおりちゃんが私のことをここまで尊敬してくれるようになったのには、あるきっかけがある。 中学生の頃。ある日、かおりちゃんともう一人別のパートの子が部活をサボっていたという情報を耳にした。パートリーダーだった

就活、いったん疲れた

新着メールの送り主が見えて、一瞬ためらってからフォルダを開く。 株式会社まるまる。 誠に、まで見えたら、残念ではございますが。 きゅうっと胸のあたりが縮んで、どーんと何かを突きつけられた気持ちになる。 こうして、その後の長文は企業の誠意か精一杯の好感度なのか、社会の中できめられた型でいわゆるお祈りをされる。 もちろん、もう今年度の選考は受けないでね、って書いてある。 こんなやり取りを想定して、予め予防線を張っておくことはできるけれど、それでも何かしら自分に残った重

カカオ ≠ チョコレート?

カカオ = チョコレート。 わたしたちにとって、周知の方程式である。 しかし、カカオの魅力はそれだけではないようだ。 Made in Lithuania先日、京都にある+Chocolatに訪れた。 ここに訪れたきっかけは、わたしの大好きなビーントゥバーチョコレートショップであるgreen bean to bar CHOCOLATEのスタッフさんからご紹介いただいたからである。 入店して目に飛び込んできたのは、多種多彩なビーントゥバーチョコレートである。 そのほとんどは

「I Love You」をどう訳すか。 『心をつかむ超言葉術』を読んで。

1日に30分、スマホデトックスをしてみよう。 そう思い立ったのは1ヶ月ぐらい前のこと。 今月に入ってから、魔の確定申告やら他の仕事やら外出が重なってできてなかったのだけども(全て言い訳ですごめんなさい)、ここ最近またやってみている。 昼間でもいいのだけど、私の集中力的に夜の方が合ってるので、ちょっと遅めの時間に30分。スマホの着信音を消して隣の部屋に置き、仕事用のデスクに座り、本を開く。 そこで気づいたことは、30分間、本気で読書をすると、めちゃくちゃはかどるということ

テントを新調したら景色が変わった

私は現在車が使えないため、どこでも徒歩ソロキャンパーなので、キャンプに行くときはいつも電車とバスと自転車を組み合わせてキャンプ地へと向かうことになる。 今回は琵琶湖。 先月下見しに行った琵琶湖にてソロキャンプを決行することにし、駅前でまたもやチャリンコを借りて、琵琶湖まで漕いだ。 そろそろ、どこでもすぐ自転車を借りる女という肩書をつけようかなと思う、イージーな感じで。 大阪から1時間でこの景色。 最高。 5度目となるソロキャンプ。 テントを新調して臨む今回のキャンプは、

己の人生を追い求める父の人生ゲーム

数年前の冬。 実家に帰った時に、いつもあまりタイミングの合わない兄と私の帰省が重なり、珍しく家族が4人実家に揃うことがあった。 仕事の都合でお正月に休みを取れないこともある兄や、交通費が跳ね上がるため、帰省シーズンをずらして帰ったりする私。 両親は祖父の介護をしていたことなどもあり、ここ数年は各々が忙しい毎日を送っていた。 そんなわけであまり昔のように家族で団らんをするようなタイミングがなかったのだが、偶然が重なり、その年は数年ぶりに4人で落ち着いたお正月を迎えた。 ゆっ

地球は自転し回ってる、いつまでも

 半年ぶりくらいに、いつもお願いしているカメラ屋さんを訪れて以前預けていたフィルムの現像を取りに行った。ついでと思ってフィルムを8本預けたら、なんと諭吉さんが一枚吹いて消えた。突然のことすぎて、声を出す暇もなかった。久しぶりに現像に出しに行って忘れていたが、こんなに現像するのにお金がかかったんだっけ?と若干震える手でクレジットカードを差し出す。 *  緊急事態宣言だから、と自分に言い聞かせてこのところフィルム現像を取りに行くことをサボっていた。昔は少なくとも1ヶ月に1回く

身の回りをリセットしたい、と思った

今年の私は信じられないくらい「捨て欲」がきている。 昨日書いたnoteでも、ふと「〇〇をやめてみよう」と決意ができて、時間が経過するごとに更に加速しているような気がしている。 あ〜〜今の私、いろんなものを手放したい。 * 大好きなテレビドラマ『カルテット』のなかで、高橋一生さん演じる家森さんが「人生やり直すスイッチがあったら、押す人間と、押さない人間。僕はもう押しません」と言うセリフがある。 何か手放そうとしたとき、私はどっちなんだろうと考えてしまう。 「人生リセ