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673.ああ~年老いた君に、また恋している♬

I'm in love with you again when you're old ♬


©NPО japan copyright association Hiroaki


あの頃、
Back then

あの時、
At that time,

あの日々、
those days,

自分はずいぶんと、
For a long time, I

年をとっていた。
was old.


毎日、
every day,

飢えた、
starved,

年老いた、
Aging,

狼のように、
like a wolf,

目だけはギラギラと、
Only the eyes are glaring,

輝いているけれど、
shining, but

すべての希望を失っていた。
shining, but



そう、
yes,

何もかもの夢が、
The dream of everything

泡のように消え去ったからなんだ。
Because it vanished like a bubble.


あれから、
Since then,

数十年の時を超えた。
decades have passed.

誰から見ても、
From anyone's point of view,

若いくせに、
Despite being young,

年寄りから見れば、
From the point of view of old age,

羨ましがられるはずなのに、
I should be envious,

生きる希望がなくなると、
When you no longer have the will to live,

人は、簡単に年老いてしまう。
People get old easily.

©NPО japan copyright association Hiroaki



だから、
that's why,

もう一度、
once again,

あの頃に、
in those days,

あの時に、
At that time,

あの日々に、
in those days,

決して、
never,

決して、
never,

戻りたくない、思う。
I don't want to go back, I think.

誰からも、
From anyone

見放されて、
abandoned,

愛する人の心も離れ、
The hearts of loved ones are also gone,

まわりから、
from around

みんな、いなくなる。
Everyone disappears.

誰でもいい、
whoever,

怒鳴ってくれてもいい、
You can yell at me,

誰か相手にしてほしい、
I want someone

一緒に泣いてくれる人が欲しい。
I want someone to cry with.


そんなことも、
Such a thing

夢の中の夢、
a dream within a dream,

夢さえも見せてくれないね。
You won't even show me your dreams.

©NPО japan copyright association Hiroaki

あの日々、
those days,

あの時、
At that time,


あれから40年という時が流れた。
40 years have passed since then.



鏡を見ると、そこには口の曲がった老人がひとり。
When I look in the mirror, I see an old man with a crooked mouth.

そう、ひとりぼっち。
Yes, alone.


誰かが、こんなことを言っていた。
Someone said something like this.

人間は、ひとりぼっちで生まれて、
Humans are born alone,

ひとりぼっちで死んでいくとね。
You're going to die alone.

そう、確かな言葉。
Yes, certain words.

こうして今は、ひとりぼっちなんだもの。
That's how I'm alone now.

©NPО japan copyright association Hiroaki



そして、さらに時が過ぎ、
And more time passed,

不思議なことが起こった。
A strange thing happened.

日々は何も変わらないのだけれど、
Day by day nothing changes,

好きなことができた。
I was able to do what I wanted.



すると、
Then,

好きな人ができた。
I found someone I love.


すると、好きな人とともに、
Then, with someone you love,

幸せを少しばかり感じるようになった。
I started feeling a little happier.


鏡を見たら口がまっすぐに伸びていた。
When I looked in the mirror, my mouth was straight.

すると、毎日が楽しくなった。
After that, every day became fun.

だって、好きな人に会えるんだもの。
Because you can meet someone you like.


その好きな人は、
The person who likes

一緒に泣いてくれて、
for crying with me,

一緒に苦しんでくれて、
For suffering with me,

言葉こそ、
words are

何もないけれど、
Nothing, but

いつも静かに、
always quiet,

微笑んでくれる。
It makes me smile.


ああ~
Ah~

こんなに幸せでいいんだろうか?
Is it okay to be this happy?

ささやかな笑顔だけで、
With just a small smile,

人はこんなにも幸せになれるのだろうか?
How can a person be so happy?


ああ~
Ah~

幸せになれるんだね。
You can be happy.

こんな事だけで、
Just like this


©NPО japan copyright association Hiroaki


あの頃は、随分と、年老いていたけれど、
At that time, I was quite old, but

今も、身体は自由に動かなくなったけれど、
Even now, my body can no longer move freely,

心が解き放れ、自由になった気がする。
I feel like my heart is open and free.

だからね、
So I,

今は、
now,

あの頃よりも、
than those days

ずっと若い。
much younger.

ますます、
more and more,

若い。
young.


最近、鏡を見たら口が丸くなっていた。
Recently, when I looked in the mirror, my mouth was round.


ああ~
Ah~

本当の若さって、
true youth,

何かを好きになることなんだね。
It's about liking something.



ああ~
Ah~

年老いた君に、
old man,

また恋している♬
I'm in love again♬


                     Ⓒcoucouさんの愛の言葉より
                    ⒸFrom coucou's words of love

©NPО japan copyright association 

coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

5月の風

自らの命を絶った、coucouさんの友人がいる。
膨大な借財を抱え、倒産後だった…。
山梨県の大月駅に飛び込んで一命をとりとめた。

慌ててcoucouさんは病院に駆けつけた…。
そばには奥さまも子どもたちもいない。

面会に出向いたら、
病院の窓辺に車椅子のまま外を眺めている彼の姿があった。

そばに寄り、一緒に窓の外を眺めたら、子どもたちが楽しそうにサッカーをしていて、大きな掛け声が聞こえる。
この病院の隣は中学校だった。

coucouさんと彼は、二人でその子どもたちを眺めていた。

すると、突然、彼は口を開いた。
「あの頃に、もう一度、戻りたい…。」と。

どうして?ってたずねたら、
「もう一度、一から人生をやり直したいんだ…」と、ぽつりと言う。

「やり直せるさ、coucouさんだって、今、やり直そうとしている…」

「もう、無理だよ、何もかも壊れてしまった…。」

「…」

あとは、言葉にならず、また来るから退院日を知らせてくれと、現金を置いて、その場を立ち去ることにした。
彼は、coucouさんが困っている時に助けてくれた一人だったんだ。

しかし、その数か月後、同じ場所の大月駅の線路内でこの世を去った。
coucouさんは悔しくて、悔しくて、悲しすぎて泣いた。

大月は、彼が子どもの時に育った想い出の地…。

その後、彼の友人が彼の連帯保証をしていて、この世を去った。
わずか一か月に二人の友人が戦死した。

後に、彼の奥さまから、彼の読みかけの1冊の本を頂いた。

その本は、「賢者の教え」時代を超えて読み継がれている世界最強の処世訓。ショーペンハウエル、ニーチェ、森鴎外など古今東西の偉人賢人たちの生き方を支えた箴言の数々。

とても、素晴らしい本だった~

彼には、この賢者の教えのように生きていて欲しかった…。
そして、未来を生きて、素晴らしい過去にしてもらいたかった。

毎年、5月の子どもの日になると想い出す。

バルタザール グラシアン, J.レナード ケイ.加藤泰三訳 経済界 (1993/6/1)より


ここまで、読んでくれてありがとうございます。
また、coucouさんのアーカイブスの古い作品を読んでくれる人が増えてきました。大変嬉しく思います。

あらためて、感謝~

若い人、
若くても、
年老いても、
年老いた人も、

みんな恋して、
また恋する。

それが若さの秘訣だね~


coucouさんはね、
noteのみんなに恋してる💛


また、あしたね~


文字数4,957文字

©NPО japan copyright association 

※追伸:ラストのコラボ作品~
素敵な朗読、ひとえさん作品のご紹介、聞いてくださいね~

coucouさんは、この朗読でいつも泣いてしまいます~

You Raise Me Up (arr. Campbell)

coucouさんのアーカイブス(過去作品)だよ、みてね~

coucouさんのお気に入りnoteの素敵なクリエイターさんたち~

coucouさんのホームページだよ~みんな、みてね~


Production / copyright©NPО japan copyright coucou associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru


※coucouさんの子どもの頃からの愛読書「幸せの王子」。
ひとりぼっちで入院をしていた子ども時代。coucouさんは、幸せになりたいと祈り続けていた。

だから、このタイトルのように幸せな王子に憧れた。
でも、この幸せの王子は、決して幸せではない。

読み終わったcoucouさんは、泣きながらこの本は「不幸の王子」だと思った。最後に神さまは幸せの王子を救ってくれたけれど、coucouさんは誰も助けてはくれない。

3年以上の入院生活で、この物語の主役は、幸福の王子ではなくて、つばめさんだと思うようになった。
こんなに哀しい、話はない。

でも、coucouさんの心のバイブルとなった想い出の作品を一技さんは優しく、穏やかに語りかけてくれる。

なんで涙が出てしまうんだろう…。

お時間がありましたら、聴いてくださいね~

㉕【こころ穏やか癒し癒しの童話ろうどく】(オスカー・ワイルド・作/翻訳 結城廣)

Ⓒ一技(ひとえ)YouTubeチャンネル~仕事やご自宅、眠る前にスマホでもお聞きくださいね。


Ⓒ一技(ひとえ)【癒しの朗読】

幸福の王子(オスカー・ワイルド・作/翻訳 結城廣)


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