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655.優しさって与えるもんじゃあないんだよね。相手が求めてきたときに、優しくさせてもらうことなんだよね。


©NPО japan copyright association Hiroaki

coucouさんはね、
Mr. coucou,

とっても長い間、
for a very long time

優しさを間違えて生きてきたんだ。
I've lived my life mistaking kindness.

優しさって、
Kindness is

優しくなる、
be kind,

優しくしてあげる。
I'll be nice to you.

優しさって、
Kindness is

人に与えるものなんだと、
It's something you give to people,

学んできた。
I've learned

何よりも、
More than anything,

coucouさんって、
Mr. coucou

あんまり優しくされなかったからね。
It wasn't very kind.

だから、
that's why,

人に優しくすることが大切だと思っていた。
I thought it was important to be kind to people.

でもね、
But you know,

人に優しくして、
be kind to people

人に優しくし続けても、
Even if I continue to be kind to people,

いつも、
everytime,

報われなかった。
It didn't pay off.

むしろ、
Rather,

逆に、
vice versa,

優しくして怒られたり、
Be nice and get angry,

責められたり、文句を言われる場合もあった。
There were times when I was blamed and complained.

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なんで?
why?

なぜ?
why?

どうして?
Why?

でも、人に親切に、
But be kind to people

人に優しくすることが、
Being kind to people

正しいことだと信じていた。
I believed it to be right.


でも、
but,

人に、
But to people

優しく、
gently,

親切に、
kind,

親身に、
empathetically,

なればなるほど、
The more

それが、いつの間にか、
that suddenly

当たり前になって、
become commonplace,

当然と思われて、
taken for granted,

逆に馬鹿にされたり、
Conversely, being made a fool of,

評価が低く、
rated low,

さらに、優しさを要求されるようになってしまったんだ。
Furthermore, kindness has come to be demanded.

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coucouさんには、
For Mr. coucou,

その意味が分からず、
I don't know what it means

社会に出てね、
go out into society

大人になった。
I'm grown up.


でも、何も変わらないんだよね。
But nothing changes.

人のため、って何なの?
What do you mean, for people?

人に、尽くすって何なの?
What does it mean to do your best for a person?


そこでね、
there,

やっとcoucouさんは、
Finally, Mr. coucou

とっても遅すぎるけれど、
It's too late, but

気が付いたんだ。
I just noticed


それはね、
that's

優しさの押し売り、
Tenderness touted,

優しさのおせっかい、
meddling with kindness,

優しさという余計なお世話だったんだよね。
It was kindness and extra care.


そして、結果、
And the result,

誰からもその優しさを、
That kindness from everyone,

あたりの前に捉えられ、
Caught in front of me,

それを当然にさせてしまったんだ。
I took it for granted.

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本当の優しさってね、
True kindness,

自分から、
From myself

与えるもんじゃあないんだよね。
I have nothing to give.


本当の優しさってね、
true kindness,

相手が必要として、
As a partner needs

求めたときでいいんだよ。
It's fine when you ask.


本当の優しさってね、
true kindness,

目立たず、
unobtrusive,

さりげなく、
Unceremoniously,

静かに、
be quiet,

優しく、
gently,

あたたかいもの。
Something warm.

そしてね、
And,

相手を許してあげることなんだね。
It's all about forgiving the other person.

許せないから、押し売りになるんだよね。
I can't forgive it, so it's going to be a hard sell.

許せないから、おせっかいにになるんだよね。
I can't forgive you, so I'm going to be busy.

許せないから、余計なお世話になるんだね。
I can't forgive you, so I'm going to take care of you.


優しささんは与えるもんじゃあないんだよね。
Kindness isn't something you give.

優しささんは、
kindness is

優しくしてあげる、優しくさせていただく。
I will be kind to you, I will be kind to you.

優しくさせていただく、
I will be kind to you,

いただくもんだもの。
Something to eat.

するとね、
Then,

その優しささんはね、幸せになるんだよ。
Your kindness makes me happy.

だから、
that's why,

優しさんも、幸せにしてあげなくっちゃね。
I have to make kindness happy too.

                   Ⓒcoucouさんの心の言葉より~
                   ⒸFrom coucou's heartfelt words~



©NPО japan copyright association 


coucouんです~
みなさん、ごきげんよう~

お馬鹿なcoucouさんの若い頃のお話をするね。
coucouさんはね、勤めたことのない、永遠のフリーター。

どうしても、人に雇われるのが苦手。高校生の時からアルバイト少年だったけれど、どこも勤まらない駄目駄目人間だった。

だからね、自分一人で生きて行こうなんて勝手な野望と、世間を見返してやるという復讐に似た生き方をしていた~
そう、メジャーになって、みんなを見返してやるんだってね。
この時代は、そんな若者だらけだった気もする。

そして、19歳の頃、フリーターの最初の仕事は絵が好きだったから毎日、出版社に売り込みの日々を送るようになった。
そしてだんだんと仕事の依頼が来るようになった。
最初は子供雑誌。

でも、当時はスマホはないし、公衆電話と手紙しか通信手段がないんだ。

だから、相手先にまめに連絡を入れるか、郵送しかなくて困り果てていたところ。友人の紹介で、ある障がい者さんの仕事を手伝うことにして、電話番をお願いすることになった。

もちろん、自分の仕事もそこでして、その代りその人の仕事の手伝いや、家の周りのお世話をすることになった。

oucouさんは人のお世話も大好きだったから、その人の仕事以外のプライベート、つまり、掃除や洗濯、配達や買い物、食事の世話もさせていただいた。何よりも、その人の仕事場の片隅に机と電話を置かせてもらい、電話番もしてもらえるんだもの。とても助かっていたため恩に感じていた。

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彼の仕事は写植屋さん。写真植字といって、活版の文字と違い、一文字一文字、写真で撮って印画紙に焼き付けるという、当時タイプ文字が主流の時代の最先端だった。(漫画のセリフのネームはほとんど写植文字)

それに下半身がまるで動かなくても上半身だけで仕事ができるため、この業界にはたくさんの障がいを持つ人たちが自立していた。

coucouさんは、生まれて初めての社会に感動して、日々大変だったけれどとても充実していた、とても楽しかった。仕事も子ども雑誌から、ファッション関係女性雑誌、男性雑誌、そしても週刊誌まで受け持ち、昼間は、彼の手伝い、夜は絵を描きまくっていた。


そして、数年過ぎて、仕事がどんどんと減るようになってしまった…。
でも、あまりにも不自然なんで、出版社に直接連絡を入れたら、「断られた…」という。coucouさんは驚いた…。「誰がですか?」「電話に出た男性の人だ」という。

coucouさんはあまりにもショックだった~
だって、やっと掴んだ道なのに…。

でも、少しばかり違和感も感じていた。
それはね、その人にお嫁さんが来てからcoucouさんの仕事、いや、雑用が増えてきたことだった。

coucouさんはね、お嫁さんが来てくれてとても嬉しかったんだよ。
結婚式はこの仕事場でした。お嫁さんには両手がない。
すべて足だけで着替えからする。

でも、coucouさんは、両手、両足があるため、二人の世話もすることになった。奥様は、おとなしい人だったけれど、coucouさんにはいつも優しかった。両足を使って食事の準備をしたり、coucouさんにお茶を準備してくれたり、言葉はないけれど優しさが伝わっていた。

やがて、子どもが生まれた~
すると、coucouさんはさらに忙しくなり、生まれて初めての赤ちゃんのミルクやおしめの交換や病院にまで連れて行った。

それでも、coucouさんは不満はなかった。
やがて、彼は仕事が上手く行かなくなり、coucouさんを怒鳴りつけるようになった。でも、coucouさんはそれでも同情心もあったと思う。毎日休みなく仕事も手伝い続けた。(coucouさんはここで、デザインとか、印刷技術、印刷というものを学んだ)


ある日、coucouさんは、出版社への断りの電話の話を切り出した。
どうして?どうして大切な仕事を断ったの?
coucouさんには理解できなかったからね…。

そしたら、
「キミは手足があるからわからないんだよ、俺たちの気持ちが、障がい者は大変なんだよ、生きていくことが…」
「…」

そんなことはわかっている、少しぐらいはね。
だから、こうしてお手伝いしているんだもの…。

「でも、どうして大切な仕事を断ってしまったのですか?」

すると、
「出版の世界なんて、不安定だし、そこで生きていくことなんて難しい。そんな仕事よりも、俺の仕事をする方がキミのためになるはずだと考えたんだ。生活の心配など、俺が面倒を見てやるからな。だからここで働いてもらいたいんだ…」

ああ~

coucouさんの夢が壊れた…。

こんなに尽くして、こんなに頑張って、こんなにもしてきたのに。
ならば、断る前にそう話してくれれば良かったのに…。

coucouさんは優しさって、勘違いしていた…。

全力で頑張り続けた。
優しさは人のために、優しさは自分のために、そう信じて来た。
彼にしてみれば、彼なりの優しさなのかも知れないけれど、お互いが同情し合う一方通行の優しさの押しつけ。

本当の優しさってね、
True kindness,

自分から、
From myself

与えるもんじゃあないんだよね。


優しさって、優しさが続くと、優しさを失い、当たり前になる。
当たり前になればなるほど、相手を我儘にさせてしまう。
だって、その優しさってその人にしてみれば、当たり前のことなんだもの。

相手を許してあげることなんだね。
It's all about forgiving the other person.

許せないから、押し売りになるんだよね。
I can't forgive it, so it's going to be a hard sell.

許せないから、おせっかいにになるんだよね。
I can't forgive you, so I'm going to be busy.

許せないから、余計なお世話になるんだね。
I can't forgive you, so I'm going to take care of you.


coucouさんは、報われないおせっかい。
余計なお世話の結末。
なんでもやりすぎると、相手の自立心を失わせてしまう。
見守る、見続けることが出来ないから、してしまう、してあげてしまう。
頼まれなくったって、やってしまう。
嫌われたくない、好かれたい、愛されたいの固まり。

それって、自分も、相手さえも許すことのできない無間地獄。

優しささんは与えるもんじゃあないんだよね。
Kindness isn't something you give.


coucouさんは、優しさの意味を勘違い、間違えてしまった…。
coucouさんはね、静かにこの場所を去ることにした。

そしてね、絵を描くことを捨てた…。

もう、すべてを一からやり直す、気力を失っていたんだ。
そう、coucouさんにはね、絶望しかなかったんだもの…。

©NPО japan copyright association Hiroaki




あれから、もうどのくらいの時が過ぎたんだろう…。
そう、40年以上過ぎてしまった。
でもね、最近のcoucouさんは、もう一度、絵を描いてみようと思い始めたんだ。それはね、noteのクリエイターさんたちの作品を見続けていたら心が踊り始めたんだ、そう、みんなのおかげさ~

今度はね、あの優しさんを幸せにしてあげたいと思う、お年頃になったのかも知れない。

coucouさんの遠回り、随分と遠くに来た気がする。

優しささんとともに、またはじまりなんだね~



久しぶりの、長いはなしのおつきあい、
読んでくれてありがとうございます。

また、あしたね~

みんな、今日も優しく生きてくださいね~


文字数6,409文字

©NPО japan copyright association 

※追伸:ラストのコラボ作品~
素敵な朗読、ひとえさん作品のご紹介、聞いてくださいね~


Je n'ai que mon âme

 
coucouさんのアーカイブス(過去作品)だよ~みてね~

coucouさんのホームページだよ~みんな、みてね~

 
Production / copyright©NPО japan copyright coucou associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru

 

⑦のほほん・ほん【癒しの童話】「ゆづり葉」【穏やかに読み聞かせる/ゆる~く朗読】
Ⓒ一技(ひとえ)YouTubeチャンネル~仕事やご自宅、眠る前にスマホでもお聞きくださいね。

Ⓒ一技(ひとえ)【癒しの童話】「ゆづり葉」





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