379.どんどんと訴えればいい。個人でも簡単にできる民事裁判制度。
この著作権noteで「地下鉄サリン事件」を取り上げた。それはサリン被害に合った方々の顔や姿がテレビや新聞、雑誌等で「報道の自由」の元に公表されたが、故人の方やご家族のクレームによって大幅なぼかしと共に映像を改変することになった。
まだ、世の中に「肖像権」という言葉が浸透していなかった時代。
※「地下鉄サリン事件」は、1995年(平成7年)3月20日に日本の東京都で発生した同時多発テロ事件である。
しかし、1981年から1982年にかけて、アメリカ合衆国のロサンゼルスだ起こった銃殺、傷害事件が起きた。
当時は「疑惑の銃弾」というタイトルでテレビや雑誌報道が繰り返され続けていた。
犯人は射殺された夫、三浦和義が保険金目当てで現地の人間を使って銃殺したという報道があった。
おそらく、私の知る限りだと、報道の過熱化により、日本にはじめて「被験者に対する人権侵害」「プライバシー侵害」「名誉棄損」「肖像権侵害」がこれをきっかけで広がって行った気がする。
そして、彼はマスコミに頻繁に出演しはじめ、最終的には結論の出ぬまま逮捕、拘留となり留置所生活となる。
シしかし、三浦被告は、2003年に日本で行われた裁判において無期懲役から一転して無罪となった。だが、それで疑惑が晴れたわけではなかった。
また、彼は獄中において、弁護士を雇わず、自らが勉強し、自分に不利なテレビ報道、マスコミ各社を相手取り、「名誉棄損」「肖像権侵害「プライバシー権」などを主張し、本人起訴(民事訴訟)を行った。
なんと、各マスコミに対する訴訟は476件となり、本人は訴訟の80%を勝訴したと本まで出版した。
おそらく日本史上で個人が訴訟をこれだけの数を訴えた事例はいまだに耳にしたことがない。時効を覗いたもの以外はすべて勝ったことととなる。
肖像権等は法律の条文には存在していないが、「名誉棄損」の中の一部条文に含まれているもので、もしかすると、裁判事例としては貴重な特筆すべき判例かも知れない。
このように、「肖像権侵害」「プライバシー侵害」「著作権侵害」などは、個人であっても、素人であっても少し学べは弁護士さんを雇わずとも、自分で訴訟ができる、ことを一般国民に知らしめた事件でもあった。
誰でも簡単にできる民事裁判
簡単に訴えることができる民事裁判
弁護士いらず―本人訴訟必勝マニュアル 単行本 – 三浦和義著/出版社 : 太田出版 (2003/6/1)
人の顔を平気で晒すとか完全に肖像権侵害。モザイク掛けずにアップとか迷惑極まりない。
【ディープフェイク】本人許諾は必要?死後の肖像権は?徹底解説
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※本内容は、しばらく「肖像権」シリーズとなります。
我が国、1億数千万人、すべてがスマホを持つ、一億総カメラマン時代。
現在、様々な場所でこの写真、映像の問題がトラブルとなっています。写真や映像を撮影した者には「著作権」があり、写された者には「肖像権」があります。「撮る側」には「撮る権利」があるといいますが、撮られる側には「撮られたくない権利」というものがあります。
もっとも大切なことは「撮る側」は人を傷つけてはならないという最低限度のルールやマナーが必要になります。
撮っただけであくまでも「個人的利用」「私的使用の範囲」だという人もいますが、たとえ、公表し、使用しなかったとしても、「隠し撮り」「盗撮」のような、悪質なものもあります。「撮る行為」というのは利用の仕方によっては「暴力」と化します。あまりにも安易に写真や映像が簡単に撮れる時代だからこそ、注意と配慮が望まれます。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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